
●経産婦の方が、確かにお産にかかる時間は短い傾向がある
分娩所要時間(陣痛が始まってから、分娩が終了するまでの時間)は経産婦の方が短くなる傾向があるのは確かです。
1)
| |
初産婦 |
経産婦 |
| 分娩第一期 |
10~12時間 |
4~6時間 |
| 分娩第二期 |
2~3時時間 |
1~1.5時間 |
(綜合産科婦人科学 1979年より)
2)
| 分娩所要時間 |
初産 |
一経 |
ニ経 |
三経 |
四経 |
| 平均(時間) |
16.53 |
10.92 |
10.13 |
10.36 |
10.82 |
| 標準偏差 |
13.85 |
10.01 |
8.34 |
9.36 |
11.79 |
| 症例数 |
2975 |
2030 |
1222 |
814 |
511 |
(産科の実地経験 1953年より)
3)
| 分娩遷延の定義 |
初産 |
経産 |
| |
30時間以上 |
15時間以上 |
(産婦人科学会 1981年より)
以上のデータからわかるように、経産婦のお産は、初めてのお産の約半分の時間になるということは言えます。しかし、2)のデータの標準偏差のように、バラツキが大きく、また3)に、分娩遷延の定義を紹介していますが、経産婦なのに15時間かかる事もあるのです。それは以下のような理由があります。
● お産にかかる時間に影響を与えるもの
産道(特に子宮口)は一度広がった経験があると、次は広がりやすいのです。一方赤ちゃんの大きさ・陣痛の強さ・脂肪がついて産道が狭くなるなどの分娩所要時間に影響するものもたくさんあります。これが、2度目だからと、お産が必ずはやく進むといえない理由です。
● あくまでもお産にかかった時間は、およその目安
だいたい分娩がいつ始まったか、はおよそのことしか言えません。8年前のお産が何時何分に始まったか正確に言えますか?
陣痛の始まりは、規則的な収縮が10分ごとに始まった時と決められていますが、それが何時何分かなど正確には言えないでしょう。
「8年間があいたから、初産と同じ」などとはとても言えないことがわかっていただけたかと思います。
40歳を越えた初産婦でも、7時間ほどでスルリと生んでしまう人もいるのです。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。