レポートブログ 岩手県陸前高田市お子さんは生後 14歳 5ヶ月(5292 日目)

震災1ヶ月前に娘を出産した岩手県在住の新米ママです。 津波で家族を失い、自宅も何もかも流されてしまいましたが、 大切な娘と夫は何とか無事でした。 今は実家に避難しており、 すくすく育つ娘に元気をもらいながら、 仕事と子育てに奮闘する毎日です。

宮沢賢治 「雨ニモマケズ」

  • 2011-09-21 09:47
  • 一般公開
  • テーマ:
今日、9月21日は

岩手が生んだ偉大な詩人であり、童話作家の


宮沢賢治の命日です。




「注文の多い料理店」
「風の又三郎」
「銀河鉄道の夜」
「セロ弾きのゴーシュ」
「春と修羅」

などなど、原作は読んだことがなくても
題名は聞いたことがある人も多いと思います。

郷土の偉人ということで、
小さいときから半ば強制的に
読まされたりしました。

その当時、

賢治の本は簡単な文章なのに
自分にとってはなんとも難解で
面白くない本だなぁ、なんて思ってました。  

大人になった今、

相変わらず賢治の独特の世界観は
私にとってはまだまだ難解ですが
今では一番好きな作家になりました。


そして、今回の震災。


家族が亡くなり、
家がなくなり、
思い出の物も景色も
何もかもなくなって、

悲しみと怒りと絶望とで
苦しくて、苦しくて
たまらない時、


私の心の支えになったのが
賢治のこの詩でした。


「雨ニモマケズ」
雨にも負けず


雨にも負けず

風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けぬ

丈夫なからだをもち

慾はなく

決して怒らず

いつも静かに笑っている

一日に玄米四合と

味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを

自分を勘定に入れずに

よく見聞きし分かり

そして忘れず

野原の松の林の陰の

小さな萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行ってこわがらなくてもいいといい

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろといい

日照りの時は涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

みんなにでくのぼーと呼ばれ

褒められもせず

苦にもされず

そういうものに

わたしはなりたい




震災に遭うまで
これほど心に染みる詩だとは
思ってもみませんでした。

今は、毎朝起きてすぐに
ゆっくり、ゆっくりと
朗読して日々心に刻んでいます。 



この境地に達することは
死ぬまで出来ないかもしれないけれど


こうありたい、
こうあるべきだ、


と日々強く思いながら
懸命に生活する毎日です。



いいね
  • godoffat
  • ベビカムinfo
  • namebird
  • まこちゃま
もっと見る

コメント

    みんなのコメントをもっと見る
    powerd by babycome