知っておきたい女性特有の病気(しっておきたいじょせいとくゆうのびょうき)

微妙な女性のからだのしくみと、気になる病気


 女性には、内性器、外性器、乳房など、妊娠、出産、育児に必要な女性特有のからだのしくみがあります。男性にくらべると微妙で、繊細、複雑な特徴を持っています。
 とくに卵巣から分泌される女性ホルモンは、重要なはたらきをしています。月経や妊娠など、生殖に関係する機能に大きな影響を与えるだけでなく、女性のからだのほとんどをコントロールして健康を維持しているのです。
 この女性ホルモンのはたらきがうまくいかなくなると、月経にまつわるトラブル(月経の異常)や自律神経の失調(自律神経と自律神経失調症)など、さまざまな不調を抱えることになります。
 また、女性に特有のからだの機能によって、子宮筋腫卵巣嚢腫子宮がんなど、女性にしかみられないさまざまな病気もあります。
 そして、なにより女性は、思春期に迎える初経、成熟期に経験する妊娠・出産、そして更年期、閉経、高齢期など、それぞれの世代につぎつぎと訪れる、心とからだに起こる大きな変化とも向き合っていかなければなりません。
 女性に起こるさまざまな病気や不調に対応していくには、まず自分のからだについて正しく理解して、知識を持つことがたいせつです。

時代と環境で変わる女性ならではの病気


 女性を取り巻く社会環境は、かつてとはくらべものにならないほど、大きく変化しています。
 仕事を持つ女性がふえ、職場で家庭で、さまざまなストレスを受けるようになりました。また、男性と同じように外食をし、お酒を飲み、喫煙する女性も増加するなど、いままで以上に健康管理が必要になってきました。
 さらに出産年齢の高齢化、出産回数の減少など、女性のライフスタイルの変化も見逃せません。
 こうした生活環境やライフスタイルの変化は、女性のからだにも大きな影響を与えています。
 たとえば、最近ふえている女性の病気に、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がん卵巣がん乳がんなどがありますが、これらの病気は、生活環境やライフスタイルの変化が大きくかかわっていると考えられています。
 また、女性ホルモンの分泌をつかさどる視床下部は、ストレスや環境の変化などちょっとした影響で機能が乱れてしまいます。したがって、ストレス社会といわれる現代では、月経不順、無排卵月経なども起こりやすく、さまざまな心のトラブルもふえています。
 ほかにも、無理なダイエットにより起こる月経不順や摂食障害、極端な偏食や乱れた食生活が原因の味覚障害若年性骨粗鬆症、そして、性体験の低年齢化によって心配される性感染症の蔓延なども社会問題になっています。
 「知っておきたい女性特有の病気」では、現代社会にふえてきた女性特有の病気や心身の不調を中心に、女性に起こりやすい病気、知っておきたい病気をくわしく解説しています。また、かかりやすい年代が記してあります。さらに医師に聞きにくい、あるいは周囲の人への理解を深めるために役立つ日常生活の注意などを「あなたへのひとこと」としてまとめました。
 受診する前や受診後の確認などに役立ててください。
 最近は産科や婦人科以外にも、女性外来など、女性のための受診科を設ける病院がふえ、女性専用のクリニックも充実してきました。女性のからだをトータルにみてくれる婦人科は、心強い味方になってくれるはずです。

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