
妊娠して退職。雇用保険の「基本手当」の受給期間延長を申請するには?

ご出産予定とのこと、おめでとうございます。ご質問は雇用保険の基本手当の受給期間延長を申請したかったのに、公共職業安定所(ハローワーク)が長期の休みに入ってしまい、手続きができなかった…、休みが明けてから受け付けてはもらえないかということだと思います。
まず、雇用保険について確認しておきましょう。雇用保険の「基本手当」は、雇用保険の被保険者が定年、倒産、自己都合等により離職、再就職のために失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探すことに専念できるよう支給されるものです(受給するには被保険者期間の条件を満たすことなど、要件があります)。仕事を辞めた人がすべてもらえるといった性格のものではありません。ハローワークに求職の申し込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、努力によっても職業に就くことができない「失業の状態」にある場合に基本手当を受け取ることができます。
次のような状態にあるときは、基本手当を受けることができません。
・病気やけがのため、すぐには就職できないとき
・妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
・定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
・結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
ただ、雇用保険の受給期間(原則として、離職した日の翌日から1年間)中に、病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。ただし、延長できる期間は最長で3年間です。
延長手続きをする場合には、上記の理由により、引き続き30日以上職に就くことができなくなった日の翌日から起算して、1ヶ月以内に住所または居所を管轄するハローワークに届け出なければなりません。代理人または郵送で大丈夫なので、本来なら期間内に届け出る必要があったでしょう。制度には原則と例外がつきものです。お近くのハローワークに相談されてはいかがでしょうか。