コンビニ生活に警鐘 非常食、使いながら備蓄する習慣を
- 2012-03-05 10:41
- 一般公開
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東日本大震災から間もなく1年。各地のスーパーなどでは防災用品や非常食を集めたコーナーを立ち上げ、改めて日頃からの備えを喚起している。震災直後から、被災地はもちろん、広範囲で不便を強いられた「食」。どう乗り切ったかを振り返り、そこから浮かび上がる“食の教訓”を2回にわたって探る。(榊聡美)
[フォト]常温で食べられるレトルトカレーに注目集まる
◆あるもので工夫
震災後、ライフラインも食料もままならない困難な状況下で、何を作り、食べていたか-。
昨年12月にまとめられた、仙台市民の食の記録集『私はこうして凌(しの)いだ-食の知恵袋-』(仙台ひと・まち交流財団発行)で、その一端を知ることができる。
缶詰を組み合わせて作ったサバのトマト煮、牛乳の代わりに粉ミルクで作ったシチュー…。アイデアに富んだ非常食からは「あるもので工夫する」ことの大切さが伝わってくる。
仙台市青葉区に住む、ベターホーム協会の料理教室講師、今野敬子さん(63)は、混乱が収まるまでの間、あるもので食をつないだ一人だ。
「自宅にあった食材をチェックし、日持ちのしないものから順番に使うようにしました。買い物をするため、長蛇の列に並ぶことはありませんでした」
直後は水や熱がいらない、そのまま食べられるクラッカーやチーズなどを口にした。ショックで、食欲も湧かなかったという。
3月16日に電気が復旧し、普通に調理ができるようになると、買い置きしておいた乾物や乾麺、真空パックのお餅などが役立った。
冷凍庫で保存してあった手作りの料理にも助けられた。今野さんは、ミートソースやラタトゥイユなど、一度にたっぷり作って、冷凍しておく習慣があった。
「ミートソースはパスタだけでなく、ゆでたジャガイモにのせたりして、いろいろと活用できた。日頃から、時間やエネルギーの節約にと、やっていたことは結果的に非常時にも役立ちましたね」
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