年1ミリシーベルト以上を除染区域に。国の新除染方針案まとまる

  • 2011-10-11 10:30
  • 一般公開
  • テーマ:放射能関連
環境省は10日、東京電力福島第1原子力発電所事故で飛散した放射性物質の処理について、有識者による合同検討会の初会合を開き、汚染廃棄物や除染の基本方針案をまとめました。

それによると、「年間の追加被曝量1ミリシーベルト以上」を除染が必要な地域と指定し、20ミリシーベルト未満の地域は2年後の2013年8月までに線量を約50%減らすこと、高濃度の汚染廃棄物は発生地の都道府県内で処理することなどが示されています。この方針案は11月上旬にも閣議決定される見通しです。

環境省では先月、面的な除染が必要な場所として、被ばく線量が「年間5ミリシーベルト以上」の地域とする方針を示していましたが、5ミリシーベルト未満の地域がある福島県内の市町村から反発が出ていたことなどから、当初の方針を見直し、国が財政措置をして除染を行う場所をより広く設定し、被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上の地域としました。

環境省では、合同検討会に先立つ会合で、国が処理する「指定廃棄物」の放射性セシウムの濃度基準を「1キログラム8000ベクレル超」とすることも決めました。福島県以外で発生している高濃度焼却灰などの処理は、国が主体となって実施することになります。

方針案では、警戒区域と計画的避難区域を「除染特別地域」に指定し、除染は国が行います。特別地域以外で年間追加被曝量が1ミリシーベルト以上の地域は「汚染状況重点調査地域」に指定し、除染は自治体が行いますが、国が財政措置を講じます。1ミリシーベルト以上の地域は、文部科学省の航空機モニタリングによると8都県に及ぶとのことです。

また、年間20ミリシーベルト以上の地域も迅速に縮小させます。20ミリシーベルト未満の地域は、長期的に1ミリシーベルト以下を目指すとしたうえで、13年8月末までに11年8月末比約50%減らし、学校や公園などの子どもの生活圏は約60%減らします。

「除染特別地域」については、被曝量が特に高い地域を除いて14年3月末までに除染し、除去土壌などを仮置き場に逐次搬入する方針です。ただし環境省は、14年3月末時点では20ミリシーベルト未満に下げることを想定し、除染を終了させるわけではないとしています。

高濃度の汚染廃棄物や除染後の廃棄物などについては、国が処理するとしたうえで「排出された都道府県で行う」と明記しました。高濃度廃棄物が相当量発生している都道府県については中間貯蔵施設を確保します。中間貯蔵後の扱いについては、今後検討することになります。

一方で、高濃度汚染廃棄物や解体困難な廃棄物を除く通常の災害廃棄物については、12年3月末までをめどに仮置き場への移動を行うとしています。
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