産後のセックスについて

  • 2014-08-29 21:45
  • 一般公開
  • テーマ:夫婦のこと
私が主催しているカンガルークラブも、早30年が経ちました。その集いで、産後すぐの生徒さんが集まると必ずと言っていいほど、出る話題があります。それは「産後のセックス」についてです。きょうは、この話を書きたいと思います。

カンガルークラブでの気心の知れた仲間とのおしゃべりは、いろんな本音が飛び出すもの。「産後、夫との接しかたがよくわからくない。セックスをするくらいなら、1分でも多く寝ていたい」という声をよく聞きます。あるとき、「そんな私とはウラハラに、産後1ヶ月で夫婦生活OKという合図を待っていたかのように夫は乗り気。かなり温度差があって困っている。まだ生理はないけれど、次の妊娠まではまだ間をあけたいこともあるし、挿入されると痛いのもイヤ。とにかく『したい』という気分にとてもなれない…私と夫が、今の状況に互いに納得できるような関係でいるにはどうしたらいい?」といった相談がありました。これは、多くの生徒さんが感じている内容だと思ったので、さっそく堀口先生に伺ったところ、次のようなお返事をいただきましたので、紹介したいと思います。

堀口先生:私は25年間産科専門の年間1200以上のお産のある病院や産院で勤務してきましたが、産後のお母さん達にしても赤ちゃんにしてもその健康状態も生活のパターンも様々です。ということは、今自分はどうしたいのか、何をしてほしいのかをお互いに伝えることが大事です。温度差があることを伝えなければ、わかりませんよね。1分でも多く寝ていたいとのことですがそれは、どうしてでしょうか? 3時間おきくらいの授乳で、毎回時間がかかりその後おむつを取り替えるなど細切れにしか眠れない。明日の朝は六時前に起きなければならない予定がある…? 授乳の間隔や、授乳に必要な時間、飲めばおしっこをする子ども・しない子ども、などそれぞれ個人差はあるものです。終れば直ぐ眠れる人もあり、浅い眠りしかダメなお母さんもいます。

それはともかく、「1分でも多く寝たい。貴方に肩を抱かれて安心して、眠りたい」「産後の経過は大丈夫と言われたけれど、まだ傷を触れると痛いのでそこはダメよ」彼は挿入して射精したいのでしょうか? それではどうしたら良いのか。痛いのであれば、手を使う? 口を? あるいは自分で? 私は子どもで手一杯。それなのに何故そんなことをしなければいけないの?では気持ちが離れてしまいますね。彼は妊娠中からもう1年も我慢していたのだと言うかもしれません。

気持ちのいいセックス(性交)は、「2人が求め合う状態でこそ」ですよね。子どもを産んだばかりの女性は、本能だけで完全な母親になれる訳ではありません。すべてを自分に頼り切っている小さな生き物をどうやって守るか、守って行けるかに緊張しまくっていることでしょう。それこそ1分でも多く寝たい原因ではないでしょうか。夫が懐深く肩を抱いてくれることで、自分が1人ではない、と心が休まるのではないでしょうか?

産後の避妊についても一言。ホルモンの状態が妊娠前の状態に戻って、産後初めての排卵があるとその2週間後に月経が始まります。ですから「生理(月経)が始まっていないからと言って安心はできません。排卵後に、受精がなければ月経が始まるので、月経がくる前は妊娠の可能性がない」のではないのです。


以上が堀口先生の回答です。いかがでしたか? 産後の避妊の重要性にも触れていただきましたが、私もこれは身を持って感じた経験があります。私が長男を生んだ夏のこと。当時住んでいた社宅は新しく建てられたこともあり、新婚さんが多く、その夏、私以外に2人の奥さんが出産をしました。その2人は出産後すぐに妊娠したのですが、そのことに気づかず、その年の暮れに掻爬を経験しています。50年以上前のことですので、妊婦のための情報も今よりもずっと少なかった時代…とはいえ、産後の心と体に大きなダメージがあったことに違いはありません。ぜひ気をつけてほしいと思うことの1つです。

堀口先生は大ベテランの産科医です。出産を経験したお母さんのことをよく理解してくださったうえで、男性の立場で答えていただいている…まさに、ハッとするような気づきがたくさんあるのではないでしょうか。

堀口先生の回答に夫婦それぞれの心を理解するということが大切だなと感じた人も多かったはず。しかしながら、なかなか母になりたての女性の気持ちを理解してくれる夫がいないのも現実でしょう。そんな理解のある夫の話はめったに聞いたことがありませんもの。

夫婦2人の気持ちがすれ違わないようにするためには、努力も必要です。そこで、ぜひご紹介したい本があります。

堀口先生が奥様の雅子先生とご夫婦の共著として書かれた『夫婦で読むセックスの本』堀口貞夫・堀口雅子(著)です。長年、性に向き合ってきたベテラン産婦人科医のお二人だからこそ、その言葉には重みがあります。きっと「?」が「!」に変わるはずです。ぜひ読んでみてください。おすすめの一冊です。

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