2010年10月より、「たばこ税」が大幅に増税されたため、たばこの小売価格も引き上げられました。
このたびの「たばこ税」の増税については、国の財政上の理由(他の税収の落ち込み)という側面が強いようですが、一方で、喫煙率を低下させることで、「国民の健康増進」や「医療費の抑制」を図る目的もあると言われています。
世界保健機関(WHO)も、加盟各国に「たばこの価格政策(たばこ税の増税)による喫煙率の低下」を求めています。
今回は、「たばこの価格」や、「公共空間での喫煙・禁煙のあり方」に対するみなさんの考え方についてレポートしています。
たばこの小売価格(たばこ税)については、「もっと引き上げるべき」という方が過半数の52%。「そもそも販売をやめるべき」という方も25%います。
●たばこの小売価格(たばこ税)について
【そもそも販売をやめるべき】
■なぜ「たばこ」というものがあるのか、わからない。主人や父母も吸うのですが、子どもや孫のためにやめてほしい。パッケージにも「妊婦や体に害・・・」と書いてあるんだ~、タバコなんてそもそもなくなってほしい。 (34歳 北海道 3児のママ・まいちゃんさん)
■健康を害するものだし、ゴミや火の不始末の原因にもなるので、良い点が見当たらない。 (36歳 福島県 2児のママ・たにちゃんさん)
■タバコは麻薬と同じようなもの。出回っているから今さら強く規制できないだけで、百害あって一利なし。(32歳 大阪府 1児のママ・かすみさん)
■皆にタバコをやめさせたいなら、将来的に販売をやめることを示すべき。税収のためにむやみに値上げをするのはおかしいと思う。 (36歳 神奈川県 1児のママ・小虎さん)
■販売されていなければ買わないで済む話だから。たばこはなくても生きていけるし、飲食店などが分煙されていても禁煙席までたばこのニオイがくることがあるので、全く吸わない私にとってはかなりのストレスになる。私と同じ気持ちの方は少なくないと思う。 (26歳 広島県 妊娠中・さつき♪さん)
■吸っている人の中でも、マナーの悪すぎる人たちが目立つ。歩きたばこや路上たばこの姿を見ていると、「たばこを吸っている」というよりも、「吸わずにはいられない中毒者のように、たばこに操られている意志の弱い人」という感じがしてならない。 (38歳 神奈川県 1児のママ・小次郎さん)
■ヘビースモーカーだった祖父が肺がんで衰弱し、亡くなった姿を目の当たりにしているので、タバコは本当に怖いと思っているから。 (30歳 千葉県 1児のママ・まりかさん)
■身体に害があるし、他人に迷惑をかけるし、私は受動喫煙で肺がんになったことがあるから、吸ったことがない人がここまで害を被るものを、ただ嗜好品として販売することに反対です。 (39歳 広島県 1児のママ・まやひめママさん)
【もっと価格を上げるべき】
■安いから、未成年でも簡単に買えてしまう。どうしても吸いたい大人だけが買えるくらいの値段にして、販売する場所も限定すべき。 (31歳 岡山県 2児のママ・Mさん)
■まずは未成年者がタバコを吸えない環境を作るべき。値段が高ければなかなか手が出ないだろうから。そしてタバコを吸う人が減っていけばいいと思う。タバコは迷惑です。 (35歳 鳥取県 2児のママ・もんぶらんさん)
■たばこの害は、箱に書かれているくらいなのに・・・。それでも販売されているのは、販売された各地域に税金が入るからですよね。なので他の先進国のように高額にするべきと思いました。マナーの悪さも気になるので、守れない人は購入できないようにもしてほしいです! (35歳 長野県 2児のママ・れなみさん)
■価格を引き上げても吸いたい人は吸うだろうし、引きあげた分、分煙化や喫煙スペースの設置にお金を使えばよい。 (26歳 埼玉県 1児のママ・沙紗さん)
■お酒にも結構、税金がかかっているのでは? 嗜好品なのでたばこが好きな人はお金を払ってでも吸えばいい。お酒よりも副流煙などで他人に与える害が大きいから、その税金で分煙やタバコ被害の防止対策に充ててほしい。 (32歳 福岡県 1児のママ・バラコさん)
■たばこによる他者への害や、喫煙者自身への健康被害を考えると、医療費もかかるし、また一部の人かもしれないけれどポイ捨てなど街の美化への悪影響や小さな子どもへの危険があるので、喫煙者にそのための費用(医療費や自治体の対策費)を負担させることは間違っていないと思う。 (30歳 東京都 1児のママ・ゆうかさん)
