
まず、あなたの頭の中から数字を全部外してくださいな。赤ちゃんは“育む”ものであって、データをとる道具や実験材料ではありませんよ。立場を逆にして、お母さん、あなた自身がこんなふうに管理されたらどうでしょう。逃げ出したくなると思うわよ。
おっぱいを“突然”飲まなくなったことを心配されているようですが、離乳食を始めたら、おっぱいは「デザート」か「消化剤」と思ってくださいな。飲む量がいつも同じでなくても、今日はあんまりおなかがすいてなかったのね、とか、今日は公園へいっていっぱい遊んだからおなか空いてたのね、とか…。赤ちゃんがいつもと変わらず機嫌よくしているのなら、そのくらい柔軟に考えましょう。大人だってたくさん食べられる時と食べられない時があるでしょう。それと同じ。
それから、1つ気になるのは、あまりにも赤ちゃん中心の生活になっていないかということです。「食育」という言葉がありますが、これは決して子どものことばかり考えていればいいというのではありません。家族全体の問題です。赤ちゃんのことで頭がいっぱいで、ご主人や自分自身の食事のこと、家族でいっしょに食卓を囲んで過ごす大切な時間のことを置き去りにしていませんか。食べ物の食べ方って、人生観そのものだと思うのね。理詰めでやるか、楽しんでやるか。今だけよければいいのか、先のことを考えてやるのか。子育てと同じで、今日これを食べたからといって、明日すぐに結果が出るものではありません。お母さんが知恵を使って、材料を選んで、新鮮で、旬のものを、手間ひまかけて食べさせて育てたら、その子は絶対に自分のからだを大切にするようになりますよ。そのくらい長い目で見ることも大事。子どもが健やかに育ってくれることを願わない親はいませんものね。
先生のプロフィール
妊婦・親子水泳教師の草分け的存在として80歳過ぎまで現役で活躍後、プールの中での指導は卒業。現在は妊婦卒業生の強い味方として、指導に当たっている(東京アスレティッククラブ中野/月1回カンガルークラブ、年に2回親子コンサートの主催)。栄養士の資格と経験を生かし、スイミング教室の後は、お手製のおかず持参でお食事会を毎回ひらき、妊婦の悩みに答える、人呼んでヤンババ。その由来については、著書『ヤンババの出産・子育て知恵袋』(築地書館)をご覧あれ。著書に、堀口貞夫・金澤直子共著『ゆっくりきっぱりお母さんになる』(赤ちゃんとママ社)。