妊娠中に限らないことですが、薬を飲んだり医療的な処置を受ける場合、受けなかった時に起こりうる具合の悪いことと薬を飲むことや医療処置によって起こりうる具合の悪いことを比較してどちらを選ぶべきか判断するのです。
あなたの場合は比較検討することは、
1)歯石があることで起こる具合の悪いこと
2)超音波による歯石の除去をおこなった場合の超音波の妊娠(胎児)への影響ですね。
歯石があるままにしていると、歯周囲炎(歯肉炎)を起こしやすいことです。その場合短期的には、歯が痛い・口臭が強くなる・歯がグラグラする(噛む力が弱くなる)・この状態が続けば歯が抜けてしまいます。
妊娠中に歯が抜けるとその治療のために通院するのは大変ですね。それに歯が抜けないまでも、歯石があるということは痛みがなくても歯石は細菌の塊とも言われるような状態なのです。それであまり症状のない慢性歯周囲炎の状態でも、羊膜絨毛膜炎を起こし流産早産の原因となることがあるのです。高齢になるとそれだけで流産早産率が高くなりますので、流早産の原因は避けたいですね。妊娠前に治療を済ませておきたいものです。
妊娠への配慮から超音波を避けたいのであれば、代替の治療法があるのかどうか、もし、超音波で削った場合、どのような影響があるかどうかのリスクを含めてかかりつけの歯科医に相談したほうがよいでしょう。また現在、水銀を使用していたものは体温計からも血圧計からも排除されています。あなたの詰め物がいつ詰められたものなのかがわからないため、回答が難しいです。そのことも含めて、あなたの詰め物に水銀が含まれている可能性があるのか、可能性があるならどの程度の量なのかまず歯科医におたずねになってみてください。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。