産後の生理痛がひどいのですが

●ピルと生理痛
【産後の生理痛】
１）産後４ヶ月から始まった月経が既に何回かあり、かつ毎回そうなのかどうかがわかりません。１回だけ痛かったのであれば、少し経過を見て良いと思います。
２）今まで月経痛がなかったので、心理的により強く感じる事はあると思います。
しかし160日におよぶ期間、妊娠という大量のホルモン分泌の中に曝されていたのですから、すぐに元に戻ることはないだろうという事はお分かりになると思います。数回の月経を繰り返すうちに軽くなってくる可能性はあると思います。
３）以上のようなことを、診察をしながら医師が確認をして行く中で、「何か病気があるか。前にやった癌検診との関係をどう考えるか。どのように対処すれば良いのか。」などを説明していけると思います。
例えば、極めて稀なことですが胎盤の一部が残っていることもあるのです。
しかしこの場合には、出血・下腹痛・発熱のどれかがあることが多くもし無かったとしても、内診したり超音波断層法の検査をすることで、そのような事が有る無いかを診断する事ができるのです。
「相談」に対して、診察を受ける様にという答えをするのはこのような時なのです。診察さへ受けていれば、次のような助言もその場で出来ます。

【ピルを使う事について】
１）ピルを使う事で、月経痛を軽くする可能性が有ります。
２）月経の量を少なくする事もできるかも知れません。
３）理由は、ピルにより排卵をしていること。そのことが卵巣から分泌されるホルモンに変化を与え、普通なら子宮内膜に起こる月経周期に応じた増殖性の変化を変えてしまうのです。月経の量が減ったり、痛みが軽くなったりします。
４）ここで、問題は産後である事です。
ピルは母乳の分泌を押さえる可能性が有ります。現在もう母乳を飲ませていない、或いはもう止めようと思っている、というのであれば構わないのですが。
もう一点は、微量ですがピルのホルモンが母乳中に出る事です。ピルの母乳分泌抑制の力は余り強力では無いので、分泌が止まるまで長期間かかるため、そのあいだずっと赤ちゃんがホルモンを取りつ続ける事になります。微量ではありますが、これは避けたい事です。ここが大切なことですが、「ピルを使おうとする時は母乳を与える事を諦める必要があります」

【産後の避妊について】
もうお分かりですね。母乳を続けようと思ったら、ピルは使えません。コンドームを使うか・産後１、２ヶ月経っているのであれば、子宮内避妊器具を入れるか・性交をしないかということになります。