真菌(カビ)の一つである白癬菌が皮膚の浅い部分(角質層)に寄生、感染して起こる皮膚病です。これは俗にいうみずむしのことです。原因となる真菌のなかでもっとも多いのが白癬菌です。みずむしは、この感染によって起こります。白癬菌は、顕微鏡で調べて判別します。
みずむしは、感染する部位(手足、からだ、爪など)や症状によって特徴があります。高温多湿の夏に悪化して、乾燥する冬にはおさまりますが、再発をくり返す治りにくい皮膚病です。
最近では若い女性にふえています。
みずむしは、感染する部位(手足、からだ、爪など)や症状によって特徴があります。高温多湿の夏に悪化して、乾燥する冬にはおさまりますが、再発をくり返す治りにくい皮膚病です。
最近では若い女性にふえています。
足白癬
どんな病気?
足の裏や縁、指のあいだなどに小さい水疱や割れめができ、ジクジクして痛みがあります。
症状
三つのタイプがあります。
●趾間びらん型
足の指のあいだに水疱ができてジクジクになり、皮膚が赤くただれてかゆいのが特徴。
●小水疱型
足の縁や土踏まずにみられます。小さい水疱が多数できたり、皮膚がポロポロはがれ落ちて、強いかゆみをともないます。
●角化型
足の裏やかかとなどにみられます。皮膚が厚くかたく乾燥してガサガサになり、ひび割れが起こります。
かゆみなどの症状がほとんどないので放置しがちです。足白癬を放置すると、再発をくり返し、この角化型に移行します。
原因
白癬菌の感染で起こります。靴を長時間はいて足がむれやすい状態になったり、加齢によって新陳代謝が悪くなると発症しやすくなります。
治療
抗真菌剤を塗ります。入浴後に使用すると、角質層がふやけて薬が吸収されやすく効果的です。患部が広範囲で症状が強いときや、外用薬が浸透しにくい角化型では、抗真菌剤を内服します。
再発防止のため2~3か月は治療をつづけること。完治に1年以上かかることもあるので医師の指示に従って治療を根気よくつづけましょう。
あなたへのひとこと
足を乾燥させて、清潔にしておくことが第一です。入浴後は、指のあいだまできちんと水気をふき取りましょう。靴下は、ナイロン製より、通気性のいい木綿や麻の素材にします。
また、みずむしは足だけでなく、体型をカバーするきつい下着やガードル、指輪の下など、汗や湿り気のあるところにもできるので注意しましょう。
なお、勝手にみずむしと決め込んで、市販薬を使うのは厳禁です。かゆいからとステロイド剤を塗ると、治るどころかますます悪化します。
人にうつさないためには、お風呂マット、スリッパの共用をしないなどの注意が必要です。
手白癬
どんな病気?
手にできるみずむしで、足白癬と同じ白癬菌の感染によって起こります。ほとんどが足白癬からの感染ですが、かかる頻度は、足白癬ほど多くありません。
症状
多くは、手のひらの角質が厚くなって、足白癬の角化型のような症状が現れます。小さい水疱が多くできたり、皮膚がポロポロむけて、かゆみをともなう水疱型もみられます。
接触皮膚炎などの手の湿疹とよくまちがわれますが、手の湿疹の場合は、利き手に症状が強く現れるものです。利き手とは逆の手の湿疹がひどいときは、手白癬を疑って受診し、菌の有無を調べてもらいましょう。
治療
抗真菌剤を塗るなど、足白癬と同じ治療を行います。
爪白癬
どんな病気?
爪に起こるみずむしです。足の爪に多くみられますが、手の爪にも発症します。大部分は足白癬の白癬菌が爪に侵入して起こります。
足白癬を長いあいだ放置して、足の裏の角化型みずむしの、かたくて厚い皮膚を爪でひっかいたりしているうちに感染するものです。
症状
爪が黄褐色や灰白色に変色したり白くにごったり、厚くなって、もろくなります。ふつう、かゆみも痛みもありませんが、症状が強いと、爪が皮膚にくい込んで痛み、靴がはけなくなることもあります。
治療
抗真菌剤の外用では効果がのぞめないため、抗真菌剤を内服しますが、治療はかならず医師の指示に従ってください。
爪白癬は治りにくいので、治療を途中でやめないで、医師の許可がでるまで根気よくつづける必要があります。
体部白癬(ぜにたむし)
どんな病気?
小水疱性斑状白癬ともいいます。発疹はコインの形に似ています。からだのどこにでもできます。
症状
赤い丘疹や小水疱が出て、外側に向かって輪のように広がり、ふちどりのある斑状になります。患部の中心は褐色になり、治ったかのように見えます。強いかゆみをともないます。
原因
白癬菌によって起こりますが、イヌやネコ、土の中に生息する白癬菌が原因で起こることもあります。
治療
抗真菌剤の軟膏を塗ると、比較的、早く治ります。広範囲の場合には、抗真菌剤の内服もします。
あなたへのひとこと
汗をかきやすいわきの下や、ブラジャーやガードルの下にできやすいもの。よく汗をふき、皮膚の清潔と乾燥を心がけます。また、顔や腕など衣服でおおっていない部分にできたときは、ぺットからの感染も考えられます。イヌやネコは皮膚病がなくても菌を持っていることがあります。過剰なスキンシップをひかえ、ペットにさわったあとは、石けんでていねいに手を洗う習慣をつけましょう。湿疹とまちがえてステロイド軟膏を塗ると悪化するので要注意。
なお股部白癬(いんきんたむし。太腿の内側にできる白癬で、女性は下腹部や会陰部、臀部に広がることも。発疹は輪状に広がり境界が鮮明で、強いかゆみがあります。治っても色素沈着が残りやすい)は、性交渉によっても感染することがあるので気をつけて。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。