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妊娠高血圧症候群に、小児用バファリンって?

妊娠初期(1~4ヶ月)の相談

Q216:妊娠高血圧症候群に、小児用バファリンって?

妊娠10週目です。以前の妊娠の時に妊娠高血圧症候群( 妊娠中毒症)にかかってしまい、今回もまた、妊娠高血圧症候群になる可能性が高いとお医者さんに言われました。

前回の妊娠の時の病院は、個人の小さい病院で今回は大きな病院に行ったほうが良いと言われ、今は総合病院に行ってるのですが、ここの病院では妊娠高血圧症候群の予防薬が出されます。それが、小児用のバファリン81mg錠なんです(朝食後に1錠)。このバファリンを服用すると血がサラサラになって良いそうです。

はじめビックリして先生に大丈夫なのか確認したのですが、やはり不安です。インターネットでいろいろ調べてみてもよくわかりません。他の妊娠高血圧症候群の妊婦さんも飲用しているのでしょうか?副作用などないのでしょうか? 2003/12/26
堀口貞夫先生
●妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の定義
妊娠高血圧症候群とは「妊娠中に高血圧、タンパク尿、浮腫の1つまたは2つ以上の症状が見られるもの(ただし、高血圧疾患や腎臓病に合併した妊娠は除く)」です。最近は「基礎にあるのは高血圧で、血管の攣縮・血管の内皮細胞の障害・血液の固まりやすさの変化が起こっている」という考え方が強くなっています。

●妊娠高血圧症候群の確率
妊娠した人の5~10%に見られ、最初の妊娠で妊娠高血圧症候群になった人が次の妊娠で、また発病する確率は30%ぐらいですから、最初の妊娠で妊娠高血圧症候群だった人は、注意が必要です。

●小児用バファリン利用の背景
小児用バファリンを使うという考え方は「妊娠高血圧症候群になる可能性の高い人は、この、血液と血管の機能障害をできるだけ予防しよう」という考え方に基づくものです。

●小児用バファリンの効果
30,563例の妊婦さんにこのような予防処置をした結果、妊娠高血圧症候群の発病を15%、早産を8%、新生児死亡を14%下げることができたという結果が出ています。しかし妊婦に対する効果と胎児の体重増加の改善に対する効果は、まだはっきりしていません。

●目的別バファリンの使用量
バファリンはアスピリンと同じもので消炎鎮痛剤です。この目的で使う時には、1回に500~1,500mg内服します(1日原則2回まで)。妊娠高血圧症候群予防のためには1日に40~100mg使用します。

●副作用のこと
薬物ですから、副作用はありますが、多いのは胃腸障害(3~15%)で、その他の腎障害、肝障害、アレルギー反応などは1%以下です。どんな薬を使用する時もそうですが、これらの副作用に注意しながら使うということになります。ですから、すべての産科の外来で使っているという訳ではありません。

先生のプロフィール

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
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