妊娠・出産・育児大百科目次へ
(このエリアの表示には、最新版の Adobe Flash Player が必要です。Flash Player を入手する

トップページ > 妊娠出産育児の学校 > CLASS MoM > 第2回「母乳育児を楽しもう」

ベビカムカテゴリ

私が選ぶ、私のお産 妊娠学校 クラスマム

8/8 第2回 母乳育児を楽しもう!
母乳育児志向は高まっていますが、それだけに、「うまく飲ませられない」「おっぱいがあまり出ていないのでは?」と悩むママも増えています。そこで堤先生が、楽しくトラブルなく母乳育児ができる方法を教えてくださいました。ここではそのダイジェストをご紹介します。
「つつみ治療室」 堤尚子先生
看護師、助産師として勤務後、東洋医学を取り入れた「堤式乳房マッサージ法」を開発。1996年より「つつみ治療室」(東京都中野区)を開業。後進の指導にもあたる。著書に『堤式乳房マッサージ法 理論と実際』(たにぐち書店)、『おっぱいの悩みを解決する100の方法』(有朋書院より2006年秋発売予定)。

妊娠中から母乳育児のためにできることって?
プログラム1 妊娠中にしておきたい乳房ケア
「母乳で育てたいというお母さんは増えてますが、産後、『うまく飲んでくれない』『おっぱいが張って痛い』など何かトラブルにあったときに、病院では対応してくれない、専門のマッサージは予約が取れないでは困ってしまいますよね。そこで今日は、トラブルなくおっぱいをあげて、断乳(卒乳)までいってもらうための基礎知識、マッサージ方法をお伝えします。しっかりマスターしていってくださいね」

まずは自分のおっぱいチェック!
乳房の形や大きさは人によっていろいろですが、『小さいのでおっぱいが出るのか心配』という人も、中の乳腺が発達してくればおっぱいは出ますので、全く問題ないですよ。乳首は、長さが十分にあった方がいいですね。おっぱいに対して乳首が小さい方、乳首が少ししか出ていない方もいらっしゃいますが、実は赤ちゃんは、乳首だけを吸うのではなく乳首から乳輪までを深く吸います。そうすることで、痛みもなく乳腺に心地よく刺激が伝わり、母乳の出をよくするのです。ですから、乳輪がマッサージなどによって伸びてくれば心配ありませんよ。また、赤ちゃんがおっぱいを飲むときにやわらかく伸びるよう、乳首はやわらかいほうがいいですね。だいたい耳たぶくらいの硬さです。これが鼻くらいの硬さだと、赤ちゃんは飲むときに噛む動きをしますので、傷ができたりしやすいんです。
副乳というものを知ってますか? 本物のおっぱいとは別に、わきの方に茶色い小さな乳首がある方が、たまにいます。入院中はそこも張って痛い場合がありますが、冷やせば問題ありません。妊娠中から自分に副乳があるかどうか調べておくといいですよ。

妊娠中にはどんなおっぱいマッサージがいいの?
「乳房のなかでつくられた母乳がどこにたまるかというと、乳輪の下なんです。赤ちゃんが乳輪までくわえて吸うことで、おっぱいは出てくるんですね。乳首を吸っても出てこないんです。だから、産前から乳輪を柔らかく伸びやすくしておくと、赤ちゃんがおっぱいを深くくわえて上手に吸ってくれます。そのためのマッサージをお教えしますね」

いつからどんなマッサージをするの?
「36週の終わりか、37週からで十分。乳頭をマッサージすることで子宮を刺激してしまうので、もう生まれてもいいという時期に入ってからするのがいいのです。妊娠中のおっぱいマッサージの効用には、ふだん光や風にさらされていない乳首と乳輪の皮膚を鍛えるという意味と、もうひとつ、自分がおっぱいを触ることに慣れるということがあります。
36~37週になったら、ここにある2種類のマッサージを、1日1回、1分もかからないので、ぜひお風呂などでリラックスしながらやってください。乳輪ものびてきますよ」
マッサージするときはオイルをつけます。ベビーオイル、オリーブオイル、馬油…なんでも構いませんよ。では1の乳輪のマッサージをやってみましょう。こすらないようにするために、軽く「圧」をかけます。そのとき中指の指の腹を使うと、圧が余分にかからなくていいでしょうね。2のマッサージは、乳輪を軽く押してひっぱるマッサージです。乳頭、乳輪が伸びることがわかればOK。3秒ひっぱったらやめましょう。」
先生が参加者おひとりずつの手にマッサージをして回り、「圧」のかけかたを伝授してくださり、みなさんその感触を忘れないように繰り返しおさらいしていました。
「妊娠中にやることはこれだけです。これだけで変わってきますが、これでおっぱいが出るかというと、産後のマッサージによりますね。次からは、産後自分でできるケアについてお話ししますね」

「うちの夫は、自分も授乳がしたい!と悔しがってます」。先輩ママの赤ちゃんを抱っこしてニッコリ。

赤ちゃんにラクラクおっぱいを飲んでもらうために
プログラム2 産後に自分でできる乳房ケア
「お産をして胎盤がはがれると、おっぱいが出るようになりますが、さらに赤ちゃんが吸うことで母乳の分泌を促したり、子宮を収縮させる作用のあるホルモンが分泌されます。このホルモンはお母さんが疲れているとよく分泌されないので、よく寝て、自信をもっておっぱいをあげることが大事ですね。
みなさんが出産する病院によって、母乳についての指導はまちまちだと思います。いつから吸わせるかについても、産後すぐのところもあれば、お母さんが1日休んでから、3日後にご対面というところまであります。でも、その後のスムーズな授乳や、お母さんのからだの回復のためにも、産後すぐから吸わせるのがいいですね」

