相談26 幼児の高所恐怖症にはどう対応すればいいの?
- 2015-06-26 15:50
- 一般公開
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2歳10カ月の男の子のことです。もともと高いところや段差が苦手で、のぼるのはいいのに、くだりは腰が引けてしまってなかなか降りられません。階段もすぐに抱っこしたがるし、すべり台も後ろ向きでやっとこさっとこ。そうでなければ私が救出に行かないと身動きできなくなってしまいます。
2歳半のときに、はじめてのジムに勢いでのぼったはいいけれど、すべり台からおりる手前で固まってしまいました。顔はひきつり、足も完全にすくんでしまって、大泣きです。その後、徐々に改善の兆しが見えてきたかに思えましたが、今日、またその同じジムで大泣きしてしまいました。
今回は30分近く私の首にしがみついて「怖かったの、嫌だったの」と号泣し続けました。落ち着いた後も、思い出したように「すべり台、怖くて泣いちゃったの」と話します。
多少の得手不得手はあると思いますが、ちょっとした段差でも腰が引けて手をつなぎたがります。徐々に慣れればいいとも思いますが、来春から幼稚園なので少し心配です。幼児の高所恐怖症にはどのように対応すればよいのでしょうか?(32歳のママより)
ヤンババはどう考える?
高所恐怖症だとあなたがおっしゃる息子さん、第1子かしら。けっこうこういう育ち方をしている長男のケースが多いわよ。親が「ほら危ない、ほら危ない」とつい手をだしてしまうのです。思い当たる節はないかしら?
昔のことになりますが、長男の3歳の頃を思い出します。いとこたちと一緒に行った三越の屋上で、滑り台にのぼっておりられなくなったのね。女の子は平気でのぼっていくので、「自分も」って思ったのでしょうね。そんな長男も今は3児の親でその子どもは誰も怖がりません。
ナンバーワンでなくオンリーワンに…
ところで「100人のうち99人ができることがあったとき、残り1人にどうしてなってはいけないの」と私は思いますよ。
親は誰でも子どもをナンバーワンにしたがるけれど、その思いがあなたの相談内容にあらわれています。
ほとんどの人ができて、ひとりだけできない=悪い、と思いがちですが、比較でなく、その子どもだけを見つめれば「こんなところがあるんだ」という発見ができるでしょう。それが個性というものだと思えませんか?
「改善」という発想をやめましょう
「徐々に改善の兆しが見えてきたかに思えた」とありますが、改善の兆しなんて考えないで!
「なになにをしなくて……」「なになにができなくて………」こんなふうに母親が考えてしまうと、この子は立場がない。できないことより、できることに目を向けましょう。これはこの子の個性だと考えられませんか?どこを切っても同じ顔が出てくる金太郎飴のようにはしたくないでしょう?
裏を返せば「慎重派」ということ
高いところにのぼるのが怖い…。すばらしいことだと思うわよ。あなたのお子さんは、おりる怖いを知っているんだもの。これは言葉をかえれば「慎重」ということよね。長じて試験には失敗しないタイプでしょうね。
学齢に達する前の子どもなのだから
高いところにのぼるのが怖いとのことですが、まだ2歳ですものね。小学校に入ってからの、かけっこなわとびなどの、克服とは別です。こわがりならこわがりなりに過ごせばいいじゃないの。今の日本で、ジムにのぼれないと、なにか暮らしで支障がありますか。
感情を伝えられていることこそ、すばらしいこと
ところで、ジムからおりられないことを言うより、あなたは子どものもう一つの面に注目するべきよ。子どもは、「怖かったの!」と自分の感情をあなたに伝えていますね。しかも過去のことを思い出して「怖かったこととその理由」を具体的に伝えているのよ。2歳でこんなに自分の感情を言えるのはたいしたものよ!
体感してみなさいなそのジムを
さて、お母さん、あなたは自分自身でそのジャングルジムにのぼってみたかしら?
