東日本大震災特集
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妊婦さん・授乳中のママへ、日本産科婦人科学会から重要なお知らせ

2011年3月17日

平成23 年3月16日、日本産婦人科学会より「福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(特に母乳とヨウ化カリウムについて)」が広報されました。

*報道内容は、「平成23年3月15日、午前6時時点で、福島原発より5km以上離れたところに居住していた妊婦さんと授乳中の方」が対象となります。

*平成23年3月15日、午前6時時点で、福島原発より5km以上離れたところに居住していた場合は、実際に受けた被曝量は人体に影響を与えない低レベルのものなので、妊婦さん、おなかの赤ちゃん、母乳ならびに乳幼児への影響は心配する必要はありません。そのため、ヨウ化カリウムを服用する必要はなく、母乳をあきらめる必要もないとのことです。

*デマに惑わされないようにしましょう。インターネット等で、ヨードチンキやルゴール液を飲むと予防効果があるという噂がありますが、効果はなく危険ですので、飲んではいけません。また、海産類をたくさん摂取しても効果は限定的と考えられるとのことです。

以下、発表資料を転載してお知らせします。

福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(特に母乳とヨウ化カリウムについて)
出典:日本産科婦人科学会
資料リンク先:http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110316.pdf

このご案内は以下の妊娠・授乳中女性を対象としております。また、現時点(平成23年3月16日15時)のご案内ですので、今後の状況変化により、このご案内は無効となる場合もありますのでご注意ください。

平成23年3月15日、午前6時時点で福島原発より5km 以上離れたところに居住していた妊娠・授乳中女性へのご案内

1. 福島原発事故放射線被曝による、ご本人、胎児(お腹の中の児)、母乳ならびに乳幼児への悪影響について心配する必要はありません。実際に受けた被曝量は人体に影響を与えない低レベルのものです。したがって、ヨウ化カリウムを服用する必要はありませんし、母乳をあきらめる必要もありません。

2. ヨウ化カリウム服用を考慮したほうがいい妊娠・授乳中女性は50,000マイクロシーベルト(50ミリシーベルトと同じ量)以上、被曝したと考えられる方にかぎります(昨日のお知らせ中にお示ししてあります)。

3. この場合のヨウ化カリウムの効能は母体の甲状腺保護作用であり、放射線によるその他の影響をすべて防止するものではありません。

4. 外出はできるだけ避け、窓も閉めておくことをお勧めします。

5. 例外的に 3月15日午前6 時~同正午間に福島原発に極めて近いところに居住していた方には50 ミリシーベルト以上の被曝があった可能性は否定しきれません。しかし、報道等のデータによれば、その可能性も極めて低いと考えられます。

6. このご案内は平成 23年3月16日15時の状況を基にしております。今後の福島原発の状況変化によっては、50ミリシーベルト(50,000マイクロシーベルト)以上の被曝を受ける可能性がありますので、報道等に十分注意して下さい。報道される測定場所と放射線量(ミリシーベルト、あるいはマイクロシーベルト)には特に注意して下さい。

7. 発表される被曝量(ミリシーベルト、あるいはマイクロシーベルト:1 ミリシーベルトは1,000マイクロシーベルトと同じ)は測定場所(多くの場合、屋外)に1 時間いた場合の量ですので、時間数をかけると総被曝量となります。屋内にいた場合にはこの数値よりも低いものとなります。

以下は昨日(平成23年3月15日)のご案内内容です。

Q1: 被曝によりどのようなことが起こりますか?
A1: 甲状腺がんの発症率が高くなります。
乳幼児や若年者では特に甲状腺がんの発症率が高くなります。しかし、被曝により発症したがんは比較的おだやかな性格を持ったがんとされ、治療なしでもゆっくりとしか進行しないとされています。40歳以上では被曝してもあまり発症率は高くならないとも報告されています。被曝するとお腹の中の児(胎児といいます)の甲状腺にも悪影響がでます。

Q2: 被曝量と甲状腺がん発症には関係がありますか? もし、あるとしたら、どの程度被曝したら甲状腺がんになりやすくなるのでしょうか?
A2: 被曝量が多いと甲状腺がんになりやすいとされています。
甲状腺がんになりやすくなる被曝量については50ミリシーベルト(1 ミリシーベルトは1,000マイクロシーベルトと同じ量ですので、マイクロシーベルトで表すと、50,000マイクロシーベルト)以上とされています。例えば、時間当たりの被曝量が2,000マイクロシーベルトの環境にいると、25時間で総被曝量が50,000マイクロシーベルトとなり、甲状腺がん発症の危険が高くなります。

Q3: 甲状腺がんの発症予防法はありますか?
A3: ヨウ化カリウム錠(50mg錠を2錠)を被曝後なるべく早期に服用すると、予防効果があるとされています。
50 ミリシーベルト(50,000マイクロシーベルト)以上の被曝を受けた40歳以下の妊娠・授乳中女性にはヨウ化カリウム錠(50mg 錠)2 錠服用をお勧めします。通常(平常)時にはこの薬剤は医師により処方されます。インターネット等でヨードチンキやルゴール液を飲むと予防効果があるという噂がありますが、効果がありませんし、危険ですので、飲んではいけません。また、海藻類をたくさん摂取しても効果は限定的と考えられています。被曝量が50 ミリシーベルトより少ない場合にはヨウ化カリウムを服用する必要はありません。

Q4: ヨウ化カリウム錠にはどのような副作用があるのでしょうか?
A4: 甲状腺機能低下(甲状腺ホルモンが少なくなること)とアレルギー反応が心配されます。
成人の場合はあまり心配ないのですが、乳幼児では甲状腺機能低下が特に心配されます。また、妊娠中女性が服用すると、胎児に甲状腺機能低下が起こることがあります。胎児や乳幼児にとって甲状腺ホルモンは脳の発達に特に重要とされているホルモンです。したがって、妊娠中女性がヨウ化カリウムを服用した場合には児は出生後ただちに甲状腺機能の検査を受けます。同様に乳幼児がヨウ化カリウム投与を受けた場合にも甲状腺機能の検査を時々受けることになります。ヨウ素過敏症とわかっている方、また過去にエックス検査時の造影剤でアレルギー反応を起こした方にはヨウ化カリウム服用はお勧めできません。

Q5: ヨウ化カリウムは一回だけ服用すればいいのですか?
A5: 50ミリシーベルト(50,000マイクロシーベルト)以上被曝したが、既に安全な場所(大気の放射能汚染がない)に移動し、安全な水と食物(放射能汚染がない水と食物)を摂取している場合には50mg錠を2錠1回服用(計100mgを一回)で十分です。しかし、この薬剤の効果持続時間はだいたい24時間です。再び50ミリシーベルト(50,000マイクロシーベルト)以上の被曝があった場合(例えば、25,000
マイクロシーベルトの環境に2時間いる)には同様にヨウ化カリウムを100mg服用します。しかし、妊娠中女性では胎児への副作用(赤ちゃんの甲状腺機能低下)も心配されるので、2 回目服用は特に慎重に行なうべきとの意見もあります。

Q6: その他、注意することはありますか?
A6: 妊娠中もしくは授乳中の女性ではヨウ化カリウム服用が児の甲状腺機能低下につながる可能性があります。したがって、妊娠中ならびに授乳中の女性にあっては、ヨウ化カリウムを服用しないで済むよう、特に被曝量を少なくする工夫が重要です。線源(ここでは福島原発)から離れること(遠隔地への移動)が可能な状況であれば、それをお勧めします。

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