一番良いのは主治医に尋ねることです。
診察をしないで,診断したり、対処法を伝えるのは難しいことです。
24週くらいになると,おなかが大きくなり仰臥位で寝るのはつらくなるのですが、眠っている間に無意識で、側臥位になっているのではないでしょうか。右を下にして。
その次に考えられるのは、専門的には「手根管症候群」と言われる状態です。
人差し指・中指・薬指を曲げる役割を持った腱(浅指屈筋の腱)は手首を横に走る帯(屈筋支帯)と骨で構成される手根管の中を正中神経と一緒に通ります。
妊娠するとホルモンの作用もあって、からだに水分がたまりやすくなります。
これと局所的原因が重なって、手根管の中に浮腫がおこると神経が圧迫されてしびれたような感じを起こします。また指を曲げる腱の圧迫のために指が曲げにくくなります。
夜間は脈拍数も減り、血液の流れがゆっくりになるので浮腫を起こしやすいので、症状がひどくなると感じるのだと思われます。
手を握ったり、開いたりすると血流が良くなるので浮腫は軽くなり、症状は軽減すると思います。
妊娠中ずっと続くことはないように思いますが、妊娠中のマイナートラブルと言われるもののひとつです。
浮腫という意味で、確かに妊娠高血圧症候群との関わりが心配ですね。しかし最近になって妊娠中毒症が妊娠高血圧症候群と呼ばれるようになったことで判るように、軽度の浮腫は妊娠高血圧症候群の前兆として現れるのではなく、妊娠の生理的変化と捉えるようになっています。浮腫の有る無しは関係なしに血圧と蛋白尿に注意しましょう。(周産期医学増刊号 周産期相談318 2009より)
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。