赤ちゃんは『授かりもの』とは言うものの、現代社会では、ママの仕事(職場復帰)や、お子さんの入園・入学時期のことなどを考えると、ある程度の『バースプラン(ライフプラン)』を考えておくことは欠かせません。
今回は、そうしたプランにも影響する、今現在、妊娠・出産・育児をしやすい環境かどうかについて、リサーチしています。
まず、妊娠・出産を決意された年齢についてですが、約4分の3の方は、30歳の前後5年間となっています。結婚との関係では、「結婚と同時」の方が34%、「結婚後」の方が46%です。
そして、みなさんにとって『子どもの存在は幸せの大きな要因かどうか』を伺ったところ、実に全体の93.4%の方が「そう思う」と答えました。
■この子がいるから頑張れるし、子どもを授かること、無事に出産できること自体が奇跡なので。 (36歳 東京都 1児のママ・さぶさん)
■あんなに可愛らしくて、愛情をどんどん注ぐことができて、なおかつ愛情をたっぷり返してくれる存在は大切。 (36歳 兵庫県 1児のママ・ちーさん)
■これまで趣味などで楽しんでいましたが、子どもができたことの満足感や幸せとは、比べものにならないですね。 (37歳 静岡県 1児のママ・minikaさん)
■たまに、1人の時間とか、お金があったらなぁ・・・と思いますが、2人の子どもといつも一緒にいて、3人目を妊娠している今、子どものことを切り離して考える、というのはすごく難しく、もしある日突然離れ離れになってしまったら、ぽっかりと穴が開いてしまったような感じになって、生きているのも楽しいと感じなくなりそうです。 (30歳 埼玉県 3人目妊娠中の2児のママ・りえ姉さん)
■どんなに疲れていても、子どもの笑顔を見るとまたたく間に疲れが吹き飛んで、むしろ元気が湧いてきます。もちろん平日は、時間と娘の機嫌との闘いで疲れることもあります。子どもが体調を悪くすると、「私のせい?」と自分を責めることも多々あります。でも、自分の生活に充実感を感じるのは、娘のおかげだと思い、私はできるだけ娘に合わせて過ごしています。やっぱり娘の存在がとても大きいです。 (25歳 埼玉県 1児のママ・minotanさん)
■どんなにいやなことがあっても子どもと一緒に寝たら安心し、ほっとする。子どもが親といたら安心するのと一緒☆ 子どもがいるのといないのでは、格段の違いがあると思う。 (31歳 京都府 2児のママ・あきんこさん)
■子どもが欲しくてもなかなかできない人もいるんだから、幸せだと思っている。子どもの成長が楽しみだ。 (36歳 大阪府 1児のママ・かなとママさん)
■子どもがいなかったらろくな人生を送っていなかったと思うし、今この幸せがあるのは子どもがいるからだ、と思うから。 (23歳 北海道 2人目妊娠中の1児のママ・yumemamaさん)
■愛おしくて仕方ない。愛くるしい笑顔を毎日見られるのは本当に幸せ。自分を必要としてくれている存在がいることで、自分の存在意義を見出すことができる。 (32歳 千葉県 1児のママ・クマヨメさん)
■やはり育児は大変だが、子どもの成長の素晴らしさにはかなわない。笑顔で笑ってくれると育児の大変さも吹っ飛ぶ。 (31歳 神奈川県 1児のママ・ばんこさん)
■もともと子どもとかかわる機会がなく、子ども好きというほどではなかったのですが、わが子を産んで今は子育て真っ最中になって、子どもがいかに大切か、実感しました。同時に、子どもを持つ親の立場というものに共感できるようになりました。子どもを持つと思うように働けず、収入が減ったりなど制約もありますが、視野が広がったり、時間の使い方がうまくなったり、得るもののほうが多いと思います。妊娠、出産を通して、命に触れるという点がいちばん得がたい経験だったと思います。 (30歳 兵庫県 1児のママ・siroさん)
■妊娠出産前までは正直に言って守るべきものがなかったが、守るべきものができたこと、そしてその守るものが幸せな表情をすることなどのひとつひとつで癒され、安らぎ、自分の幸せに大きくつながっていると思う。 (39歳 茨城県 1児のママ・しろくまさん)
■自分が子どもを持つまでは、携帯の待ち受け画面を子どもの顔にしている人や、年賀状に子どもの写真を使う人のことを、少し軽蔑していました。子ども中心の生活なんて、絶対にいやだと思っていたからです。でも、いざ自分が子どもを持つと、親バカぶりを発揮しています。妊娠していた10ヶ月も愛しいし、生まれてきてくれてからも毎日感謝です。そこにいて息をしてくれているだけでも幸せだなぁと感じます。どんなにいやなことがあっても子どもとの時間はかけがえのないものだし、男の子だから母親離れするのはわかっているので、それまでの時間を大切にしたいと思います。 (31歳 大阪府 1児のママ・ぶるりんさん)
