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34歳女性 2018-06-01T22:21:00+0900 2018.06.01

Q.多胎妊娠の危険性について

こんにちは。
結婚し2年が経ちましたが不妊です。
最近仕事を辞め不妊治療を始めました。
私はPCOSを患っています。
先日初めてクロミッド を5日間服用したところ、卵胞が大きいものが2つ、10ミリ程度のものが1つ出来ているので多胎妊娠になるので危険なので今月は諦めて、また来月生理が来たら来るようにと医師に言われました。
これまでPCOSの為、排卵日が全く予想できず、待ちに待った不妊治療の予想できる排卵日でしたので、クロミッド の影響で卵胞がたくさんできたから諦めてと言われショックのまま先生に何も聞けず、わかりましたとだけ言いそのまま家に帰りました。
家に帰って多胎でもいいから妊娠したいという気持ちが諦めきれません。
もし、ここで諦めたことで一生子供が出来なかったらと考えてしまいます。それならば危険と言われても妊娠したいと思います。
どうすればよいでしょうか。

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1970年代に五つ子ちゃんが生まれて話題になったことを覚えていますでしょうか。この五つ子は、おそらくPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のクロミッド治療によるものと思われます。当時は体外受精が実施される前の時代でしたので、胚移植の個数で胎児数をコントロールするという現在の作戦が取れなかったため、複数排卵した場合には運を天に任せてタイミングや人工授精を行っていました。この時の教訓から、現在ではタイミングや人工授精を行う場合に、卵胞数に制限を設けています。国際的なガイドラインによると、タイミングや人工授精の際には、排卵の司令であるトリガー実施時に16mm以上の卵胞数が2個まで、あるいは11mm以上の卵胞数5個までは実施し、それ以上はキャンセルするのが望ましいとしています。

今回のご相談の場合にはこの基準以内ですが、担当医の裁量でキャンセルしたものと思われます。なお、クロミッドは複数の卵胞が発育しやすいですので、PCOSの方の第1選択の薬剤は海外ではレトロゾールとなっています。日本ではいまだにクロミッドを第1選択としていますが、この理由はレトロゾールが自費(=保険適応でない)のためです。

しかし、患者さんのためには単一排卵が見込めるレトロゾールが最も望ましい薬剤だと思いますので、ぜひこちらをお試しくださることをお勧めいたします。なお、現在の日本の周産期医療の現場では五人の極小未熟児が一気に生まれても対応できるNICU(新生児集中治療室)はありません。NICUの慢性的不足から、三つ子でも対応が厳しい時代です。

なお、体外受精における多胎妊娠防止に関する見解では(2008年4月発効)、「 移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する。」となっています。

2018-06-01T22:21:00+0900
  • ▼ 松林秀彦先生のプロフィール

    • 慶應義塾大学医学部卒業後、アメリカインディアナ州メソジスト病院生殖移植免疫センター研究員、東海大学医学部産婦人科准教授などを歴任し、2013年に「男性と女性を同時に診療する」コンセプトで設立した不妊センター、リプロダクションクリニック大阪院長に就任。1人でも多くの方が子どもを抱けることを目指して尽力している。
      また、治療に対する夫婦の温度差、周囲からのプレッシャーといった「不妊症の心のケア」にも取り組み、さまざまなメディアで取り上げられている。

みんなのコメント

2018-06-02T15:47:57+0900 2018.06.02
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詳しい者ではないのですがすみません。

今回の治療で卵胞が3つ育ったのであれば、今後も期待できるのではないでしょうか?多胎妊娠はリスクがつきものです。3つ子似なる可能性もあるのですよね。双子でも妊娠中の管理はものすごく大変ですし、とても楽しいマタニティーライフとはいえません。管理入院も早いうちからさせられます。産後の子育ても小さく生まれて子どもだけしばらく入院していたり、親や誰かの協力なしにはとても厳しいです。それでも、お仕事を辞めて、不妊治療を開始されているのですから、それも覚悟の上!と、思うかもしれません。しかし、想像と現実は違うこと、不妊治療をしているからこそ安全に出産されることを考えても良いのではないかと思いました。チャンスと思う気持ちもわかりますし、多胎妊娠がどのようなリスクを負うのか、医師に確認してからの方が良いのではないかと思います。


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