【ベビカム シニア・アドバイザー】聖母病院看護部長・助産師

妊娠期からの食育

  • 2016-06-29 14:00
  • 一般公開
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山本智美(やまもとともみ)聖母病院 看護部長 助産師
現在は看護部長として管理業務が中心となっていますが、妊婦さんに向けた食育や産後うつ病予防の活動、思春期教育など病院外でも活動しています。


『食育』という言葉をご存知でしょうか?
平成17年には食育基本法が成立しました。子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要であるとされ、様々な取り組みがされています。そのため、『食』の意識も高まっています。
妊婦さんは子どもが生まれたら食事に気をつけてあげようと思っていることでしょう。

しかし、そう思っていることは遅いのです。食育は妊娠期から始まっています。
30年前から日本では生まれてくる赤ちゃんの体重が減り、低出生体重児(2500g未満の赤ちゃん)の割合が増えています。その原因の一つに低栄養化が問題になっています。
お母さんの栄養が足りていないために小さく生まれる赤ちゃんが増えているのです。怖いことに胎児のときに低栄養下で育った低体重の子は、成人してからメタボリック・シンドロームなど生活習慣病を発症しやすくなるといった報告もあります。
昔は小さく生んで大きく育てましょうと言っていましたが、今は厳格な体重増加制限ではなく、バランスよく食べて体を作る適切な体重管理が求められます。

今回のアンケートで「朝食を食べていますか」と質問しました。

Q.朝食を食べていますか?

毎日食べている人が84.8%いました。以前に妊婦さん対象で行った調査では21%の方が朝食を抜いていました。今回はとても多くの方が朝食をたべていたのは、背景に子育て中に方が多いことが考えられます。
バランスよく食べるということは、色々な栄養素を摂ることです。1日30品目が目標ですが、実際は22品目程度が平均です。30品目摂るのはきちんと3食たべること。そして、3色食べることを心がけて下さい。3色とは、赤色・黄色・緑色です。赤色は血や肉をつくる食品(肉、魚、大豆、卵、牛乳など)。黄色は体を動かす力をつくる食品(ごはん、パン、砂糖、油など)。緑色は体の調子を整える食品(野菜、果物、海藻など)です。
3色を知っていると、外食しても意識して選択することができますので、ぜひやってみてください。
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