ベビカムトップ
>
妊娠後期(5~9ヶ月)
> 妊娠23週。胎児の首の後にたまる水

妊娠23週。胎児の首の後にたまる水

妊娠後期(5~9ヶ月)の相談

Q491:妊娠23週。胎児の首の後にたまる水

23週に入ったばかりの超音波検診で、「胎児の首の後ろに水がたまっているようだ。5mmくらいかな」というような話がありました。「気になるから様子を見ましょう。2週間後にまた検査しましょう。」とのことでした。 具体的にはどのような異常なのでしょうか?また、私が気をつけるべきことがありますか? 2009/7/3
堀口貞夫先生
「首の後の水」と表現されたものが、NT(nuchaltranslucency)なら厚さ5mmが問題になるのは、妊娠14週くらいまでです。23週になっていれば、問題になりません。お書きになった質問全体から推察するに「首の後の空間」はNT(nuchal translucency 胎児頸部貯留液像)のことだと思います(と専門語にするともっとわからないですよね)。

以下はNT検査についての、あるメール相談に書いたものです。 「一寸難しい質問だな」と悩んでいたのですが、今年発行された産婦人科診療ガイドライン・産科篇2008に掲載されていました。

問題点
1)計測の時期:妊娠10週から14週の間に計測して、判断する。(時期により大きさが変化し、13週6日までに2.1ないし2.7mmに拡大し、その後縮小して行く)
2)正しく正中断面で計測する。そのために画像を充分拡大する。(少し場所がずれると計測値が変わるからです=同 じ胎児でも2.6mmだったり3.2mmだったりする)
3)検査の目的「胎児染色体異常の可能性があるか」を判断するためにおこなうものです。(確定診断は羊水検査によるので、「羊水検査を施行する必要があるかどうか」を判断する材料にするということです)
4)胎児染色体異常(主としてダウン症)の年齢別危険率が、NT値3mmでは3倍、4mmでは18倍、5mmでは28倍になるとされている。(40~45歳のダウン症の発生率は凡そ100人に1人とされていますから、4mmの場合には100人に18人になるのですが、4mmであっても82人は染色体異常ではないということなのです。

何故こんな検査がされるようになったのか。訴訟の多い国では、ダウン症児が生まれた時に、年齢が高いとダウン症の発生率が高くなることを教えてくれなかった、とか羊水検査があることを奨めてくれなかったと訴えられてしまうのです。それで羊水検査を勧めるようになりました。羊水検査は手間と費用がかかり、僅かですが流産などの危険もあります。それなのに検査の数が増え続けるために、検査件数を少なくするために、母体血清マーカー試験(トリプルテストとかクワトロテストと言われるもの)やNT検査が行なわれるようになったのです。しかし確定診断のためには結局、羊水検査をしなければならいのです。

5)もうひとつ大事なことは、ダウン症のようなハンディキャップを持った子どもの誕生をどう考えるかなのです。

先生のプロフィール

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
  • キーワードを入れて、その他の相談を検索!

関連の質問

関連の動画

からだと心の相談室お役立ち情報

powerd by babycome