月経の異常(げっけいのいじょう)

 月経のトラブルにあわてたり、とまどったりした経験はだれにでもあるはず。月経は個人差があるので神経質になりすぎることはありませんが、病気のサインであることも多いもの。SOSサインを見落とさないようにしっかりキャッチしてください。

思春期や更年期に起こりやすい月経のトラブル


 月経のトラブルには、おもに(1)周期の異常(頻発月経稀発月経)、(2)量の異常(過少月経過多月経)、(3)期間の異常(過長月経過短月経)、(4)初経年齢と閉経年齢の異常(早発月経と晩発月経早発閉経晩発閉経)、(5)無月経(原発性無月経続発性無月経)、(6)月経にともなうつらい症状(月経困難症月経前緊張症)があります。
 月経不順(俗に「生理不順」とも呼ばれる)というのは、ここにあげた周期の異常の総称で、月経が適正な周期でくり返されない状態をさします。卵巣機能がまだ不完全な思春期のころや、卵巣機能が低下してくる更年期には、月経不順が起こりやすくなります。
 思春期の月経不順は、年齢とともに卵巣が成熟すれば順調になることが多く、心配のないケースがほとんどです。更年期の月経不順も、ほとんどの場合は心配ありませんが、子宮筋腫子宮がんなどの病気による不正出血と区別がつきにくいことがあるので、おかしいと思ったら婦人科を受診しましょう。

ストレスやダイエットが無排卵の引き金になることも


 最近は、思春期や更年期以外でも月経不順や無排卵、無月経になる人がふえています。原因の多くは、過度のストレスや無理なダイエットなどです。
 月経は脳の視床下部という部分でコントロールされていますが、視床下部には心臓の拍動や呼吸、体温調節、睡眠などをつかさどる自律神経の調節や、食欲を調節する役割もあります。このためストレスやダイエットによって自律神経や食欲のリズムが狂うと、卵巣に命令をだすホルモン分泌にも影響がでます。その結果、女性ホルモンの分泌量が減り、月経が止まってしまったり(続発性無月経)、月経不順が起こったりするのです。
 無月経の場合には排卵がないことがすぐわかりますが、月経があっても、じつは排卵をともなっていない出血(無排卵性月経)のこともあります。無排卵がつづくと、そのあいだ妊娠できないだけではなく、卵巣の機能が衰えてもとにもどりにくくなってしまいます。
 排卵が起こっているかどうかは、基礎体温(基礎体温と妊娠のしくみ)をはかればわかります(基礎体温が上昇せず、低温期がつづきます)。月経が止まった状態や無排卵性月経が3か月以上つづくときは、なるべく早く婦人科を受診しましょう。

月経異常の周期と量のめやす


 一般に、正常な月経の周期(月経の初日から数えて、つぎの月経がはじまる前日までの日数をさします)は25~38日の範囲内で、24日以内と短いものを頻発月経、39日以上90日未満と長い場合を稀発月経といいます。また、妊娠していないのに、月経が90日以上ない状態が無月経です。
 一方、1回の月経のトータル経血量はだいたい50~60g(ナプキン20枚程度)が標準。これに対し、量が150g以上(ナプキン60枚以上)でレバー状の血のかたまりが出てくる場合を過多月経、月経量が極端に少ない場合を過少月経と呼びます。
 月経量の異常もまた、思春期と更年期によくみられる症状ですが、過多月経では子宮筋腫や子宮内膜症の疑いが、また過少月経では無排卵の疑いがあるので、婦人科の受診が必要です。

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