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子育て期(生後1歳7ヶ月~2歳)
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2歳 急に叫んだり泣いたりするのはなぜ?

子育て期(生後1歳7ヶ月~2歳)の相談

Q4214:2歳 急に叫んだり泣いたりするのはなぜ?

2歳1ヶ月の子供がいます。 何ヶ月か前から急にギャーと叫んだり泣いたり(号泣する時とシクシク泣く)するときがあります。きっかけは以下の様な時が多いです。なぜなのか気になります。 他の子が泣いている声を聞いた時、叫んだり号泣する テレビで誰かが叩かれたり、コップをひっくり返す(失敗する様な)映像を見た時、ギャーと叫び号泣 ディズニーランドのイッツアスモールワールドに乗った時はシクシクと涙を流す(他のアトラクションは特に反応ありませんでした) しゃぼん玉の歌を聞いた時シクシク涙を流す 等など 叫ぶ時の声は大音量(高音)で、周りの人がビックリするくらいです。しばらくするとケロッとしていますが、気になります。 テレビを見ている時の影響が多い気もするのですが…心配です。 もう少しで2人目が生まれる予定で実家帰省中ですが、何かストレスの様なものなどがあるのでしょうか?? また、1歳半健診の時から言葉が遅いのと癇癪があり個別面談を受けました。今は二語話し、癇癪は無いですが、2歳健診でも面談して半年後に再度面談予定になってます。 発達上問題があるのでしょうか? 2019-05-14 17:06
明橋大二先生
健診でも相談されているということなので、引き続きそちらでも相談を続けるのが良いと思いますが、私がご相談を一読して感じたのは「ひといちばい敏感な子(=Highly Sensitive Child:HSC)」の可能性です。 HSCとは、人一倍敏感な感性を持った子どものことで、感覚的にも、人の気持ちにも敏感な子を言います。だいたい5人に1人くらいの割合でいると言われ、障がいとか病気ではなく、持って生まれた特性、性格です。 HSCは共感性が高いので、人が悲しんでいると、自分まで悲しくなります。人が怒られているのを見ると、自分まで怒られているような気がして、しょぼんとしたり、怖がったりします。人が失敗すると、自分まで失敗したような気持ちになって、落ち込んでしまいます。 質問の中にある、泣きだすきっかけは、そのように、HSCの子どもなら、当然ありうることのように思われます。ディズニーランドのイッツアスモールワールドでなぜ泣きだしたのかは分かりませんが、とても幸せな気持ちになって泣いたのか、あるいは何か悲しい思い出と結びついて泣きだしたのかもしれません。 しゃぼん玉の歌については、もともとこの歌の歌詞のきっかけになったのは、作詞者である野口有情の長女の死だと言われています。野口有情の長女は、生後7日目で亡くなってしまいます。「生まれてすぐに 壊れて消えた」と歌われているのは、その長女のことではないかと言われています。2歳のお子さんが、その歌詞まで理解しているとは思えませんが、この歌のメロディーの中にある悲しみを、その敏感さで鋭く感じ取り、泣いておられるのかも知れません。 いずれせよ、もしHSCだとするなら、それは病的なものではないし、むしろお子さんの人並みはずれた豊かな感受性によるものではないかと思います。また、これは持って生まれた性格で、育て方とは関係ありません。HSCは、生まれた時から、人と違う敏感さを持っているのです。 確かに、人が感じないことを感じ取るので、ストレスを感じやすい部分もありますが、逆に人の気持ちに気付く、優しい面があったり、芸術や音楽を深く理解する、すばらしい特性でもあります。 そのようなお子さんを育てる時に、大切な心がけがあります。ひといちばい敏感な子は、またひといちばい不安になりやすいので、ひといちばい安心感が必要だということです。そのために、泣いたり怖がったりした時は、抱っこしてよしよしして、「大丈夫だよ」とやさしく声をかけてください。また暴力的な場面や映像でダメージを受けることもあるので、怖がる時には、そういう場面はなるべく避けるようにした方がよいと思います。 本人に安心感を与える関わりをしていると、時として、周囲から「過保護だ」とか、「そんな甘やかしているからわがままになるんだ」と言われることがありますが、不安な子どもに必要なのは,安心感です。安心感を与える関わりが間違っていることは決してありません。 自分の不安な気持ち、悲しい気持ちを理解してもらって支えてもらった子どもは、周囲に対する安心感、信頼感を持ちます。また自分の感性に自信を持つことができます。そういう子どもは、自己肯定感を持って、逆にたくましく育っていくことができます。 お子さんの様子をよく見守って、気にかけておられる親御さんの子育ては、決して間違っていないし、むしろ、きちんと守られているという安心感があるからこそ、素直に自分の気持ちを出せるのだと思います。 子育てというのは「子どもの持って生まれた長所を発見して伸ばしていく」ということではないかと思います。大変なこと・できないことに目を向けるのではなく、「子どもというのはそういうものなのだ」と子どもの現実を受け止め、肩の力を抜いて、ひといちばい感性豊かな子どもの子育てをぜひ楽しんで頂きたいと思います。

先生のプロフィール

京都大学医学部卒業後、国立京都病院内科、名古屋大学付属病院精神科を経て現職。児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。
病院での診療のかたわら、子育て支援を強く提唱し、年100回以上の講演を実施している。著書である『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)は、シリーズで450万部超。
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