Q.マタニティスイミングを始めたいのですが、気をつけることはありますか?
安定期に入り、つわりもおさまってきました。運動不足を解消するために、マタニティスイミングを始めようかなと思っています。泳ぎは好きなほうですが、何か気をつけることはありますか?
(30歳女性妊娠17週)
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妊婦になると、自分の身体が以前のように思うように動けなくなるため、運動不足になりがちです。そこで適度な運動をすることは必要ですが、未経験のスポーツを始めるには無理があります。1978年に日本から始まった妊婦水泳は、お産に必要な呼吸法と泳ぐことでした。その後水中運動(プールの中を歩いたり、踊ったりする)が確立され、水平から垂直へと発想が変化してきました。
水の中では空気中よりも体の重みを感じないですみます。そして泳げない人でも水中を歩くことは可能ですし、また、まったく泳げなかった人が、泳げるようになる、その達成感が出産へ向けての自信につながります。大事なのは、水泳を通して、自分の意志で体の力を抜く方法を身につけること。気を付けることは、「きまりごと」にしたがってください。
・妊娠16週以降であること
・妊娠の経過が正常であること
・お腹の張りが頻繁でないこと
・流産、早産の経験がないこと(ただし、主治医の許可があればよい)
・流産、早産の原因になる要因(子宮筋腫、子宮奇形、多胎など)がないこと。
もしマタニティスイミングを開始してから、お腹が張りやすくなったり、子宮口が開くことなどの変化があった場合は、即刻中止しなくてはいけません。そして、マタニティスイミングを安全に続けるために主治医の見解を何よりも最優先してください。
また、マタニティスイミングをするにあたっては、施設のチェックもしっかり行うこと。チェックのポイントは、
・泳ぐ前と後に必ず体調チェックを実施していること
・水温、室温ともに30℃を保っていること
・泳ぐ時間が午前10時から午後2時の時間帯(陣痛発来の最も少ないとき)に組まれていること
・水泳する時間が1時間以内であること
です。マタニティスイミングを通して、お産を順調にすすめる基本となる精神的、肉体的なリラックス法を身につけてほしいと思います。気持ちもリフレッシュできるし、妊婦さんのお友だちもできるはずよ。ぜひ楽しんでくださいね。(2015年7月7日:回答一部修正)
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▼ 金澤 直子先生のプロフィール
妊婦・親子水泳教師の草分け的存在として80歳過ぎまで現役で活躍後、プールの中での指導は卒業。現在は妊婦卒業生の強い味方として、指導に当たっている(東京アスレティッククラブ中野/月1回カンガルークラブ、年に2回親子コンサートの主催)。栄養士の資格と経験を生かし、スイミング教室の後は、お手製のおかず持参でお食事会を毎回ひらき、妊婦の悩みに答える、人呼んでヤンババ。その由来については、著書『ヤンババの出産・子育て知恵袋』(築地書館)をご覧あれ。著書に、堀口貞夫・金澤直子共著『ゆっくりきっぱりお母さんになる』(赤ちゃんとママ社)。
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