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子育て期(生後5~9ヶ月)
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2002-03-01T00:00:00+0900 2002.03.01

Q.あかちゃんの「あざ」のこと

イチゴ状血管腫についてです。うちの子は5ヶ月、生後2日目からまぶたの部分に赤いあざがでてきました。1ヶ月検診では、「何かわからない,もう少し様子をみましょう。血管腫なら、レーザー治療しないとなくなりません。」といわれました。3ヶ月の頃に小児科では「血管腫でしょう、ほっといたら消える」といわれ、皮膚科では、「血管腫です、ほっておいてもなおりません」といわれ、4ヶ月検診では「そのうち、消えます。」といわれ、意見の違いに戸惑っています。目の上なので目立つし、だんだん大きくなってきているように思うし、レーザー治療は、早いほうがいいといわれました。どうしょうか悩んでいます。

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顔面にできる赤いあざは、単純性血管腫かイチゴ状血管腫のいずれかであることがほとんどです。単純性血管腫は皮膚面から盛り上がることはないのですが、苺状血管腫は、表面が盛り上がって、ぶつぶつした苺の表面に似ていることがあるところから、この様な名前で呼ばれています。一般に、苺状血管腫は生まれたての赤ちゃんでは判らないことが多く、生後1~2ヶ月たったころから少しづつ皮膚の表面に赤いあざが出てきて、6ヶ月ぐらいまで、徐々に大きくなって行きます。しかし、その後はだんだん色が薄くなって、大きさも少しづつ縮小し、早ければ1~2年の内に、遅くとも数年以内には消えてしまいます。表面に赤く見えている部分は血管腫の一部で、皮下に血管が大きくとぐろを巻いている事があって、質問をいただいた赤ちゃんの用に、まぶた等皮下の組織が薄いところにできた苺状血管腫では全体にはれぼったく見えることがあります。治療ですが、苺状血管腫であれば、対応は原則「無治療、経過観察」です。目の上にあって、視野にかぶっている場合とか、大きさが大きい場合には治療が行われる事がありますが...その場合も、通常はステロイド内服などの内科的な治療ですね。レーザー治療については、今のところ適応や治療開始に最も適した時期など判っていないことも多い様ですが、苺状血管腫が確かであれば、少なくとも「早いほうがいい」と言うことに根拠はないと思います。(これ以上は、直接拝見していないので、なんともお答えできないのですが...)

2002-03-01T00:00:00+0900
  • ▼ 加部 一彦先生のプロフィール

    • 埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

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