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産後うつを予防するための検診の重要性

意外と多い出産後の自殺

厚生労働省は、産後うつを予防するために2017年度から、出産後のお母さんの健康診断に必要な費用を助成することを決定しました。

産後うつとは、出産後に精神的に不安定になり、不眠や気力の低下などのうつ症状が見られる状態を言います。社会的には、まだあまり認知されていませんが、産後うつは出産後の女性の1割に起こるけっして珍しくない症状です。悪化すると、育児放棄や虐待につながりやすく、自殺の原因にもなります。

今回の厚労省の対策は、「自殺総合対策大綱」の見直しの一環として行われるもので、産後うつを原因とする自殺の予防に主眼が置かれています。

出産後の女性の自殺に関して、全国的な実態は把握されていませんが、東京都監察医務院と順天堂大学の調査では、2014年までの10年間で妊娠から産後1年以内に自殺した女性は、東京23区だけで63人おり、そのうち出産後の女性が40人いました。

また、出生10万人あたりの妊産婦の自殺数は8.7人であるという統計もあります。東京23区で子宮からの出血などで産後42日以内に死亡する数は、10万人あたり3.9人であり、自殺の危険度は2倍以上であることがわかります。

ホルモンの混乱による精神的な混乱

産後うつの第一の要因は、ホルモンの変化です。妊娠中、女性の胎盤では、妊娠を維持するために女性ホルモンをはじめとするホルモンが大量につくられますが、出産時に胎盤は体外に排出されるので、分泌されるホルモンの量は急減します。更年期障害を見てもわかるように、ホルモンは人の精神状態に大きな影響力を持っているので、このホルモンの急激な減少は、女性に情緒不安定を強います。

このホルモンの激減による情緒不安定は、多くの場合、短期間で解消されますが、長引く場合もあります。また、早期に深刻なうつ状態に陥る例も少なくありません。厚労省研究班が2012年度から3年間実施した調査では、初産の場合、うつ状態に苦しむ例は、産後2か月ごろまでに多く、出産後2週間の時期にうつ病を発症するリスクが高いという結果が出ています。

こうした体内での大きな混乱に加えて、出産後のお母さんは、赤ちゃんを適切に扱い、24時間守らなければならないという不安や精神的な重圧が、精神的な不安定度をさらに高めます。

早期に問題を把握し、ケアすることが重要

広く実施されている「1か月健診」は、赤ちゃんの発育状況や健康状態のチェックが主であり、母親の体調は確認しても、精神状態までは確認しません。

東京23区で2014年までの10年間に40人が自殺したという調査結果を紹介しましたが、この40人の自殺したお母さんたちの半数は、産後うつなどの精神疾患の診断を受けており、医療的な対応はしていました。つまり、治療を受けていれば自殺が防げるとは言い切れない実態もうかがえます。自殺の予防には、精神的に不安定になりやすい母親の精神的問題を早期にチェックし、うつ症状を早期に把握し、対応することが重要ということです。

産後2週間と1か月の2回、心身のチェックを行う

厚労省が予定する出産後の女性への費用助成は、産後2週間と1か月の2回、それぞれ5000円を上限として、国と市区町村が半分ずつ負担するというものです。一般的な健診費は5000円前後なので、費用助成が実施されれば、無料で検診が受けられることになります。

出産後の女性の健診では、体調だけではなく、授乳がうまくできているかなど、子育ての悩みを心身の状態を適切に把握することが目標とされ、問題が認識されれば、市区町村による育児相談や産後ケア事業の利用などを促すことになります。

まず、「出産後にはうつ症状が出やすい」という事実が社会的に認知されることが重要です。そして、出産を控えた女性やその家族は、産後うつの深刻度をよく理解し、その危険性を前提とした態勢で出産に臨んでほしいものです。

そして、費用助成を活用して、「お母さんの健康診断」を受けてください。

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