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2002-02-01T00:00:00+0900 2002.02.01

Q.多胎について

はじめまして。4ヶ月の娘を持つ、元看護婦です。いま、妹が3つ子を妊娠中です。減胎も進められたようですがやめたようです。最近の多胎の現状・危険性・注意点など教えていただきたいのですが。やはり、3つ子はリスクが高いのでしょうか?

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多胎の頻度:0.6%位でしたが1980年代から増え始め、現在は1.4%位になっています。原因は排卵誘発・体外受精などの不妊治療が関係しています。自然発生の三つ子(品胎)は0.004%位です。
危険性:(1)早産率が高い。品胎の平均分娩週数は33.2+-32.6週です。(2)胎児発育遅延がある。(3)妊娠36週で 2000g(単胎ならば2500g)。平均体重は1781g。(4)妊娠中の入院期間が長くなる。(5)周産期死亡率が単胎の4~5倍である。(6)妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の発生率が80%位である。以上のリスクがあるために、帝王切開分娩になることが、現在は多い。
注意点:「異常の発生を予防する」ということになりますが、34週以上妊娠を継続させることにはあまりこだわらなくなってきています。多胎では在胎週数に比べて成熟度が進んでいること、未熟児保育の安全性が高くなっていること等が、その理由です。妊婦さんも横隔膜を押し上げられるために呼吸が苦しい、寝られないなど、辛いこともありますが、減数手術の後の精神的な苦痛も大きいようです。五つ子も元気に育っているのです。良いお産をされることを祈ります。

2002-02-01T00:00:00+0900
  • ▼ 堀口 貞夫先生のプロフィール

    • 元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。

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