除染基準、年間5ミリシーベルト以上の地域を対象に

  • 2011-09-28 15:49
  • 一般公開
  • テーマ:放射能関連
環境省は27日、国の責任で実施する放射能物質の除染について、原則として、年間の被ばく線量が5ミリシーベルト以上(毎時換算で約1マイクロシーベルト以上)の地域を対象とする方針を固めました。これに基づいて取り除く土の量は、最大で東京ドーム23杯分に当たる約2870万立方メートルになります。

除染基準をめぐっては、政府が8月に示した除染の緊急実施基本方針で、平常時の年間許容量とされる1ミリシーベルトを長期的に目指すとしてきましたが、今回、5ミリシーベルトを原則とした根拠について、環境省では、それ以下の低線量地域では表土を削るなどしても効果が上がりにくいことなどを挙げており、セシウムの一部が2年で半減期を迎えることなども考慮して、1ミリシーベルトを目指すとしています。

土壌の除去は、セシウムが集まる地表から深さ5センチまでを基本とし、対象面積の約7割を占める森林では、土壌は除去せず、同じ面積当たりの除去量が土壌の1/5〜1/6で済む、落ち葉の回収や枝打ちの除染や焼却で対応します。

また、都市部の雨どいや側溝など、線量が周辺より局所的に高く、生活への影響も大きい「ホットスポット」と呼ばれる地点については、年間被ばく線量が1ミリシーベルト以上の地域が対象となります。

国の責任で実施する除染の費用は、国が立て替えたうえで東京電力に賠償を求めますが、これには限界があることや、福島市や伊達市など、国に先行して除染基準を策定する動きがある自治体などでは、年間5ミリシーベルト以上の除染を希望した場合は自己負担で実施しなければならないこと、また、除去した土壌を保管する中間貯蔵施設の設置場所が決まっていないことなど、問題は山積しています。

福島市では、約11万戸のすべての住宅や、学校、公園、道路、公共施設などに重点を置いた市内全域を対象に、来年度末までに、空間放射線量を毎時1マイクロシーベルト以下にする目標を掲げ、10月に最重点地域(毎時3マイクロシーベルトが測定されている大波地区と渡利地区を)から除染作業に取りかかります。
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