小児科医に聞く
赤ちゃんのお肌Q&A

第1回「あせも、おむつかぶれ」

湿疹、あせも、おむつかぶれは、赤ちゃんのお肌の3大トラブル。「アトピー」も含め、症状は似ていますが異なる病気です。ママになったらどう対処する?

Q: スキンケアの基本を教えてください。

赤ちゃんの肌は清潔にすること、そして湿度を一定に保つために保湿してあげること。それが肌トラブルの基本のケアになります。最初の育児はおっかなびっくりになりがちですが、ママの不安は赤ちゃんにも伝わるもの。自信を持って頑張ってください。

Q:「おむつかぶれ」を防ぐ方法はありますか?

「おむつの中は、湿度でいうと約80~90%と、ものすごく蒸れている状態。今は吸収力に優れたおむつが多いですが、湿度は高いままなので蒸れやすさに変化はありません。だから、おむつをはずし、そのままにして皮膚を乾燥させることもひとつの方法です。わが家ではドライヤーでおしりを乾かしました。熱い温度だと危険ですから、皮膚からドライヤーの距離を遠く離し、安全な温度で皮膚を乾かしておむつを替えていました。

Q:「おむつかぶれ」の薬を塗っても、結局はおむつで密閉されるのが心配です。

心配なお気持ちは分かりますが、まずは薬を使って傷を治すのが先決。何もせず放っていても治りません。ひどい時はステロイド軟膏が出ますが、皮膚へ薄く膜をはり、ガーゼで覆うような、皮膚の表面を保護する薬が多いです。ただ、ご指摘の通り、蒸れさせず、肌を乾かすことで傷が良くなるパターンが多いことも事実です。

Q: おしりの肌トラブルのとき、清潔に保つには?

アルコールが入っているおしりふきなどは、肌にしみたりひどくなったりする可能性がありますね。でも、原則的には、おしっこ、うんちの塩分を洗わないと、赤ちゃんの皮膚を刺激し症状が悪くなることがあります。しみる姿がかわいそうでも、一度洗って患部を乾かし、薬を塗る。そうしないと、症状は良くなりません。ただ、おっぱいと同じ回数、うんちとおしっこもしますので、さすがに毎回は無理ですよね。10回のうちの5~6回はきちんと乾かしたり、日中、時間がある時はきちんと対応したりというママの心がけで、「おむつかぶれ」になる頻度は減るし、症状の悪化を防げると思いますよ。

Q: 小児科に行くか皮膚科に行くか迷っています。

お子さんが3カ月くらいまでは、赤ちゃんを多く見ている小児科のほうが安心といえるかもしれません。ひとつの症状をとっても皮膚科と小児科では治療方針が違うことがあります。例えば「湿疹」の場合、皮膚科は皮膚の専門だから薬を使って症状を治します。小児科でも薬は使いますが、全体的にはスキンケアをおすすめしています。赤ちゃんの場合は皮膚のバリアが壊れていることが原因で起こる症状が多いためです。

Q: あせもや湿疹があるとき、どんな素材の洋服を着せたらいいですか?

基本的には木綿がいいといわれていますが、おそらく赤ちゃん用で特別皮膚に刺激の強い洋服はほとんどないのではないでしょうか。特に気にすることはないと思います。初めてのお子さんのときは小さなことでも気になり、「天然素材がいいのかなぁ」など気を使いますが、知らないうちに普通の生活になっています。赤ちゃんは一見、ひ弱そうに見えますが、日々強くなっていくもの。ママは自信を持って育児を楽しんでください。

監修の先生のプロフィール

加部一彦(かべかずひこ)

加部一彦(かべかずひこ)

埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。
新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

石井のぞみ(いしいのぞみ)

石井のぞみ(いしいのぞみ)

東京女子医科大学医学部卒業。現在、愛育病院小児科勤務。01年12月に女児を出産、02年4月より職場復帰。自分が子どもを持ったことで、よりママ・パパの気持ちがわかるようになり、具体的なアドバイスができるようになったと話す。近年の小児科は、心の問題の比重が大きくなってきている。精神的な面から体の不調を訴える子どもたちとママ・パパの力になっていければと考えている。