(その1)では、1人目(上の子)と2人目(下の子)の年齢差の『希望』と『実際』や、2人目が生まれるまでの第1関門と言える「下の子の妊娠を伝えたときの上の子の変化」、「その変化への対応でのパートナーの協力度合い」などについてレポートしました。
おなかが大きくなる妊娠後期には体を使った遊びなどが難しく、そうした形でいっしょに遊んであげられないことが「甘える」「ぐずる」などの上の子の変化につながったりするようですが、ママと離れてしまうわけではないので、上の子に「妊娠中、特に変化はなかった」という方も約30%いました。
しかし、下の子を出産するときには、入院のため上の子と離れるケースが大半です。下の子の出産後、上の子に「特に変化はなかった」という方は約10%で、残りの約90%のお子さんには何らかの変化が現われています。変化が現われた時期は「出産で入院中」が40%と最多で、やはり1週間程度とは言え、ママといっしょに過ごせなくなることが大きいようです。
また、実際に下の子が生まれると、ママは下の子のお世話にかかりっきりになってしまうことも多く、そのときに上の子のお世話をママ以外がどうフォローするかが重要ですが、そうした時期の上の子のケアについて、パパ(パートナー)と「(事前に)話し合って決めた」という方は、すでにお子さんが2人以上いる方の15%にとどまりました。
しかし、
下の子のお世話に手がかかる時期の上の子のケアについて『パートナーと話し合っておくこと』は、いわゆる「赤ちゃん返り」など、下の子が生まれて現われる上の子の変化に対応するうえで、非常に重要であることが今回のリサーチ結果からわかりました。
5.で示した通り、そうした時期の上の子のケアについて「パートナーと話し合って決めた」方では、上の子の変化が2~3ヶ月以内におさまったという方が62%になるのに対し、「特に上の子のケアについて、気にしていなかった」方(20人と少数ですが)では、変化が半年以上続いている方が60%と、対照的な結果になっています。
やはりパパ(パートナー)が育児と積極的に関わっていくことで、ママや上の子の安心感やストレス軽減につながるようですね。また、夫婦で子育てについてよくコミュニケーションをとっていることが、いろいろな面でよい影響をもたらしているのかもしれません。
最後に、みなさんから寄せられた「下の子が生まれてからの上の子の変化」や、それにどう対応したかというご経験談の一部を紹介します。
【上の子の困った変化と対応法】
■下の子へのヤキモチがひどく、噛んだりたたいたり、ひっかいたり突き飛ばしたりという暴力的な行動が増えました。自分でできていたこともやらなくなってしまい、ちゃんとした言葉も話せるのに、わざと赤ちゃん言葉で話すようにもなりました。兄弟のいないお友だちへのヤキモチもひどく、お友だちへの意地悪も増えました。できるだけ上の子のケアに努めようとするものの、してはいけないことにはしからなければならず、しかられた上の子がまた下の子へ手を出す・・・の悪循環が現在も続き、常にこのことで悩んでいます。 (35歳 千葉県 2児のママ)
■下の子が退院して家に来たその日から、上の子の激しい赤ちゃん返りが始まりました。毎晩のおねしょやわざとするおもらし、頻尿、哺乳瓶でミルクを飲み始め、発熱(病院では精神的なものと診断された)、夜驚症、ひきつけ、とにかくありとあらゆる変化に悩みは尽きませんでした。そのつど、上の子としっかりと向き合い可能な限りのケアをした。抱きしめたり、言葉で「大好きよ!」という気持ちを伝えたりしたし、時にはいっしょに泣いたこともあった。子どもなりに「がんばってお兄ちゃんにならなくちゃ!」というストレスが大きかったように思います。 (37歳 兵庫県 2児のママ)
■上の子がちょうど3歳過ぎのときに下の子が生まれて、それまで順調だったトイレトレーニングが進まなくなりました。下の子がおむつを替えてもらうのをみて、「自分もおむつでおしっこする」と言って聞かなくなったり・・・。最近、赤ちゃんが3ヶ月になり、トイレでできるように戻ってきましたけど。 (33歳 福岡県 2児のママ)
■上の子は、退院した日の昼食時にちょっとすねて「お昼ご飯食べない」とストライキしましたが、「赤ちゃんはお姉ちゃんが大好きみたいよ。お姉ちゃんといっしょでとっても嬉しそう・・・」と、うそも方便で言ってみたところ弟が大好きになり、日々弟をかまおうとしすぎて困るぐらいです。 (33歳 滋賀県 2児のママ)
