子供が死にました

３歳でした。疾患はありません。その日も普通に過ごし、夕方熱があることに気づきました。それでも元気で少しですがご飯も食べていました。

一瞬、『もしかしたらインフルエンザかも』とは思いましたが、明日朝病院へ行っても十分間に合うと勝手に思っていました。座薬をすると寝ました。１２時くらいに「寒い」といって起きてきました。座薬が切れる時間だったので、新しく座薬をして腕枕をして一緒に寝ました。「今日、新しい電池を買ってきたから、明日元気だったら(昨日電池がなくて出来なかった)ゲームをしよう」というと嬉しそうに「うん」といって寝ました。もう、二度と目を開けることはありませんでした。

急性で重度の新型インフルエンザ脳症でした。季節性は１０月に予約をしてうってあったし、新型は疾患がなかったのもあってなかなか受けれず、同じ区でも打てる日にちが違っていました。息子は熱性の痙攣をしたことがあるのもあって遅れていましたがいつもの病院に行こうと思っていました。一番早い日に予約を取ってあと９日でした。予定どうり１２月頭からしてくれていたら死ぬまではいかなかったかもしれません。違う病院でしてもらえばよかったんです。もっと手洗いをさせてどこへも行かなければよかったんです。

後一週間でクリスマスでした。１１月にはプレゼントを買って隠していました。体が強くなるように、幼児用のキックボードを買いました。春からはテニスを習わせるつもりでした。

春からは行きたいといっていた幼稚園が始まります。入学金も払って服だって用意していたのに。花見だって一緒に行こうねって言ってたのに。疾患のない息子の５年後、１０年後、２０年後はあって当たり前だったのに。息子の生命線はとっても長かったのに。大学にいけるように貯めた保険はあなたの葬儀代じゃない。好きなおもちゃが買えるようにお年玉をためたのは仏壇代じゃない。

息子には上の子がいます。ずっと兄弟をほしがっていたから、息子をとてもかわいがって世話をしてくれました。お風呂からトイレまで何でもしました。とても仲がよくて、上の子は「今日は(弟)と遊ぶから学校を休む」といつも言っていました。そのたびに説得して行かせましたが、休ませてあげたらよかったと思います。小学校になったら自分の部屋に息子の机を並んで置いて、登校も一緒にするんだ、と。息子に「(毎日自分と遊べるように)友達を作ってはいけない」といっていたこともあるくらいです。

そんなあの子から大切なひとをとりあげた、３歳の子供ですら守れなかった自分は消えてしまいたい一心です。私は息子に何を残せたか、息子はどうして生まれたのかわかりません。