現役の助産師さんがマンツーマンで沐浴の仕方を教えてくれたり、助産師さんを囲む育児講座も同時開催。その模様をレポートします。

おばあちゃんと育児講座♪ <第22回沐浴体験会レポート2>

  • 2012-07-18 12:00
  • 一般公開
  • テーマ:沐浴体験会
こんにちは! 先月26日にベビカム主催の「沐浴体験会&育児講座」が開催されました。詳細レポート第2弾では、後半に行われた「育児講座」のようすをご紹介します。

今回はママとおばあちゃんがいっしょにご参加いただいているということで、「妊娠・出産に関する不安」「育児の昔と今の違い」をメインテーマにお話が進みました。ベビカムアドバイザーでもある聖母病院助産師の山本智美さんのリードで、皆さんがいま感じていることを率直に語っていただきました!


いま、妊娠・出産に関するどんな不安がありますか?

里帰り出産の予定です。出産が楽しみでもあり、不安でもあります。(ママより)

「わからないことがあったら、どんどんおばあちゃんに聞きましょう。赤ちゃんが泣いたらどうしていましたか?」とお母様方に問いかける山本さん。
まず抱っこ、おっぱい、おむつ…などのほか“横に揺らして、それでダメなら立て抱きに変えたりしました” “おしりに手をやってポンポンとしました”など次々に経験談があがります。

「そんな風におばあちゃんたちもいろいろ試してきました。赤ちゃんは泣いて当たり前。何しても赤ちゃんが泣きやまないときもあります。そんなときはお母さんや夫に頼って。わからないことがあったら、まずお母さんに聞いてみればいいんです

娘が陣痛の痛みに耐えられるか心配です(お母様より)

「おばあちゃんご自身が安産だと娘さんも安産、難産だったら娘さんも難産だと思ってしまいがち。私が助産師をしている病院でも、娘さんが陣痛のときにおばあちゃんがご自分の出産経験を語りだして止まらない…という方がよくいらっしゃいます(笑)。でもそれぞれ夫も違うし、お産も違うはず。決めつけないほうがいいですよ。」

「でも、陣痛が痛いというのは変わりない事実。だからといって、いつまでも陣痛がこなかったら困りますよね。赤ちゃんは生まれるときを自分で決めて、陣痛開始のスイッチを押して、ママに伝えているのです。そう考えると、陣痛への不安も少しポジティブに受け止められるのでは?」

35歳、高齢出産なので心配です(ママより)

「35歳での出産は、都内ではもはや若いほうですよ。年齢が影響するのは出産よりむしろその後の育児かもしれません。体力的な問題がありますからね。育児に備えて体力をつけておきましょう」

実家は放射能が心配な地域の周辺です。育児の手伝いをどうしたら?(お母さまより)

「放射能の怖さは、実際の影響だけでなく、精神的な心配からくる影響も少なくありません。目に見えないだけに、小さな赤ちゃんがいれば、その心配はふくらむという方が多いようです。実家に孫を来させるより、できるだけお母さまが通って手伝うほうが良いかもしれません。」


今と昔、子育ての常識Q&A

「まず、特に里帰り出産の場合、お母様が必要以上に責任感を持たれる場合が多いようです。赤ちゃんにとって最高の環境を!と神経質になりすぎる必要はありません」と前置きする山本さん。育児の今昔について、ひとつずつ例をあげながら説明してくださいました。

赤ちゃんに日光浴は必要?
「かつては赤ちゃんの日光浴が推奨されていたこともありましたが、強い紫外線は赤ちゃんによくありません。現在は母子健康手帳からも日光浴の文字はなくなりました」

なるべくミルクは足したほうがいい?
「母乳不足を心配して、ミルクで大きく育てるのが良いとされた時代もありましたが、母乳不足の呪いはなくしてください(笑)」

昔は“小さく生んで大きく育てる”と言われましたが…。
「小さく生まれたら、小さい子なりのペースで大きくなっていくほうが良いです」

抱きグセはつけちゃいけないの?
「農耕民族だった日本人が農作業をする際、おとなしくそばに置いておくために「抱きグセがつくと困る」と言われていました。おぶって農作業をするアフリカには、“抱きグセ”という言葉はありません。現在は日本でもそういった言葉は使わなくなってきています」