■実家にお世話になっていた時は、みんなに甘やかされていたためまったく赤ちゃん返りしなかったようですが、出産後自宅に戻って下の子と私を含めた3人の生活になってから、「お母さんといっしょじゃなきゃいや!」と言って泣き出し、実際に、それまであまりなかったお漏らしやおねしょが増えました。昼間下の子が寝ている時は家事より上の子のケアを優先するようにして、まだ小さな下の子は1人でも平気で寝てくれるので、今でも夜寝る時は上の子に添い寝しています。 (28歳 千葉県 1児のママ)
■産後すぐは私が下の子にかかりきりで、上の子はがまんしている様子だった。かわいそうだったけど、ばあばが上の子の専属(思い切り甘えられる相手)になってくれた。彼なりに成長しているんだなぁと感動した。 (34歳 兵庫県 2児のママ)
■ちょうど上の子がイヤイヤ期に突入したことや、まだ自分の意思を言葉で伝えられないこともありかんしゃくを起こすことが多く苦労したが、私と下の子と3人でいるときはがまんしてくれることも増え、「おむつとってきてくれるかな?」と、育児を手伝ってもらったときには褒めるようにして、「いっしょ」という感覚を増やしていった。それでもパパがいると、甘えからわがままを言ったり抱っこをせがんだりで、私より主人のほうが苦労したと思いますが、上の子はパパっ子なので、パパにも理解してもらって今もがんばっています。 (33歳 東京都 2児のママ)
【上の子のうれしい変化】
■お姉ちゃんになっておむつがとれた♪ (34歳 東京都 2児のママ)
■下の子が生まれてからトイレトレーニングがスムーズになり、日中のおむつがすんなりと外れました♪ (31歳 福岡県 3児のママ)
⇒母乳育児についてリサーチしたとき、『自分より小さな子がおっぱいを吸う姿を見せると、「おっぱい=赤ちゃん」と認識してすんなり卒乳した』というご経験談を紹介しましたが、下の子が生まれたことで上の子が赤ちゃん返りして「おっぱい」や「おむつ」に戻ってしまうケースがある一方で、上の子自身が「おっぱい」や「おむつ」は赤ちゃんの象徴と認識して、すんなり卒乳やおむつ外しができることもあるようですね。
■下の子の出産後1か月くらいは上の子の赤ちゃん返りがありましたが、そのうちにお姉ちゃんの自覚が出てきたみたいで、おもちゃを持ってきていっしょに遊んでくれたり、おむつを持ってきてくれたり、とても下の子のことを気づかうようになってくれました。 (32歳 岩手県 2児のママ)
■赤ちゃん返りが落ち着くと急にお姉ちゃんらしくなり、下の子のおむつ交換やらのお世話をするときに手伝ってくれます。私のしていることをよく見ていて、何の時に何が必要かを分かっているので、先に準備しててくれたりして、本当に助かっています。 (33歳 福岡県 2児のママ)
■私が「赤ちゃんのおむつ換えなきゃ!」などと言うと、上の子は大急ぎでおむつを持ってきてくれます。私が自分で持ってきたりすると機嫌が悪くなります。自分の仕事だと思っているみたいですね。 (22歳 福岡県 2児のママ)
■ママ自身がイライラして下の子に大声をあげたりすると、上の子が下の子をかばおうとしたことに感動しました。 (34歳 岐阜県 2児のママ)
■お兄ちゃんは妹が大好きです。先日も「お誕生日に何がほしい?」と聞いたら、「僕はおもちゃをいっぱい持ってるから、○○ちゃんに買ってあげて!」と言い、思わず涙が出そうになりました。時々おもちゃのとり合いをしたりケンカもするけど、うらやましい気がしました。 (35歳 東京都 2児のママ)
■下の子が泣き始めると、誰も教えていないのに、上の子は自分からすすんで「いい子、いい子」と下の子の頭をなでたりしてくれます。 (32歳 神奈川県 2児のママ)
■小さい子をいたわる気持ちが、より強くなったように思います。まだ自分も小さな子どもなのに、下の子がぐずって泣いていると声を裏返らせて「○○ちゃん、どうしたの? 大丈夫? にーにがいるからね、泣かないでね、いい子、いい子」とあやしてくれます。その姿を見て、 2人目の出産は年齢や体力的にきつく、トラブルも多くて大変だったけど、それ以上に得られる幸せが多くて、本当に「産んで良かったなぁ・・・」と思います。 (40歳 東京都 2児のママ)
★(その1)「2人目は何歳差がいい?」は、⇒
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★関連リサーチ結果「VOL.76 何人子どもがほしいですか?」は、⇒
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