折り紙に魅せられて

  • 2011-11-08 16:45
  • 一般公開
  • テーマ:子育て
”秋の日は釣瓶(つるべ)落し”と言われますが、本当に日が暮れるのが早いですね。外が暗くなれば、外遊びしていた子どもたちも家の中に入らなければならず、夕食前のひとときを持て余すこともあるでしょう。

そこで今回は、私が子育て現役の頃に用いた奥の手をお教えします。それは、日本古来の遊び『折り紙』です。子どもでも夕方には体が疲れてきます。その時、日中と同じ動きをしていると眠くなるのも手伝ってぐちゃぐちゃになりますね。かと言ってただ休むのは子どもは苦手です。折り紙を折って形にする事は「緊張と弛緩」を繰り返す事になり感情のコントロールが自然と出来て落ち着いてきます。
誰でも鶴や風船などを折った事があるでしょう。子どもに折り紙を教える時は、まず最初に母親が繰り返し教えます。そこで興味を持たせたら、さぁ、その先です。

私の長男は、学齢期前にすばらしい機会がありました。
それは銀座のデパート松屋で開催された『吉澤章折り紙展』。吉澤章氏は、折り紙を造形芸術の域まで高めた第一人者であり、「ORIGAMI」として世界に広めた人物です。その作品展を鑑賞した長男の反応は今でも思い出します。私も又、和紙で折られている動物に命が宿っているかのような芸術に息を飲む思いでした。
その日から長男は会場で求めた本を見ながら折り紙に没頭し、普通の色紙ではなく「和紙で折りたい」と言いだします。小学生になってからは、本に折り方が載っていないものは、動物図鑑を見て自分で絵を描き試行錯誤しながら折っていました。会場で見た作品にヒントを得て、画用紙を大きく塗って、黄色い紙で月を形どり駱駝(らくだ)を二頭配して「月の砂漠」と題したものは私の趣味である詩の集まりのバザーで、仲間がお買い上げくださった事もありました。
小4の時の教室には、彼の折った七段飾りの雛人形が飾られており、授業参観で集まった親たちに驚かれました。
中学に入学すると、吹奏楽の虜になって、次第に折り紙からは遠ざかっていきましたが、物事に没頭する姿勢は孫にも受け継がれているようで、息子の長男も小学生の時、私の要望を受けて、十二支を折ってくれるなど、手先きの不器用な私には到底なし得ない事をやってくれました。

息子と孫、二代にわたって傾倒した吉澤章先生の作品に再びお会いする機会がありました。それは「紙の博物館」(東京都北区)で開催されている『生誕100年記念 吉澤章 創作折り紙』展です。拝見する度に、力強い「命」を深く思います。


生誕100周年記念 吉澤章 創作折り紙

2011年9月17日(土)〜11月27日(日)
*11月の休館日:月曜、11月24日(木)
会場:公益法人 紙の博物館



会場である博物館は、最寄り駅からも5分ほどでつく飛鳥山公園の中にありあります。この公園は昔ながらの遊具や、蒸気機関車・電車などもあり、子どもを遊ばせるには最適なところです。お弁当を持っておでかけするのもいいですね。

云うまでもありませんが、折り紙を覚えた子どもは、どこに行っても静かです。
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