■たばこを製造する会社が徐々に別の製品販売に移行して、たばこを販売しなくてもよい状況になるまで、増税しながら待つのがよいと思う。たばこの生産や販売に関わって生計を立てている人もいるので。 (39歳 東京都 1児のママ・Mrs.セシリアさん)
■タバコは仕事上、人間関係を円滑にするアイテムだと思います。職場に、結婚を機に禁煙をしていたのに異動がきっかけで10年ぶりに喫煙者に戻った人がいます。理由を聞いたら、「喫煙室には様々な部署の人が上司部下関係なくいろんな話をしていて、そういう交流が仕事のストレスを軽減したり、新たなアイディアや営業上有益な話を聞けるから」だそうです。旦那も喫煙者ではないが、付き合いでタバコを吸う時があります。世の中から無くなればいいとは思わないので、諸外国と同じ感覚の贅沢嗜好品として課税し、健康面を意識させ、未成年者の購入を少しでも阻止できる手段として増税すればいいのではと思います。 (29歳 石川県 1児のママ・たおぽんさん)
【現状のままでよい】
■価格が上がり、禁煙化が進むのは良いことだと思うけれど、今のところ夫が完全にたばこを止められていないので、これ以上価格が上がると家計に響く。 (39歳 北海道 1児のママ・ねっぴぃさん)
■取りやすい所から税金を搾り取るという発想はいただけないと思う。しかし、たばこそのものは健康に悪いもので百害あって一利なしなので、値上げされることによって、禁煙する人が増えるきっかけになるのはいいと思う。 (34歳 三重県 2児のママ・ぎんこさん)
■タバコは必要ないと思うが、一般に浸透している今、すぐに販売しなくするのは難しい。これ以上値上げをすると困る人も出てくるし、このままで十分と思う。 (25歳 茨城県 2児のママ・タカママさん)
■もともと販売していたものを、健康を害するからといって急に値上げするのもどうかと思う。嗜好品として長年愛用してきた方たちに禁煙を迫るようなやり方ではなく、もっと別の形で段階を経て警告を出すべきだったんじゃないかと思います。 (38歳 東京都 1児のママ・なべのりさん)
また、「公共空間」の喫煙については、「全面的に禁煙にするべき」という方が70%、「喫煙室の整備などで、喫煙者と非喫煙者の共存を図るべき」が24%です。
●公共空間の喫煙(可)・禁煙について
【全面的に禁煙にするべき】
■ニューヨークのように、「全ての建物内禁煙」がいい。食事していても、とても不愉快。 (33歳 静岡県 1児のママ・ちゃこさん)
■現在カナダに住んでいますが、それが普通なので。 (40歳 カナダ在住・1児のママ・t-mamaさん)
■これから建てられる建築物などについては分煙なども良いと思うが、現存する(公的な)建築物などに対して税金を投じてまで(喫煙室などを)整備するのは、税金の無駄のような気がするので。 (38歳 神奈川県 1児のママ・かつおきょんさん)
■いくら喫煙場所と分けられていても煙は漂ってくるし、副流煙で健康な人まで病気になるようなので、全面的に禁煙にした方が絶対に良いと思うから。 (39歳 東京都 2児のママ・匿名希望)
■公共の場ではタバコの煙は不要です。病気の人や、赤ちゃん、お年寄りなど社会的弱者にさらに被害を拡大させるようなものです。 (33歳 千葉県 3児のママ・ブルーグレーさん)
■妊娠中に、たばこのにおいが少しするだけでつわりに襲われ嘔吐していました。私のように少しのたばこのにおいでも駄目な人がいるので公共空間では禁煙にして欲しいです。 (28歳 千葉県 1児のママ・ナカカナさん)
■公園などでタバコを吸う人がいると、受動喫煙が気がかりで子どもを遊ばせにくい。灰や吸い殻を地面に落したりするので、その地面でボール遊びをしたり、落ち葉を拾ったりするのも気になる。 (30歳 東京都 1児のママ・匿名希望)
■条例などで歩行喫煙・路上喫煙は禁止になっているが、拘束力がないし、注意もしにくい。実際吸っている人もよく見かける。また、自転車やバイクに乗車しながらの喫煙はさらに危険(子どもに当たりそう)だと思うし、喫煙者に優しくしても、(喫煙者側の)良心でマナーを守ってもらえそうにないと思うから。 (30歳 東京都 1児のママ・ゆうかさん)
【分煙を徹底!】
■吸える場所がなくなってしまっても、堂々と道端で吸う人たちがでてきそう。だったら喫煙室を設けて、そこだけでしか吸わせないようにしたほうが環境にもいいと思う。 (41歳 千葉県 2児のママ・あいかママさん)