■驚くほどすべてが変わります。子育ては大変なこともたくさんあるし、ストレスのもとになるけれど、やっぱりカワイイわが子です。パパと子どもと3人で楽しく遊んだりしているときに感じる幸せは、夫と2人のときに感じる幸せとは別物だと感じます。きっと、自分がママだからなんだろうな、と思います。育児は「育自」といいますが、まったくその通り。考え方やモノの見方がどんどん変化しているのが自分でもわかります。子どもの目線で見ると、いろんなことが面白くて発見で、その分たくさんの幸せを感じることができるようになったと思います。 (26歳 山形県 1児のママ・サヤカンさん)
ところが、これだけ子どもの存在が育児中のみなさんの幸せの要因になっていても、現在の社会が妊娠・出産・子育てをしやすい環境だと思うかどうかについて伺うと、「しやすい環境だと思う」方はわずか11%で、半数近くの48%の方が「困難な環境だと思う」と答えました。
【しやすい環境だと思う】
■お金がすべてではないですが、経済面では今の時代は大変助かっています。 (38歳 福岡県 2人目妊娠中の1児のママ・さとちさん)
■子ども手当てや医療制度など、恵まれすぎている。環境的には子どもを産みやすく、育てやすいけど、周りの親になった人を見ていると、子どもより大切なものがたくさんあり、子どものためにがんばるという昔の伝統がなくなっているようです。ちょっと悲しくなります・・・ (32歳 千葉県 3人目妊娠中の2児のママ・ブルーグレーさん)
■補助が年々増えていたり、親や夫などが一般的に昔より育児に協力的になってきていると思う。児童館など遊べる施設も増えてきている。 (37歳 東京都 1児のママ・mikumiさん)
■田舎だからか、ワーキングマザーに対して温かい企業が多いし、行政もあの手この手でいろいろ(子育て支援を)してくれます。近所の方も、道行く人も子どもにとても温かい。田舎だからなのかなぁ~? (34歳 滋賀県 2児のママ・りょうぼしさん)
【どちらともいえない】
■しやすい環境って何? と思います。昔だってそれほどしやすい環境ではなかったはず。 (34歳 宮城県 2児のママ・史乃さん)
■いい環境とは決して言えないが考え方次第というのもあるし、これ以上改善されるのは時間もかかるし難しいと思う。現状でやっていくしかないと思っている。 (37歳 東京都 1児のママ・ぎゃふんさん)
■困難だと言うほどのことはないけれども、しやすい環境とまで言うには、いろいろなものが整っていないような気がする。 (33歳 北海道 1児のママ・ひかたまさん)
■以前よりは物質面だったり制度だったり、子育てしやすいところもあると思いますが、実際それをフルに活用できるかと言ったら、やっぱり気がねしてできなかったり、そういう雰囲気じゃなかったりするのかな? とも思います。外国人のお友だちが旦那さんと2人でディナーに行くためとか、自分がスポーツジムに行くために子どもをベビーシッターに預けるというのを聞くと、自分の生活をエンジョイできていいなと思う反面、子どもは置いてけぼりで自分たちだけ楽しむのはちょっとどうかな? そこまでしなくても・・・と思ってしまうのは、日本人の古い考えなのか、まだ、そこまで割り切れません。 (40歳 神奈川県 1児のママ・かんちゃんさん)
【困難な環境だと思う】
■産婦人科(医)が少なく安心して子どもを産めないし、産んだとしても今度は小児科が少ないので不安。 (33歳 京都府 1児のママ・shimaさん)
■子どもを増やしたいと訴えるわりには、いちばん手も空いていて経済的にも時間的にも余裕のある「はず」の世代の、心がもっとも未熟なのが現代! それが最大の難関だと思います。環境もまだまだこれからだと思う。「お、そんなにお得で守ってもらえるなら、子どもが多くてもいいな・・・」と思えるようなことを増やしてほしい。 (37歳 千葉県 3児のママ・巽♪さん)
■子どもを2人育ててきて、とにかくお金がかかることは明白。でも不景気で給料は下がる一方。行政で何かしら対策をしてくれない限り、子育てしやすい環境になることは無理だと思う。 (38歳 青森県 3人目妊娠中の2児のママ・とまとさん)
