放射能の除染対象は「福島県全体の7分の1」と専門家が試算

  • 2011-09-15 09:00
  • 一般公開
  • テーマ:放射能関連
東京電力福島第一原発事故に伴い、放射性物質の除染対象になる可能性のある地域が、最大で福島県全体の7分の1に当たる約2,000平方キロに及ぶことが、専門家の試算で分かりました。除染土壌の体積は、東京ドーム80杯分に相当する1億立方メートルに上る計算となります。

これは、森口祐一東京大教授(環境システム工学)が試算したもの。森口教授は、除線の考え方や手順などを盛り込んだ除染基準をまとめるために、環境省が14日に初会合を開いた「環境回復検討会」のメンバーでもあります。

森口教授によると、年間の追加被曝線量を1ミリシーベルト以下に抑える目安として、毎時1マイクロシーベルト以上の分布域を、6月下旬に測定された空間線量のマップから抜き出すと、警戒区域と計画的避難区域の合計1100平方キロを含む約2000平方キロにのぼることが分かりました。その全体を、セシウムをほぼ除去できるとされる深さ約5センチまではぎ取ると、体積は約1億立方メートルになります。

ただし、この試算では土地の用途は考慮しておらず、対象面積の約6〜7割を占める森林で人家から遠い山間部などを除けば、数千万平方メートル程度に抑えることも可能とみられています。

環境省では、こうした数字をもとに、除染する範囲とそれによって生じる土壌の量などを検討し議論し、来年1月から本格的な除染を始めるために、11月中に除染基準の原案を固めることにしています。
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