『高齢出産』(35歳以上での出産)ですが、現在では出産する女性のおよそ5人に1人が該当すると言われるなど、決して珍しいものではなくなっています。
参考)日本産科婦人科学会では、35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と定義しています。
そこで、実際のみなさんの初産年齢や最後の出産年齢、それらに対するみなさんの考え方、高齢出産に対する意識や、実際に高齢出産された方の状況について幅広く伺いました。
みなさんの実際の「初産年齢」の平均値は、ちょうど30歳です。
参考までに、厚生労働省の「人口動態調査」の最新データでは、2009年の「初産年齢(第1子出産時の母親の年齢)」の平均値は29.7歳で、ちょうど30歳くらいで初産というのが全般的な傾向とみられます。
一方、みなさんが理想とする「初産年齢」は、『28歳まで』という方が全体の80%です。
高齢出産についてはさまざまなリスクがあると言われることが多いものですが、ともすれば、そうした(ネガティブなイメージの)情報の多さゆえ、高齢出産について過度に不安に思ってしまう傾向があることも否定できません。
アンケートの結果でも、高齢出産経験者の92%が出産前には何らかの不安を感じていました。その中でも、「子どもの染色体異常」や「妊娠中の異常」に不安を感じていた方が60%以上です。
しかし、実際に(高齢で)出産後に『問題があった(起こった)』という方は56%で、その中でも最大の問題は「子育ての体力(がないこと)」です。
出産前に多くの方が不安に思っていたことのうち、実際に「妊娠中の異常」を経験された方は10%に過ぎません。
まさに、『案ずるより産むが易し』ということのようです。
もちろん、高齢出産(35歳以上での出産)のリスクが、それより若い年齢での出産とまったく同じということではありませんが、不確かな情報に振り回されるのではなく、かかりつけの産科医と信頼関係を築いてきちんと「妊婦健診」を受け、体調管理に気をつけて出産を迎えるという基本的な心構えが大切、ということのようです。
最後に、出産年齢(高齢出産)について寄せられたみなさんからのご意見や、これから出産される方へのアドバイスを一部ご紹介します。
【若いうちに産むほうがよいのでは・・・】
■子どもがほしいと思うなら、早く産んでおいたほうがいいと思う。いざ作ろうと思って子どもができなかっとき、年齢が高いと不妊治療なども精神的にかなりつらくなると思うので。 (37歳 広島県 2児のママ・34歳で出産)
■将来子どもがほしいと思っているなら、(出産は)早いに越したことはないです。最近高齢出産する人が少なくないので、自分も高齢出産でいいという人も多いと思いますが、メリットないですよ・・・。自分も、できればもっと早く産んでもよかったかなって思います。 (33歳 埼玉県 1児のママ・33歳で出産)
■(高齢出産は)世の中で言われているほど大変なことでも特殊なことでもないけれど、選べるなら、できるだけ若いうちに産むほうが利口だとは思う。 (38歳 茨城県 2児のママ・38歳で出産)
■それぞれメリット、デメリットはありますが、総合的に考えると、若いときに産んだほうがいいように思います。私自身は結婚が遅く、かつ不妊治療をしていたため、出産が遅くなりましたが・・・ (40歳 大阪府 1児のママ・39歳で出産)
■生活スタイルは個々人で違うと思いますが、ウチでは娘がいることで、夫婦げんかも減ったし、夫婦のみでは出かけることもなかった場所や友人関係もできた。でも、もっと早く産めていれば・・・と、娘が幼稚園に行くようになってますます思います。幼稚園の同年代のママたちは第2子、第3子のママが多いので。 (38歳 福岡県 1児のママ・35歳で出産)
【出産年齢は関係ない!】
■「高齢出産」という言葉はあるけれど、マイナスイメージが一人歩きしているだけで、何か特別大変なわけではない。仮に年齢的な問題があったとしても今は医学も進歩しており、それなりに対処できるので不安になることは何もないと思う。若くても問題が起きる時は起きるのだから。 (44歳 神奈川県 1児のママ・39歳で出産)
■高齢出産のリスクについて、あまりに勉強してしまうと不安になってしまいます。個人差がとても大きいものですが、高齢出産のデータなどは気にせず(ホントの意味で、高齢出産のデータの蓄積はこれからですよ!)、ぜひぜひ産んで欲しいです。 (42歳 北海道 1児のママ・41歳で出産)
■今は情報が多いので良い反面、(それを自分に)あてはめて悪いほうへ考えてしまうこともあるので、(高齢出産の)情報収集はほどほどでイイと思う。 (36歳 千葉県 1児のママ・35歳で出産)
■高齢(出産)であっても、個人差がかなりあるのであまり周りの情報に惑わされず、かかりつけの医師の話だけ聞いていれば良いと思います。 (39歳 埼玉県 1児のママ・37歳で出産)
■リスクばかり考えていても先に進めません。要は、自分が本当に妊娠・出産を望んでいるかどうかです。 (38歳 岡山県 3児のママ・37歳で出産)
■どんなことでも楽しみになりますので、あまり考え過ぎたり、不安にならなくても大丈夫です! ただ、無理をせず、妊娠中・産前産後は健康第一でいてほしいです。 (36歳 新潟県 1児のママ・35歳で出産)
