0・1・2歳児の活動は、「遊び」が主体です。このコーナーでは、造形の基礎的な体験として必要な「のりつけ」を、遊びとして展開する方法を考えてみました。
単なる遊びに終わらせないために、季節行事と関連づけ、製作物として作品化するアイデアも紹介します。
雪だるまの顔出しパネル手でもんでシワにした小さな紙を雪のようにばらまいて、のりをつけたダンボールにくっつけて遊びます。「雪だるま」をモチーフに、穴から顔を出して遊べる「顔出しパネル」に仕上げてみました。 |
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用意するもの
ダンボール
カッター(ダンボールカッターなどを使うといいでしょう)
でんぷんのり 紙(薄手の白っぽい紙なら、なんでもOK)
準備
●ダンボールでベースを作る
子どもをダンボールの上に寝かせてペンなどで輪郭をとります。このとき、顔の高さや大きさもチェック。「雪だるま」の形を決め、カッターで切り抜きます。
●ダンボールのベースにのりを塗る
大きな平筆やはけ、ダンボールの切れ端を使い、のりを平均的にのばして塗ります。時間が経つとのりを吸い込んだり乾いたりするので、素早く作業をします。
折り紙を丸めてみんなのツリーいろいろな色の折り紙を丸めてのりをつけ、大きな紙にどんどんくっつけて遊びます。ここでは、「ぺったんこあそび」の結果が、クリスマスツリーになるように設定しました。 |
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用意するもの
折り紙 でんぷんのり
トレー(トレーに、のりを薄く広げて使うと、必要以上にのりをベタベタつけることを避けられます)
ふきん 色画用紙
準備
緑の大きな色画用紙でツリーのベースを作ります。大きさは、人数によって決めます。
世界でひとつのカラフル衣装いろいろな形に切った厚紙に、指をぐるぐるさせてのりをつけ、紙にくっつけて遊びます。紙袋のドレスと新聞紙の帽子を製作しました。カラフルでかわいい模様のついたドレスと帽子ができあがります。 |
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用意するもの
マチ付き紙袋、新聞紙、でんぷんのり、トレー ふきん、カラー片ダンボール、色画用紙
準備
カラー片ダンボールや色画用紙を、子どもたちがつかみやすい大きさの丸や四角や三角にカットしておきます。ドレスと帽子のベースを作ります。
紙袋のドレスの作り方
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マチの部分を内側に折り込む。
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袖口をイラストのように切る。
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襟口と、手さげのひもを切って完成。
*肩幅や首まわりの大きさを体格に合わせて調整します。
新聞紙の帽子の折り方
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見開きの新聞紙を使用。
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イラストの矢印のように折る。
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下の手前側をイラストのように2回折る。
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裏返してイラストのように折る。
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イラストのように折り目をつけて、端を折る。端を折るのは6 で(A)の裏側に折り込みやすくするため。
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5 で端を折った部分を(A)の裏側に折り込む。
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とがった部分を折り込んでできあがり。底が袋状となって、子どもの頭を入れる部分となる。
子どものイメージを広げてはりえづくり「はりえ」は、材料をのりで貼ることを基本的な技法とした、子どものイメージを刺激する基礎的な遊びです。 |
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田代耕司(たしろ・こうじ)
道灌山保育福祉専門学校講師
造形作家
岡山県で中学校の美術教諭を経験。上京後出版社に勤務し、幼児・保育者向け出版物を編集。教材・玩具類の企画開発を行うかたわら、紙を素材にした造形作品を制作。展覧会・各種出版物で作品を発表。現在は、保育者・親子を対象に全国で造形実技指導を行っている。

撮影協力/こひつじ保育園(東京・町田市)
昭和24 年開園。定員160 名。物事に素直に感動する鋭敏な感受性を養うために、絵画造形・音楽教育を中心にした造形芸術教育に力を注いで、美的情操をはぐくむ。
0・1・2歳児の造形 監修/田代耕司(造形作家)協力/町田こひつじ幼稚園
文/田辺泰彦(アスク・ミュージック) 撮影/茶山 浩 イラスト/まつなが あき
