放射線から胎児を守るために、妊娠中に気をつけておきたいこと

  • 2011-07-05 15:07
  • 一般公開
  • テーマ:放射能関連
ベビカムでは、ドクターQ&Aでおなじみの
元愛育病院院長・産婦人科医、堀口貞夫先生にご協力いただき、
小さいお子さんをお持ちのお母さんがたに、
産婦人科医から見た「放射能関連」に関する詳しい情報を
不定期でお届けしていきます。

第1回は、「放射線から胎児を守るために、妊娠中に気をつけることはありますか?」です。
ぜひご参考になさってください。

Q:放射線から胎児を守るために、妊娠中に気をつけることはありますか?

A:
放射能を扱う仕事をしていない「一般の方」が気をつけなければけないのは、
年間1mSv(ミリシーベルト)以上被ばくしないようにするということです。


地球上に暮らす人はみな、
年間1〜10mSv(平均2.42mSv、日本人の平均だと1.48mSv)の
自然放射能にさらされていますが、
これに加えて1mSv被ばくしないようにしようということです。

例えば、日本において自然放射能で被ばくする線量は、

 外部被曝 宇宙線・・・・・・・・・・・0.3mSv/年
      御影石など大地・・・・・・・0.4mSv
 内部被曝 カリウム40など食物 ・・・・0.4mSv
      ラドンなど呼吸器・・・・・・0.4mSv
--------------------------------------------
合  計(日本)         1.48mSv/年

となります。

ところで、公表されている空中の線量から、
24時間屋外で1年間被曝された場合の外部被曝線量を見てみると、

6月29日 福島市杉妻町 1.1μSv/時  ⇒ 9.76mSv/年
6月28日 東京都新宿区 0.058μSv/時 ⇒ 0.51mSv/年
6月19日 江戸川・葛飾   0.14μSv/時 ⇒ 1.23mSv/年

となっています。

以上から考えられるのは、
空中放射線量が、現在の水準で推移するとしたら、
内部被曝に注意すればいい
ことになります。

では、内部被ばくの線量について見てみましょう。

1)水道水 浄水場の暫定規制値:セシウム 300Bq(ベクレル)/kg(乳児では100Bq/kg)
2)野菜・穀物類 :セシウム 2000Bq/kg
3)魚・肉類   :セシウム 2000Bq/kg

野菜や穀物類、魚・肉類は、規制値以下の場合には出荷されるので、
出荷された食品の放射能の量が公表されれば、
内部被曝の実効線量を概算することができます。


例えば、
セシウム137で汚染された1900Bq/kgの肉・200グラムを
1年間毎日食べたとすると、

1900Bq×0.2kg×365(日)×0.000013(実効線量係数)=1.8mSv/年

セシウム137で汚染された210Bq/kgの水を
1日3リッ トル毎日摂取したとすると、

210Bq×3(リットル)×365(日)×0.000013 (実効線量係数)=3.0mSv/年

1.8mSv/年+3.0mSv/年=4.8mSv/年
つまり、これだけで4.8mSv/年になります。
この数値をできるだけ減らすことが大切なのです。
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