
妊娠をきっかけに退職…。失業保険を受け取るタイミングって?

雇用保険に関するご質問ですね。いわゆる「失業保険」というのは、雇用保険の「求職者給付」の「基本手当」にあたる部分です。雇用保険に加入していた方が、定年・倒産・自己都合等により離職し、再就職を目指すために経済的な不安を軽減する目的で国から支給されるものです。
●受給要件
① 原則として、離職の日以前2年間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある雇用保険に加入していた月が通算して1年以上あること。
② 職業安定所で求職の申込みを行い、働こうとする積極的な意思といつでも就職できる環境があるにもかかわらず、職業につくことができない「失業」の状態にあること。
したがって、次のような状態にあるとき基本手当は支給されません。
・ 病気や怪我ですぐには働けないとき
・ 妊娠、出産、育児ですぐには働けないとき
・ 結婚などにより家事に専念するとき
●特例措置
雇用保険の受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間ですが、そのあいだに病気や出産、育児などの理由で引き続き30日以上働けなくなった場合に、その日数だけ受給期間を延長することができます。延長できる期間は最長で3年間に限られています。
ご相談者は、妊娠を機に退職されたことで現状では受給要件を満たさず、この受給期間の延長の申請をされたのですね。ただ、お子さんが幼稚園に入ってから働きたいということであればこの延長期間も超えてしまうため、基本手当の受給は難しいかもしれません。
また、基本手当をもらっても就職先が決まらなかったら…とのことですが、積極的に就職活動をしたのに決まらなかった、ということであれば得にお咎めはないでしょう。ただし、不正受給といって、偽りその他不正行為(働くつもりもないのに、虚偽の求職活動を報告したなど)で基本手当を受けたり、受けようとした場合には、手当を受けられなくなるだけでなく、その返還を命じられるケースもあります。ハローワークでの求人に応募するなど積極的な求職活動をしたという証拠が必要になります。
次に、基本手当をもらわなかった場合に、就職した際に何か代わりの手当があるのか…といったご質問ですが、これは「再就職手当」のことかと思われます。この「再就職手当」もあくまでも基本手当受給中の方が安定した職業についた場合や事業主になった場合に、基本手当の支給残日数に応じて一定の要件に該当する場合に支給されるもので、誰もが再就職の際にもらえるものではありません。
他には、再就職のために厚生労働大臣の指定した教育訓練を受けて修了した場合、その受講のために支払った学費の20%が支給される「教育訓練給付」がありますが、やはり支給要件が細かく定められており、詳しくはお住まいの地域を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に相談されることをお勧めします。