傍観者としてじっとみつめているから、他とちがうってことが親としてがまんできないのよ。一緒にのぼって「そうだね怖いね~。お母さんも怖いや」って言ったら安心するんじゃないかしら。「のぼれないこと」に失望している親の心を子どもが感じてしまうことのほうが問題ではないかしら。
その子の気質を認めてあげましょう
あなたの2歳児は大きな怪我や間違いをおかすことにはならないと、私の経験からも言ってあげられます。
「男の子だからできるでしょ!」なんて言わないで。男女の区別なく大人だってそれぞれ苦手なことはありますもの。
大丈夫。じき、幼稚園に行くようになると、ほかにも類型がいることに気づきますよ。そしてさまざまな気質の子どもに応じて、幼稚園教諭も個別に対応してくださいます。
さて、まとめてみましょう。世の中にはたくさん高所恐怖症の人がいます。
・違いを認めよう
・子どもを自分と同一化しない(あなたとは違う人間です)
かけがえのない我が子を心身ともに大切にしてください。
(2003.02)
2歳半のときに、はじめてのジムに勢いでのぼったはいいけれど、すべり台からおりる手前で固まってしまいました。顔はひきつり、足も完全にすくんでしまって、大泣きです。その後、徐々に改善の兆しが見えてきたかに思えましたが、今日、またその同じジムで大泣きしてしまいました。
今回は30分近く私の首にしがみついて「怖かったの、嫌だったの」と号泣し続けました。落ち着いた後も、思い出したように「すべり台、怖くて泣いちゃったの」と話します。
多少の得手不得手はあると思いますが、ちょっとした段差でも腰が引けて手をつなぎたがります。徐々に慣れればいいとも思いますが、来春から幼稚園なので少し心配です。幼児の高所恐怖症にはどのように対応すればよいのでしょうか?(32歳のママより)
ヤンババはどう考える?
高所恐怖症だとあなたがおっしゃる息子さん、第1子かしら。けっこうこういう育ち方をしている長男のケースが多いわよ。親が「ほら危ない、ほら危ない」とつい手をだしてしまうのです。思い当たる節はないかしら?
昔のことになりますが、長男の3歳の頃を思い出します。いとこたちと一緒に行った三越の屋上で、滑り台にのぼっておりられなくなったのね。女の子は平気でのぼっていくので、「自分も」って思ったのでしょうね。そんな長男も今は3児の親でその子どもは誰も怖がりません。
ナンバーワンでなくオンリーワンに…
ところで「100人のうち99人ができることがあったとき、残り1人にどうしてなってはいけないの」と私は思いますよ。
親は誰でも子どもをナンバーワンにしたがるけれど、その思いがあなたの相談内容にあらわれています。
ほとんどの人ができて、ひとりだけできない=悪い、と思いがちですが、比較でなく、その子どもだけを見つめれば「こんなところがあるんだ」という発見ができるでしょう。それが個性というものだと思えませんか?
「改善」という発想をやめましょう
「徐々に改善の兆しが見えてきたかに思えた」とありますが、改善の兆しなんて考えないで!
「なになにをしなくて……」「なになにができなくて………」こんなふうに母親が考えてしまうと、この子は立場がない。できないことより、できることに目を向けましょう。これはこの子の個性だと考えられませんか?どこを切っても同じ顔が出てくる金太郎飴のようにはしたくないでしょう?
裏を返せば「慎重派」ということ
高いところにのぼるのが怖い…。すばらしいことだと思うわよ。あなたのお子さんは、おりる怖いを知っているんだもの。これは言葉をかえれば「慎重」ということよね。長じて試験には失敗しないタイプでしょうね。
学齢に達する前の子どもなのだから
高いところにのぼるのが怖いとのことですが、まだ2歳ですものね。小学校に入ってからの、かけっこなわとびなどの、克服とは別です。こわがりならこわがりなりに過ごせばいいじゃないの。今の日本で、ジムにのぼれないと、なにか暮らしで支障がありますか。
感情を伝えられていることこそ、すばらしいこと
ところで、ジムからおりられないことを言うより、あなたは子どものもう一つの面に注目するべきよ。子どもは、「怖かったの!」と自分の感情をあなたに伝えていますね。しかも過去のことを思い出して「怖かったこととその理由」を具体的に伝えているのよ。2歳でこんなに自分の感情を言えるのはたいしたものよ!
体感してみなさいなそのジムを
さて、お母さん、あなたは自分自身でそのジャングルジムにのぼってみたかしら?
傍観者としてじっとみつめているから、他とちがうってことが親としてがまんできないのよ。一緒にのぼって「そうだね怖いね~。お母さんも怖いや」って言ったら安心するんじゃないかしら。「のぼれないこと」に失望している親の心を子どもが感じてしまうことのほうが問題ではないかしら。
その子の気質を認めてあげましょう
あなたの2歳児は大きな怪我や間違いをおかすことにはならないと、私の経験からも言ってあげられます。
「男の子だからできるでしょ!」なんて言わないで。男女の区別なく大人だってそれぞれ苦手なことはありますもの。
大丈夫。じき、幼稚園に行くようになると、ほかにも類型がいることに気づきますよ。そしてさまざまな気質の子どもに応じて、幼稚園教諭も個別に対応してくださいます。
さて、まとめてみましょう。世の中にはたくさん高所恐怖症の人がいます。
・違いを認めよう
・子どもを自分と同一化しない(あなたとは違う人間です)
かけがえのない我が子を心身ともに大切にしてください。
(2003.02)
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