基礎体温と妊娠のしくみ(きそたいおんとにんしんのしくみ)

基礎体温は、女性のからだのたいせつな情報源


 基礎体温とは必要最低限のエネルギーしか使っていないとき、つまり寝ているときの体温をいいます。眠っているときに自分で体温ははかれませんから、朝起きて婦人体温計ですぐはかったときの体温を基礎体温としています。
 基礎体温は、0.3~0.5度ほどのわずかな温度差をはかるもの。一般の体温計よりも細かい数値が表示される基礎体温測定専用の「婦人用体温計」で測定するようにします。
 成熟期の女性の場合は、ある一定の周期で低温相と高温相の二相性を描くという特徴があります。つまり、
(1)月経がはじまると体温が下がり、約2週間、低温期がつづく。
(2)低温期の最終日に、さらに体温は下がる。
(3)その後、つぎの月経がはじまる直前まで体温は高くなる、という周期をくり返します。
 こうした体温の変化は、排卵後、プロゲステロン(黄体ホルモン)が脳の温熱中枢を刺激するために起こります。体温が二相を描くということは、女性ホルモンがきちんと分泌されている証拠です。

妊娠のしくみを知っていますか?


 妊娠(妊娠の兆候と病院選び)、すなわち、生命が宿るとき、女性のからだの中では、どんな変化が起こっているのでしょうか?
 よく、妊娠を経験したことのある女性のなかには、「知らないあいだに妊娠していた」という人がいます。
 たしかに本人にとっては、知らないあいだにできていたのかもしれませんが、妊娠とは、セックスのタイミング、卵巣や子宮、精子の状態など、よい条件が複合的にそろっていなければ、成立しないものなのです。
 妊娠は、卵巣から出る卵子と呼ばれる卵と、男性が射精したときに出る精子が出会うことからはじまります。
 もともと女性の卵巣には、生まれたときから一生分の卵子がストックされています。そして、ひと月に1回、卵巣から成熟した1個の卵子が飛び出して、卵管を通って子宮に運ばれます。
 これを排卵といい、月経がはじまった日から数えて約14日後に起こる現象です。この時期にセックスをすると、男性のペニスから腟の中に出された精子は、この卵子をめざしてぐんぐんすすんでいきます。
 1回の射精で出る精子の数は1億個以上ともいわれ、その中の一つが無事に卵子と結合できるわけです。
 射精後、精子は早ければ10分たらずで卵管までたどりつきます。でもその道のりは、けっしてらくなものではありません。腟の中は弱酸性になっているため、多くの精子が放出されて間もなく、腟の中で死んでしまいます。そこを生き残り、子宮頸部を通過できる精子はわずか。通過できない精子もたくさんいます。
 そして最終的に卵管にたどり着ける精子は、ごく一部です。こうした競争のなかで生き残ったたった1個の精子が、卵子の中に入れるのです。
 これを受精といい、受精した卵子を受精卵と呼びます。
 受精卵は卵管を通り子宮に運ばれ、ふわふわのベッドのように準備された子宮内膜にくっつきます。これが着床です。無事に着床した受精卵は、細胞分裂をくり返しながら、赤ちゃんになっていきます。こういうと、いかにも簡単に受精卵ができて、着床しそうな印象を受けますが、けっしてそうではありません。受精卵ができるタイミングは、排卵後、卵子が卵管の太い部分を通過する約1時間ほどのあいだに精子と出会わなければなりません。
 しかも、いくら受精卵ができても、受精卵を育てる子宮の状態が悪いなど、さまざまな理由から妊娠が継続できないこともあるのです。
 このように赤ちゃんは、気の遠くなるような確率で、たった1個の精子と卵子が出会い、困難な道のりをへて、この世に生まれてくるのです。「赤ちゃんは神様からの授かりもの」という表現もうなずけるでしょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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