
「周産期医学の必修知識」という本があります。その第5版(2001年版)の48ページには「妊娠5週ではGS(胎嚢)は10mmを超える」と書いてあります。この記載から言えば「妊娠5週目に入ったところで10.3mm」ならば、ちょうどこの記載と合っています。
しかし最近は、発育の具合を診断するには、言い換えれば、妊娠何週であるか決定するに頭殿長(CRL)が14mm~41mmの頃に計測して決定することが望ましいとされています。胎嚢は子宮内の妊娠であることを確認するだけです。なぜかというと胎嚢は赤ちゃんの入っている袋ですから、個人差がありますし、直径10mmの正球形ではない球体の径を計測するのですから、測定するときの誤差も生じやすいのです。
質問に「これは使うエコーによって、周期計算が変わるということなのでしょうか」
と書いておられますが、月経周期計算のことではないですよね。月経周期は超音波で妊娠週数を推定することで月経周期計算が変わることはありません。妊娠週数計算は使うエコーによって少し違うことはあります。胎嚢径から妊娠週数を計算する計算式が違うことがあるからです。
また、より正確に妊娠週数を推定できるとされる頭殿長(CRL)を使った場合でも、頭殿長(CRL)が13mmだった場合でも妊娠7週3日から妊娠9週0日の間と推定できるというものなのです。(『産婦人科診療ガイドライン 産科編2011』より)
また「エコーに記載のある周期は、先生が生理予定日との計算で示しているものなのか、もしくは大きさを測ると自動的に週数が出るものなのでしょうか」
ともありますが、これはエコー写真に月経周期が記載されているのでしょうか? エコー写真の上には最終月経から仮に計算した妊娠週数と胎嚢系から計算した妊娠週が記載されているのではないかと思います。が、機械によってということは機械のメーカーによって記載方法が違うかも知れません。これは、実際のエコー写真をみてみないとわかりません。
赤ちゃんの入っている胎嚢の大きさで、妊娠週数を誤差1週間以内で出すのは困難です。頭殿長を測っても±1週間の妊娠週数しかわかりません。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。