【家計簿の書き方】づん直伝!初心者でも手書きを続け黒字化するコツ
大人気インスタグラマーの“づん”さん。手書きの家計簿が話題となり、その書籍は著者累計30万部を突破するほどに。子育て中でなかなかお金が貯められないママに向けて、黒字化のコツを聞いてみました!

支出が一目でわかる!おすすめの書き方は「上書き合計」
独自で編み出した手書きの家計簿で人気のづんさん。インタビュー当日、お住まいの島根県から直接ベビカム編集部に来てくれました。聞けば、泊まるところもまだ決めてないといいます。“家計簿の人”だから、めちゃくちゃ計画性のある人なのかと思っていた私は急に親近感! 元々は、ズボラ主婦だったというづんさんが考案した手書きの家計簿と、そのポイントとは?「家計簿を続けられず、お金も貯められない!」と悩んでいるママたちは必見です。 (インタビュー/ベビカム編集部)
――――今の手書きの家計簿を編み出すまでは、「家計簿が続いたことがない」ズボラ主婦だったと聞きましたが本当ですか?
はい。以前は、通帳の残高見て、「まだある、まだある、もうない!」みたいな(笑)。
そんなダメダメでした。
でも手書きで家計簿をつけているうちに不要なものが見えてくるようになって、必要ないものを買わなくなりました。手書きしていると気持ちが一緒に連動するんです。1つ1つ書くっていうのはそういう効果があるんですよ。
――――“書く”ことで、自分自身が認識できるということですか?
そうです! 書くことで思い出せるじゃないですか。1日に10分くらいしかかからないし、みんな家計簿付けたら面白いですよ。全然面倒くさくないです。面倒くさいっていうのは習慣になっていないだけなんです。書くのが習慣になると書かないと気持ち悪くなるし、満足して買ったものって、書くときにうれしいんです。
「やっと買えた」とか、どういう思いで買ったかを書きたくなるんです。そういう思いを増やそうとして、「これ買わなくてよかったな」、「夫に内緒にしとこう」…そうなる買い物はしないってなるんです。

「虫歯になりたくないから歯磨きするんだったら、お金のことで苦しみたくないなら家計簿をつければいいんです」
――――黒字になったのは付け始めてどのくらいですか?
1年半です。最初の1年は赤字でもいいから書いてデータをためる。データを集めなきゃ次の年からどこを見直そうってできないと思うので、まずは、我が家のお金の出ていくものを把握する。
島根県は多くの世帯で1人1台車を持っているのですが、家計簿をつけていなかった頃、車の税金が何月に請求されるかを知らないくらいでした。で、急に多額な請求がきて、「ない」ってなる…。把握できてないからですよね。
まずはデータを取るために1ヶ月続け、1年続け…。そうしたら、赤字でも、1年続けられたという自信になったんです。1年分のデータもたまったし、次の目標は黒字化することにしました。
――――まずは習慣化できたことが大きい一歩。そこから、今の形ができあがっていったということですね?
はい、1年間、毎月書き方を変えながら試行錯誤で今の形にたどり着きました。
毎日累計を出していく「上書き合計」っていうのが、私の家計簿の一番の特徴です。
毎月、1日から日ごとにずっと生活費を足していって、今日までに今月いくら使ったがわかるようになっているんです。
初めのうちは、給料から固定費を引いて、残ったお金からマイナス式に記録していく方法にしていたのですが、これだと、1日から初めて、15日の給料日には、お金もう残ってないんですよ(笑)。
それを毎月繰り返していたら、ストレスになって…どうしたらいいんだろうって考えました。そこで、使ったお金を足して、今の段階でいくら使っているかを把握できる「上書き合計」のやり方にしてみました。

(づんさんの手書きの家計簿。毎日の支出が累計で一目でわかるようになっています)
――――「上書き合計」というネーミングもづんさんが考えたんですか?
はい、1年間、毎月書き方を変えながら試行錯誤で今の形にたどり着きました。
累計っていう言葉を知らなくて(笑)。
この方法で試したら、その月にいきなり黒字になったんです。
――――いきなり黒字はすごいですね。
浪費家の人は、危機感を持つことが大事だと思います。もうこれだけ使っちゃっているっていうのが一目でわかるのが良いです。
1年家計簿を付けると、1ヶ月の生活費はこのくらいにしようっていう目標ができます。
例えば、私は生活費を月平均15万円くらい使っていたのですが、10万円で生活しないといけないっていうことがデータを取ってわかったんです。予算に納まるようにしなきゃって思うとずっと危機感しかないんですよ。
――――「10万円って決めているのに、もう5万円も使っちゃった!」ってなるっていうことですね。
はい、マイナス式だと「まだ1,000円か、まだ5,000円か」みたいに、危機感が生まれにくいみたいで、私にとって「上書き合計」があっていたんです。
――――他に特別なやり方はありますか?
固定費は、そんなに変化がないので慣れてきたら固定費も把握していくといいですよ。わかっているものは最初から書き込んでしまってください。

あとは、「夫の飲み会」とか「ママ友ランチ」とか大体このくらい使うってわかるものは、予定が入った時点で、目標の10万円から引いておくんです。その残りの中で、過ごしていく。そうすると、よりわかりやすいですよ。

――――想像していたより難しくないですね。
シンプルで分かりやすいのが一番です。お金って難しくないって思っています。
生活にいらないものは各家庭違うので、ひとつひとつ書いて見つけてください。見直しする一番の近道だと思うんです。ただ単にお店と合計金額だけ書くと、合計金額が分かるだけで、改善策は分からないじゃないですか。それは分析には繋がらない。それでは、家計簿を付けている意味はないって思います。
以前は、そういう家計簿をつけている時もあったんですけどね。そうなるとやっぱり続かない。
――――費目分けはしなくていいんですか?
はい。頭を使わない家計簿です(笑)。

