黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)

注意したい年代


30代、40代、50代。

どんな病気?


 エストロゲンとプロゲステロンという卵巣で形成される女性ホルモンを分泌する黄体のはたらきが十分でなくなる病気です。

原因


 はっきりした原因はわかっていません。

症状


 黄体機能不全になると、黄体ホルモンの分泌不足によって、通常14~16日つづく排卵後の黄体期が9日以下になります。そのため月経周期が短くなり、ときには無月経になります。
 また、黄体ホルモンは、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くふかふかに整える役目があります。黄体機能不全になると、着床のための準備ができなくなるので、不妊症の一因になることもあります。

診断


 基礎体温(基礎体温と妊娠のしくみ)の測定が診断の大きな参考になります。
 黄体機能不全では、高温相が9日以内と短かったり(短縮型)、高温相と低温相の温度差が0.3度未満(低温型)になります。
 また、女性ホルモンの分泌が悪いので、高温相になるときの温度の上がり方が悪い(階段型)、高温相の期間中に0.1~0.2度ガクンと落ちる(陥落型)ときも、黄体機能不全が疑われます。
 ただし、基礎体温は、測定方法や部屋の温度で誤差が生じたり、かぜなどのちょっとした体調の変化によっても影響されます。女性ホルモン値の測定や子宮内膜の日づけ診断なども行って、総合的に診断を確定します。

治療


 二つの治療法があります。一つは、直接黄体を刺激して機能を回復させる治療法で、排卵後にhCG製剤を注射します。もう一つの方法は、分泌が悪くなっている女性ホルモンに応じて、卵胞ホルモン、黄体ホルモン、またはその両方を補充します。
 また、排卵の状態をよくするために、排卵誘発剤を使ったり、場合によっては、漢方薬などを使うこともあります。

あなたへのひとこと


 なかなか気がつきにくい病気ですが、不妊の原因になっていることもしばしばあります。
 月経周期に合わせて診断や治療を行うために、効果がでるまでに時間がかかる場合もありますが、きちんと治療をすれば、正常な黄体の機能は取りもどせます。根気よく受診し、医師の指示に従うことがたいせつです。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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