Q.娘の耳が、妊娠中の何かのトラブルで耳介が陥没？　いじめの対象になるかと思うと…

「耳の上部が陥没している」ということと「マスクのひもを耳にかけることが出来ず」とが、想像できないのですが、どういうことでしょうか？　「耳介(耳殻)が無いためにマスクの紐をかけるべき所が無い」ということなのでしょうか？　耳介が陥没しているということが、どんな状態を行っているのかわからないのです。



耳介の形成不全という状態は、比較的よく見られ（といっても0.1％以下ですが）、あまり問題ないことが多いのです。



耳介の構造は(見かけのことです)とても複雑ですね。このような格好のものを作るのはとても難しいことで、そのために耳介の形成不全は比較的起こりやすいのです。耳介が形成されるのは、妊娠5週から6週の終わりの頃です。妊娠9週頃には小さいけれども形は出来上がっています。これより後に出来上がったものが柔らかい子宮壁に押し付けられたくらいで陥没することは考えにくいことです。それに超音波検査のときに羊水に浮かんだ胎児を見ていると思いますが、強く子宮の壁に押し付けられないように羊水で守られているのです。ラグビー選手の耳介が少し変形しているのに気がついたことがありますか。スクラムを組んで強い力で、グリグリと押し付けられて初めて起こる変形です。でも陥没することはありませんね。



もし、耳介が無いためにマスクの紐をかけるべきところがない状態だとすれば、全く普通の耳介を作ることは難しいかもしれませんが、形成外科手術は進歩していますので、可能ではないかと思います。耳の聞こえ方の検査も必用かと思いますので耳鼻科を受診し相談されると良いと思います。



いじめの問題は、難しい問題です。例えば背が高いあるいは低いだけでもいじめの対象になることがあります。しかし、このような持って生まれたカラダの特徴(肌の色が黒い・白い、目が黒い・青い、髪の毛が黒い・赤い、唇が薄い・厚い、唇に傷がある・傷が無い(唇裂の有無)、・・・・。このような「生まれつき他人と違うカラダの特徴をカラカイやイジメの対象にしてはいけない」ということはしっかりと身につけておかなければならないことではないかと思います。差別の元になるものではないかと思います。



子どもは、感じたことをそのまま口に出します。言われた人がどう感じるかを繰り返し伝えることが必要なのかと思います。