
どこで出産する? 産婦人科の探し方
「妊娠したかも」と思ったら…、妊娠検査薬で「陽性」反応が出たら…、妊婦健診、出産のための、病院選びのポイントをまとめてみました。
病院の種類
妊婦健診や分娩を行っている病院には、さまざまな種類があります。それぞれに特徴があるので、メリットや注意点を、しっかりとチェックしておきましょう。
病床数100床以上の大きな病院です。産婦人科のほかに、内科、外科、耳鼻咽喉科など主要な診療科があります。
メリット
・合併症や持病がある場合、高齢出産など、ハイリスク出産の場合に安心です。
・高度な医療が受けられ、緊急時の体制も整っています。
注意点
・受け入れに、紹介状が必要な場合があります。
・待ち時間が長い、診察時間が短いなどの場合があります。
・エコー画像がもらえない、個室不可など、サービス面に制約がある場合も。
・健診と分娩を、違う医師が担当する場合があります。
周産期母子医療センター
新生児特定集中治療室(NICU)などの施設があり、早産児や低体重児、病気を持って生まれた赤ちゃんなどに対応しています。一部の総合病院や大学病院に設けられています。ハイリスクな妊婦さんに対応する、母体胎児集中治療室(MFICU)を併設している場合もあります。
産婦人科専門の病院です。病床数が20床以上の場合は病院、19床以下の場合は診療所と呼ばれます。
メリット
・出産方法やサービス、食事、設備などに特色がある病院が多く、自分に合ったスタイルが選択できます。
・個室や母子同室を選択できる病院も多くなっています。
・健診から分娩まで、同じ医師に診てもらえる場合が多いです。
注意点
・ママや赤ちゃんにトラブルが発生し、対応ができない場合は、提携の大学病院・総合病院に搬送されます。
・病院によって、出産や入院の費用に差があります。
・帝王切開、夜間の分娩など緊急時の対応も、病院によって差があります。
・診療所の場合、妊婦健診のみで分娩を扱っていない場合もあります。
助産師が分娩の手助けをしてくれる施設です。医師がいないため、医療行為は行いません。
メリット
・アットホームな環境で、自然に近いお産ができます。
・助産師が、相談にじっくり時間をかけて対応してくれます。
・多くの助産院では、妊娠時の食事指導や、産後の母乳指導などにも力を入れています。
注意点
・助産師は医療行為ができないため、逆子、多胎、過去に帝王切開で出産した、合併症がある…など、リスクやトラブルのある方は、助産院での出産はできません。
・帝王切開が必要になるなどの緊急時には、提携の大学病院・総合病院に搬送されます。
病院選びのポイント
自分の希望する出産スタイルや、出産のリスクを念頭に置いたうえで、理想に近い病院を探してみましょう。
自宅からの距離と交通手段(自宅から最高で1時間程度までが目安です)
健診、分娩の費用
里帰りをするかどうか
自分の理想の出産スタイル・産後ケアが希望できるか
産科専門病院や診療所、助産院の場合提携の大学病院・総合病院はどこか
病院の医師やスタッフの対応
診察や治療の設備
診察の待ち時間
緊急時の対応体制
夫の立会いができるか
入院時の部屋(大部屋、個室、LDRなど)
入院時の食事の内容
母子同室か・別室か
母乳指導、育児指導は行われているか
病院選びの時期
最近、出産施設の減少で「お産難民」が問題になっています。妊娠が分かったら、できるだけ早く出産する病院を選び、予約を入れておきましょう。
里帰り出産の場合も、早目に出産する病院を決めて、安定期に入ったら一度、里帰り先の病院へ診察へ行くようにしましょう。
また、里帰り前にかかっていた医師と、里帰りで出産する病院との連携のために、必ず紹介状をもらうようにしてくださいね。

不妊治療の病院の探し方
「赤ちゃんが欲しいけれど、なかなか授からない」という方が、不妊治療を受けるためには、どんな病院を訪れたらよいのでしょうか。不妊治療のための、病院選びのポイントをまとめてみました。
病院の種類
不妊治療を行っている病院には、主に以下の3種類があります。
病床数100床以上の大きな病院のうち、産婦人科等で不妊治療を行っていたり、不妊外来を設けている病院があります。不妊外来は「リプロダクションセンター」などの名称になっている場合もあります。
メリット
・泌尿器科など、他科と連携した治療を行っています。
・費用が比較的安価な場合が多いです。
・検査や治療の設備が充実しています。
・不妊治療で妊娠した場合、同じ病院でそのまま出産まで診察が受けられます。
注意点
・受け入れに、紹介状が必要な場合があります。
・待ち時間が長い、診察時間が短いなどの場合があります。
・診察日によって、担当する医師が変わる場合があります。
・不妊治療を行っていない産婦人科もあるので確認を。
産婦人科専門の病院で、不妊治療を行っていたり、不妊外来、リプロダクションセンターを設けているところがあります。
メリット
・診察を毎回、同じ医師に担当してもらえる場合が多いです。
・不妊治療で妊娠した場合、同じ病院でそのまま出産まで診察が受けられます。
注意点
・設備が十分でない場合や、一部の検査などができない場合があります。
・男性の不妊治療や外科治療を行っていない場合があります。
・妊婦さんと同じ待合室になる場合があり、精神的に負担になることも。
・不妊治療を行っていない産婦人科専門病院もあるので確認を。
不妊治療に特化した治療を行っています。不妊治療専門の医師が個人で開業している場合が多いです。
メリット
・高度な不妊治療や、男性の不妊治療に対応しています。
・病院内の設備や雰囲気等が、不妊治療を受ける人に配慮されていて、安心感があります。
・診療説明やカウンセリングなども充実している場合が多いです。
注意点
・費用が比較的高額になる場合があります。
・人気のある病院の場合は、待ち時間が長くなることもあります。
・妊婦健診や分娩を取り扱っていないので、不妊治療で妊娠した場合は、あらためて健診や出産のための病院を探す必要があります。
病院選びのポイント
以下にチェックポイントを整理してみました。不妊治療は長期に渡ることもあるので、もし通ってみて「自分に合わない」と感じた場合は、転院も視野に入れてみましょう。
自宅からの距離と交通手段
治療の費用
病院の医師やスタッフの対応
行っている治療、検査の内容
男性の不妊治療を行っているか
診察や治療の設備
診察の待ち時間
不妊治療の成果や実績
待合室が妊婦さんと同じか、分かれているか
厚生労働省の「指定医療機関」に指定されているか(特定不妊治療を受ける際に助成金を受けられる場合があります)
病院選びの時期
結婚して避妊をせず性行為をしているのに2年間妊娠しない場合が「不妊」とされていますが、女性側の婦人科系の病気(月経不順、無月経、子宮筋腫、子宮内膜症など)がある場合や、35歳以上など妊娠に関する不安がある方の場合は、この期間にかかわらず、早めに不妊治療の相談へ行くことをおすすめします。