入院中の赤ちゃんのお風呂は?
「病院にもよりますが、ドライテクニックといって、入院中は赤ちゃんをお風呂に入れない病院が多くなっています。赤ちゃんが汗をかき始めるのは生後5日目以降。お風呂に入れる必要がないのです」

味を覚えるために果汁はあげたほうがいいの?
「ママのおっぱいを通じて味がわかるといいます。早めの味ならしは必要ありません。母乳をあげているのであれば、6ヶ月からで充分です」

赤ちゃんには、大人が噛んでやわらかくした食べ物をあげていい?
「大人の口の中にある虫歯菌が赤ちゃんにうつるので、やめましょう」

体温調節ができない赤ちゃんは厚着させる?
「大人を基準に、プラスマイナス一枚程度と考えて大丈夫。どちらかというと薄着が良いです。乳幼児突然死症候群は、うつぶせ・たばこ・厚着などが原因ではないかと言われています」

断乳は必要?
「いまは断乳ではなく“卒乳”と言われます。無理やり断つのではなく、赤ちゃんが自然におっぱいにサヨナラするまで待つ、という考え方です。アメリカでは4歳ぐらいまで飲ませていいと言われています」

エアコンが苦手なママと、エアコンを使う実家。赤ちゃんにはどうしたら?
「赤ちゃんが主に過ごす環境はどちらでしょうか?ママがエアコンをあまり使わないなら、赤ちゃんもその環境がメインになるはず。ご実家側が、赤ちゃんがいる間は少しガマンしてくださいね」

葉酸サプリは使うべき?
「妊娠初期の摂取が大切だと言われている葉酸は、妊娠後期にも必要です。食事で摂取するのが理想ですが、サプリメントでもかまいません。しかし、必要以上に過剰摂取するのは問題がありますので、1日1,000マイクログラム以上を摂ることは避けましょう」

産後うつって?
「これは最近の言葉かもしれません。無気力になったり、悲しい気分から抜け出せなくなったり、“あれ?私どうしたかな?”と思ったら、まわりの人にSOSを出しましょう。まず自分の旦那さん、ご両親、お友だち、保健師など、誰でもかまいません。甘え下手な方に多くみられますので、そんな方はお産の入院中にナースコールを押すことを“甘える練習”だと思ってやってみてください」

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最後に山本さんよりお母様方へ。
おばあちゃんがやりたい育児と、ママがおばあちゃんにやってもらいたい育児は違うということを認識してください。おばあちゃんは孫のお世話をしたいかもしれませんが、ママが望んでいるのは家事を手伝ってくれることかもしれません。孫の直接のお世話はママにまかせて、そのほかの手伝いをしてあげてください」

そしてママたちへ。
「ママたちは、おばあちゃんたちが育ててくれてここまで自分が大きくなったという事実にあらためて感謝しましょう。その上で、昔はどんなふうに子育てしていたのか、どんどんおばあちゃんに聞いてみてください。」
「ぜひお産のときは、そのときの素直な気持ちをお母さんに伝えてください。そうすれば、きっと自分のお子さんともまっすぐに向き合えると思います」

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いかがでしたか?
最後の山本さんの言葉には、参加者のみなさんも強くうなずいていらっしゃいました。
今と昔でこんなにも変わってきている育児の常識にはビックリ!
ママもおばあちゃんも事前にしっかり理解していれば、出産後の子育てもきっとスムーズですね。

今回の沐浴体験会&育児講座が、少しでも皆さんのお役に立てたなら嬉しいです。
皆さまの安産を心よりお祈りしています!

   

沐浴のコツご紹介!<沐浴体験会レポート1>はこちら>>

次回の沐浴体験会は10月に予定しています。
後日、詳細をお知らせしますので、妊娠初期・中期の方はぜひご応募ください♪
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