■全面禁煙が理想だけど、そうするとマナーの悪い人が禁煙場所にも関わらず喫煙したりするから、喫煙室など喫煙できる場所を確保していくほうがいいと思う。 (27歳 埼玉県 2児のママ・なおみさん)
■(喫煙者は)たばこ税を納税しているのだから、換気装置のある喫煙室を完備して、喫煙室のみでの喫煙を徹底してほしい。 (34歳 兵庫県 1児のママ・かんなぎさん)
■たばこの価格や販売についてと同様、嗜好品なので嫌がる人と一緒の場所で吸うのはよくないと思いますが、喫煙室などで吸うのはよいと思います。 (40歳 埼玉県 1児のママ・まんちゃんさん)
■嗜好品を楽しむ権利はやはりある程度は守られなければならないと思います。とは言え、先日のニュースで受動喫煙によるガン患者が年間6,800人などと報じられたので、本人が納得して喫煙した結果で病気になるのは致し方ないと思うが、職場などで受動喫煙による病気の発症などを防ぐためにも、ぜひ分煙は徹底されてしかるべきだと思う。 (34歳 愛媛県 2児のママ・ぎんこさん)
■グレーゾーンが大好きな国民性なのだからマナーになど頼れない。現実に歩行喫煙、ポイ捨てがなくならない現状をみれば明らかです。守れない人たちに何を言っても無理なのだから(喫煙室を)整備して隔離し、共存するしかないのでは? 喫煙できる店だとわかれば、私は近づきません。非喫煙者も防御できます。 (40歳 東京都 1児のママ・よしくんさん)
参考までに、日本国内での「公共空間の禁煙化(受動喫煙による被害防止)」の流れを見ると、2002年に「健康増進法」が制定されたほか、2009年3月に厚生労働省の「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」が、『学校や公演、飲食店など不特定多数の人が利用する公共空間については、原則として全面禁煙にすべき』と提言しています。
提言を受けて、厚生労働省は2009年度以降、各都道府県を通じて公共空間での受動喫煙防止対策の実施を呼びかけています。
⇒『
公共空間の全面禁煙を提言』(ベビカムニュース・2009年3月6日)
神奈川県では2009年3月に「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」が制定され、一定規模以上の公共空間(学校・病院・公共交通機関や大規模集客施設など)に対しては、罰則つきで「禁煙」または「(喫煙室の設置による)分煙の徹底」が課せられています。
⇒『
神奈川県で「禁煙条例」成立』(ベビカムニュース・2009年3月26日)
さらに神奈川県では、今年の夏「海水浴場での禁煙(指定された喫煙場所以外での、砂浜での喫煙禁止)」を定めた条例も制定され、施行されています。
乗物(公共交通機関)についてですが、飛行機(航空)の国内線は、すべてのフライトが機内禁煙になっています。国際線も、日本に就航している海外の航空会社の一部に喫煙席があるのを除いて、ほとんどが機内禁煙です。
列車・電車では、JR各社・私鉄・地下鉄において、(特急料金等が必要ではない)「普通列車」については、ルール上は車内全面禁煙になっています。「新幹線など特急列車」についてもすでにほぼ全面的に禁煙化されており、2010年10月現在、主だった列車で「(座席で喫煙できる)喫煙車」があるのは東海道・山陽新幹線の一部だけになっています。
⇒『
JRの特急列車が全面禁煙に』(ベビカムニュース・2009年3月27日)
なお、東海道・山陽新幹線の『16両編成の「のぞみ」・「ひかり」の自由席の喫煙車』は、2011年3月に廃止されることがJRから発表されており、列車・電車は全面的な禁煙化に近づいています。
駅についても、利用する人の多い都市部などの駅のホームについては、実態は別にしてルール上は禁煙化されているほか、新幹線や長距離の特急列車が発着するホームでは、換気装置などを備えてきちんと仕切られた「喫煙室・喫煙コーナー」が設置されたりしています。
たばこを吸わない人も吸う人も、お互いがもっと気持ちよく公共の場で過ごせるようになっていけばいいですね。
★たばこについて
(その1)パパのたばこ、やめてほしい?
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