■若かったら、すぐに心配になったりイライラすることも多いと思いますが、高齢になるとちょっとのことでは動じなくなります。きっと、子育てにはプラスになると思います。 (42歳 千葉県 1児のママ・42歳で出産)
■歳だからと何も恐れることはないです。子どもとの楽しい未来が待っていますよ! (45歳 北海道 1児のママ・43歳で出産)
【パートナーとよく話し合って!】
■あきらめずにチャレンジしてください。それとパートナーとよく話し合って、家事の分担など協力体制を作っておくと体力的にも精神的にも楽ですよ。 (37歳 東京都 1児のママ・37歳で出産)
■パートナーの協力は必須です。出産までも、出産後も、無理をしないこと。 (40歳 海外在住 1児のママ・39歳で出産)
■(年齢を)恐れずに産んでください。血圧に注意して散歩を毎日心がければ出産は大丈夫です。が、育児はきついです。母乳なら毎日寝不足が1年以上続きます。自分のことなど構っていられません。でも、みんなそうですから、あまり無理せず旦那さんにあれこれ頼みましょう。 (39歳 群馬県 2児のママ・39歳で出産)
【やはり体力は必要!】
■体力をつけておいてください。産後、足腰に来ますよ!(笑) (41歳 奈良県 1児のママ・40歳で出産)
■体力をつけるべく日ごろから運動するなど心がけて、食事などもちゃんと管理していれば、(出産)年齢が高くても特に問題ないと思います。 (40歳 東京都 3児のママ・38歳で出産)
■若いお母さんより 食生活や運動(体力づくり)に気をつけるようにしていたら 不安にならなくても大丈夫だと思います。 (36歳 熊本県 1児のママ・36歳で出産)
■特に「高齢(出産)だか・・・」と必要以上に考えなくてもいいと思います。今の医療は進んでいるし、自分でも運動等をして体力をつけておけばいいかと。 (36歳 埼玉県 1児のママ・35歳で出産)
■安定期に入ったら、出産直前まで意識的に歩くことをおすすめします。 (37歳 東京都 1児のママ・36歳で出産)
■高齢(出産)ということを気にしすぎず、リラックスして妊娠中の生活を送ることがいいと思います。あまり大事にしすぎて運動不足になると出産も辛くなるようなので、散歩などでよく動くことも大事だと思います。 (38歳 北海道 1児のママ・37歳で出産)
■体力の低下を補うさまざまなことを準備しておくのもよいと思う。市区町村のサービスなども積極的に利用するといい。 (37歳 東京都 1児のママ・36歳で出産)
■信頼できる産科にかかっていれば安心。体力的に心配があるかもしれないけれど、子どもと一緒に公園に行って遊んだりすることで、こちらの体力もついてくるもの。案外、若返りの秘策かもしれないですよ。 (39歳 長野県 2児のママ・38歳で出産)
■年齢よりも個人の体力だと思います! 可愛いベビちゃんに会えることだけを考えて妊娠生活を送ればいいと思います。 (38歳 北海道 1児のママ・37歳で出産)
【案ずるより産むが易し!】
■「案ずるより・・・」がまさに出産、子育てだな、と感じています。私が周りから言われるのが、「子育てに疲れていないね! 楽しそうだね!」ってこと。どうしても自分が子どもを欲しくて妊娠・出産を迎えるのが「高齢出産」をされる方だと思います。であるなら、楽しみましょう! (42歳 福岡県 1児のママ・40歳で出産)
■「案ずるより産むが易し」という言葉を私も出産前に言われ、いろいろと心配するより実際に経験したら大丈夫だったので、言葉どおりだと思いました。 (42歳 長崎県 3児のママ・37歳で出産)
■不安になっても不安にならなくても結果は同じなので、あまり深く考えないほうがいいと思います。 (36歳 栃木県 1児のママ・36歳で出産)
■年齢は関係なく、子育てを楽しめる環境さえあれば、どんどん産んだほうが良い。「子育て」は「自分育て」だから。 (45歳 東京都 3児のママ・41歳で出産)
■産むまでは何とかなります。健康面で問題が無ければ。産んでからはやはり体力面ではハンデがあるのかな~?と思うことはありますが、若いママさんと比べず、自分は自分と思いましょう。 (39歳 神奈川県 1児のママ・37歳で出産)
■人それぞれの体質などがあるし、不妊症や高齢に伴う婦人病も出やすくなるとは思いますが、高齢でも現代は安心して出産できますし、今は40歳でも綺麗で若々しい方も多いので、全然問題はないと思います。確かに体力は若い人には勝てませんが、今はベビーカー、スリング、おんぶ紐やだっこ紐などいろいろな育児グッズがあるので、それらを活用していけば上手に子育ても可能だと思います。私もまだまだ駆け出しの母親ですが、のんびり構える気持ちを持ってお互いにがんばりましょう。 (37歳 千葉県 1児のママ・36歳で出産)
■大丈夫。産むまでも産んでからも何とかなります。きっと楽しいことだらけです。不安を抱かず安心して産んでください。 (40歳 東京都 1児のママ・37歳で出産)
■体調管理をしっかりして、気持ちを元気に保てば、何でもできると思います。私は、初期の子宮頸がんと診断されても妊娠は継続でき、病気の具合を見ながら帝王切開で出産しました。その後子宮頸部の切除をして、今はスッキリ元気です。 (37歳 埼玉県 3児のママ・36歳で出産)
★関連リサーチ結果
VOL69-2
妊娠中の生活(その2) どのように出産を迎えましたか? (2008年12月調査)
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