お店の名前、何を買ったか、金額だけを書きます。それをどんどん「上書き合計」していく。
あとで、「外食費いくらくらいかな?」とか、「夏にアイスどのくらい買ったんだろう?」とか知りたくなったら、自分が知りたいことだけをピックアップすればいい。
個人のものは、誰のものかだけわかるように、名前のイニシャルだけ記入しています。
イニシャルを書いておけば、それぞれの合計を取り出すことも簡単ですよ。「○○くんはいくら」、「○○ちゃんはいくら」使ったっていう合計を知ることもできます。個人でどれだけ欲を満たしてあげたかを後々見ることができます。
お金だけじゃない!時間を管理する方法は?
――――続かない人に何かアドバイスはありますか?
目的がないと何をするにも続かないと思うので、自分が家計簿を付けてどうなりたいかっていうイメージを考えていくことが大事です。
あとは、楽しむこと。手書きで自分にあったやり方で付けているからストレスもないし、なんなら一言メモもかけるし、記入に制限がないから書いていて楽しい!
何に使っているかを知るだけで楽しいですよ。
そして、「欲しいものは、妥協せずに買ってください」。セールで“お得”だからって買ってもお気に入りじゃなかったら着なくなるし、「1回2回袖を通して、何が満たされるの?」っていうことです。
「書くと胸が痛い=買わなくてよかったもの」なんですね。
「ときめくもの=本当に欲しいもの」を買わないと、欲が満たされていない状態が続くので、あれもこれも買っちゃう。でも、それって合計したら本来買いたかったものをポンって買える金額になっていたりするんですよ。
――――まずは把握して、本当に欲しいものを買う!これですね
そうです! 1年間家計簿を付けてみたら、夫とお金のことで喧嘩することもなくなりました。忘年会とか送別会とか、夫の飲み会があるタイミングや回数も把握できたので、1年分の飲み代の合計を出しました。次の年からは、「これを参考に飲み代を確保しておくね」っていう前向きな答えを出せたんですよ。
自分のくだらないものを買った“チリツモ”の金額の方が大きかったことを知ったので、赤字の犯人は私だと気がついて、夫の飲み代をどうのこうの言えなくなりました。
――――私も完全に犯人です…(笑)。
最初の半年間心が痛かったですよ〜。今は逆に「欲しいものないの?」って聞いちゃいます。
目的は貯金ではなく、欲しいものを買えるっていうゆとりある生活をすることなんです。
ときめくものだけをちゃんと買っているから、物が増えなくて、それをきっかけに、部屋も片付きました。
――――お金も貯まるし部屋も片付くし、いいことだらけですね! 子育てに家事に仕事に家計簿に…時間が足りないと感じることはないですか?
今、自分が起きてから寝るまでの行動を30分刻みで記録しているんです。そうすると、この時間いらなかったなっていうのが見えてくる。記録してみたら、結構時間って取れるなって思ったんです。
寝る時間の10分前に瞑想してみるとか、明日のTODO書くとか、ただやっていないだけだったんだってことに気が付きました。後回しは絶対ダメですよ。時間ができた時にやろうはやめた方がいいですね。

(づんさんのプライベート手帳。ここに行動を記録して、時間を有効活用!)
例えば、子どもでも、自分でも、新たに習い事をしたいってなった時に、家計や時間を把握していたら、習いにいく費用があるか、時間が取れるかって、悩まずにパッと判断できますよね。 答えに時間が掛からないので、タイミングを逃さなくなるんですよね。 把握できてない時って「お金ない」「時間ない」って言っちゃうんです。お金も時間もあるんですよ。把握できていないんです。 他のことに使っているので、使っている感覚だけがあって、「ない」って思っちゃう。知らないと勝手に不安になって、気持ちがマイナスになっちゃう。
――――あ〜、お金ない、時間ないってすぐ言っちゃいます…把握します(笑)! 今日聞いたお話を真似したら、不安な気持ちから楽しい気持ちになれそうなことばかりでした。づんさん自身もまだまだいろいろなことに挑戦しそうですね。
なんでもしたいです! 高校まで音楽をやっていたので、家族でバンドをやりたいんです。からだを動かすのも好きでヨガもやりたいし、今、統計学も学んでいます。
子どもってそれぞれ個性があって、野放しにしても育つ子もいるし、道標がある方がうまく進める子もいる…。統計学を参考に、悩んでいるママたちの相談窓口になって、楽にしてあげたいなって思っているんです。
「悩んでいる人おいで! 甘酒のむ?」みたいな感じで(笑)。
――――似合いますね〜!相談しに行きたくなる!ぜひ、今度ベビカムでもママたちのお悩み聞いてあげてください♪
ぜひぜひ〜♪
笑顔が素敵なづんさん。3人の子育て真っ最中とは思えないほど、かわいらしいママでした。自己流で編み出した手書きの家計簿や、1日の行動記録を取るなど一見ストイックに感じますが、楽しみながら改善点を見つけていく、そのやり方が無理なく誰にでもできそうで、真似してみたくなりました。「お金や時間の管理がうまくできない」と悩んでいるママ、試してみてはいかがですか? づんさんの家計簿にトライしたいという人は、手書きのコツがたくさんつまった『毎日が潤う づんの家計簿 決定版』(ぴあ株式会社)、今から始められるスターターノート『づんの家計簿ノート2020』(ぴあ株式会社)をどうぞ♪

関連情報
『毎日が潤う づんの家計簿』
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『づんの家計簿ノート』
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