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2012-01-06T00:00:00+0900 2012.01.06

Q.無痛分娩のメリット、デメリットを教えてください

結婚して1年を迎えます。生活もだいぶ落ち着いてきたので、「そろそろ赤ちゃん...」と考えています。実姉が出産した際、姉の旦那さんがくるまで付き添いをしましたが、陣痛で苦しむ姉を見て、出産があんなにつらいものであることに驚きました。私にはあんな陣痛の痛みに耐えられるか自信がありません。痛みに弱い人には無痛分娩という方法があると聞きました。無痛分娩のメリットやデメリットがあったら教えてください。

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痛い、苦しいとかは、心理的な影響を受けるものです。病院で採血するとき針の刺さる所から目をそらしませんか。針を刺すと痛いことは痛いけれど、怖さは少なくなりますよね。
またお産のときは、痛いかなとか怖いなと思ってからだを硬くしていると赤ちゃんの通り道(産道)も緊張し広がり難くなり,痛みを強く感じるということもあります。その不安や緊張を和らげるために母親学級の指導、ラマーズ法、妊婦ヨガ、妊婦水泳などが試みられているのです。そしてこのような、クラスに参加することで妊婦の仲間ができ、いろいろな話をすることで、子どもを産むこと、お産に取り組むことについての気持ちを共有すると、母親になる誰でもが経験することとして「怖い、痛みから逃げたい」という気持ちを少しずつ乗り越えて行けるようです。

それでも痛みが全く消えてしまう訳ではありません。医療技術の進歩はその痛みを麻酔によって取ることを可能にしました。これが無痛分娩です。
無痛分娩で使われる麻酔の方法としては、硬膜外麻酔、吸入麻酔、鎮痛剤の注射などの方法があります。硬膜外麻酔が、現在よく使われている方法です。腰椎麻酔のように背中に針を刺し、その針を通して細いチューブを硬膜外腔に挿入し針だけ抜きます。長い分娩時間の間もこのチューブを通して麻酔剤を注入することが出来ます。産道を通ってのお産の麻酔としては良い方法なのですが、技術的に少し難しい、麻酔を完全に効かせようとすると陣痛が弱くなってしまうことがある、いきみが上手く出来ず吸引分娩・鉗子分娩の助けを借りなければならない時にあるなどの気をつけなければならないことがあります。
吸入麻酔と鎮痛剤は薬が全身に回るのであまり強いものは使えません。それで効果という点で少し弱いかなという感じです。しかし麻酔の聞き方は個人差があるので、上手くいくと「やって良かった」というくらいの効果があります。鎮痛剤は不安からの緊張が強い人の場合、緊張が取れて進みも早くなることがあります。

麻酔ですから、血圧が下がったり呼吸が弱くなったりという稀な出来事にも備えておかなければなりませんので、人手が必要です。そのため無痛分娩はどこの産院でもできるというわけではありません。大病院でなければ麻酔医の当直はいないことが多いですし、大きな病院は緊急の手術が多いので、無痛分娩までは手が回らないのが実情です。産科医が麻酔をすることは出来ますが、夜間は人出が足りなくなりがちです。日本で無痛分娩が普及しない一つの理由です。

2012-01-06T00:00:00+0900
  • ▼ 堀口 貞夫先生のプロフィール

    • 元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。

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