■不況と言われるなか、やはり共働きにならざるを得ない状況ですが、保育園不足があり、そしてさらに子どもを育てるうえでの補助など、社会制度が整っていないと思う。 (33歳 東京都 1児のママ・ライちゃんさん)
■私が勤めている会社は子どもを持つ母親でも働きやすいよう制度や環境が整っているほうだと思いますが、他の会社(特に小さい企業)では必ずしも環境が整っているわけではなさそうなので・・・。また、たまたま2人の子どもは「待機」にならずに第1希望の認可保育園に入れましたが、現在の需要に対して供給(保育園の数or受け入れ可能な園児数)が圧倒的に足りていないですよね。 (34歳 神奈川県 2児のママ・まさ坊ママさん)
■子育て中の仕事ですが、私の場合、職場復帰が難しい職種(力仕事の技術職)なので、妊娠を機にほとんどの人が辞めてしまいます。子育ての社会環境も、犯罪の増加やモラルの低下など、子どもの心身の発育にマイナスな社会になっていると思います。子どもをただ動物的に成長させるのは簡単ですが、人間らしく健全に育ててていくのは難しいです。 (36歳 三重県 1児のママ・みちぽんさん)
■まったくと言っていいほど、子育てについては支援が足りていない。そして現在、子育てがめんどう、自分は楽に育児から解放されたいからと言って、保育所にわざわざ預けて仕事に出る母親がいるという現実も悲しい。 (26歳 千葉県 2人目妊娠中の1児のママ・まなPさん)
■男性優位すぎる。「女性は家庭で子育て」という考えを持つ世代の人が、子育て支援策の立案に参画しているように思う。実際、社会全体が子育てに無関心だったり、男性の仕事優先の考え方が根深く、育児参加しにくい雰囲気・環境のままで、具体的な改善策が出ていない。現状では大黒柱1本で生活できるだけの収入も得にくく、共働きせざるを得ないが、働く人の意向に添った子どもの預け先も少ない。少子化対策等もあまり子どもを持つ女性の本音が生かされておらず、ちぐはぐ。とくに、区など自治体等の施策は考え方が古く、実際に施行されても不十分。 (38歳 東京都 1児のママ・こまねずみさん)
■まだまだ女性の妊娠・出産に関しては理解が足りないと思います。子どもを産んでからすぐにでも仕事に復帰したいのですが、なかなか保育所も見つかりません。欧米諸国のようにワークシェアの制度もまだまだ整っていません。今では男性の育児への協力も増えてきてはいますが、やはり女性の負担や我慢すべきことが多すぎます。日本ではまだまだ専業主婦の人が多く、また女性自身もそれを望むことが少なくないのも原因の1つだと思います。「働くことは生きること」という根本的な考えを、もっともっと母親である女性たちも意識すべきかと・・・。 (35歳 大阪府 初産妊娠中・ぶーーーさんさん)
■決してしやすい環境とは言いづらいです。アンケートのタイトルの通り、バースプランを立てないとなかなか仕事に復帰もできない。本来なら1年間の育休明けに安心して保育園に預けて仕事復帰、となるはずが、保育園は4月入園、しかも0歳児クラスでないと厳しい。学童保育に関しても同様です。 (25歳 埼玉県 1児のママ・minotanさん)
やはりよく報じられているように、産科や小児科医療の厳しい現状、景気の悪化、育児中の女性の働きづらさ(保育所の待機児童問題)など、さまざまな社会経済要因が影響して妊娠・出産・育児が困難だと思えてしまう社会環境を生み出しているとも言えるでしょうし、そんな中でも、母親のみなさんが子どもの存在を大きな幸せの要因と感じていることで、社会全体がかろうじてバランスを保っているとも言えるかもしれません。
少しでも社会を動かすきっかけとなるよう、ベビカムでは、今後ともみなさんの生の声を社会に対して発信していきたいと思います。
★関連リサーチ結果
VOL.100 『
子育てのプラス面・マイナス面』(2009年8月調査)
VOL.99 『
「産みどき」の理想と実際』(2009年8月調査)
VOL.97-1 『
専業主婦とワーキングマザー(その1) ママの働く理由/働いていない理由は?<2009年版>』(2009年8月調査)
VOL.93 『
パパの育児休暇について<2009年版>』(2009年7月調査)
VOL.77 『
保育園が足りない!』(2009年2~3月調査)
VOL.71 『
何が人気? 自治体の育児サポート』(2009年1月調査)
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