授乳の前にすぐに自分でできるマッサージ
「母乳のよく出るお母さんがよつんばいになり、乳房をぶらんぶらんさせると、バーッとおっぱいが出てくることがあるんです。このように、胸板から離れていてやわらかく、ぶらんぶらんしているのが授乳中の理想のおっぱいなんです。こんなやわらかい状態にするのが、乳房拳上動作というマッサージ。おっぱいも乳頭も必ずやわらかくなりますよ。やり方は、両手をおっぱいの下に重ねて添え、小指側で肋骨(ろっこつ)に触れつつ、息を吸いながらすくいあげ、おっぱいが上がるところまで動かしていきます。息を吐きながらもとに戻します」

おっぱいの出る穴は20個?!
「おっぱいの出る穴……、牛は1個ですね。では、人間の乳口はどれくらいあると思いますか? 15~20本もあるんです。全部開くことは少ないですが、授乳をしているとだいたい10個くらいの穴からシャワーのように出てくるんです。これが1~2本しか開いてないと母乳が足りなくなるので、穴をできるだけ増やすためのマッサージをしましょう。

片手でおっぱいを支え、もう片方の親指・人差し指・中指で乳頭から乳頚部にかけて、正面からつまみます。人差し指と中指で乳頭から乳頚部の下方を支えて、親指のみを使って1・2・3のリズムで乳輪に親指を入れ込んで、「の」の字を描くように3回マッサージします。
乳頭をねじると痛いのでやめてくださいね。ねじるのではなく縦方向に伸ばすようにマッサージします。やさしくすると穴は開いていきますが、強くすると、括約筋を刺激して逆に穴がしまるので気をつけて。授乳前にこのマッサージをすると、乳首がやわらかくなり、赤ちゃんがスムーズに飲んでくれますよ。どうも乳首が固いと思ったら赤ちゃんが泣いてもあせらずに、このマッサージをしてから落ち着いて飲ませてくださいね。また、張りが強くなっておっぱいの外側が痛くなったら、上肢前方挙上運動をしてください。これは仰向けに寝て行います。息を吐きながら、腕を前方から耳の横まであげていき、しっかり伸びたら息を吸いながらもとに戻します。これを左右で10回行うことで血行がよくなり、ずいぶん楽になりますよ」

最後に・・・「母乳神話」を気にしないで
さて、このようなケアをしていても、授乳中、トラブルが起こるかもしれません。おっぱいが張って痛む、おっぱいが赤くなっている、熱が出るといったような症状が出たときには、乳腺炎の可能性があるので、すぐに産婦人科を受診してください。内科や外科だと、授乳を止められることがあります。また夜中で受診できないときは、とりあえず赤くなっている部分を濡れタオルで冷やすこと。氷は乳腺が硬くなってしまうので止めてくださいね。

母乳育児をされるにあたって、最後にぜひわかってほしいことがあります。母乳は、あらゆる観点から一番優れています。でも、なんらかの事情でミルクを足さなきゃいけないことが出てくるかもしれません。そうしたときに「あぁ自分はダメだ」なんて自分を責めないでほしいと思うのです。ミルクをあげたからって愛情が足りないわけではないのです。ミルクをあげるのだって、愛情があって初めて成り立つことです。
でもまずは、母乳をあげたいのにあげられない、とならないよう、今日お教えした手入れをしてくださいね。みなさんがトラブルなく母乳育児をされることを願っています」

「母乳についての講義なんて、正直ちょっと気恥ずかしいと思っていたのですが、クラス終了後には個別指導までしていただきました!」

「マッサージの力の加減など、読んだだけではわからないことも、一人一人丁寧に教えてくれたのでとても勉強になりました」 「初産の不安な気持ちをよく理解してくださり、とてもあたたかく受け入れてくださる先生のお気持ちがうれしかったです」「すごくためになりました!! 来月出産のお友達にコピーをして説明までして母乳育児について語ってしまったほどです」
つつみ式乳房マッサージ研究法 ホームページ

今日のコミュニケーションタイム
なぜか早産が続いた先輩ママからアドバイス
今日は、妊娠中になんらかのトラブルを経験された、3名の先輩ママとお子さんたちがゲストで登場です。まずはお一人目のゲスト、曽根佐知子さんのトラブルとは…? 「うちの子は3姉妹なんですが、今日来ている2人の子は、1ヶ月から2ヶ月早い早産で2000g代前半で生まれたんですよ」。とても元気なお子さんたちなので、みなさんから驚きの声が上がりました。金澤先生は「ほら、早産でも子どもはこれだけ元気に育つのよっていう『証拠物件』として来ていただいたの!」とみなさんを勇気づけます。
順調な経過の妊婦さんたちに早産の話は縁起でもない…と思われるかもしれませんが、何が起こるのかわからないのが妊娠出産。曽根さんにしても、からだを冷やさない、無理をしないなど、とても気をつけた妊婦さんであったのに、早産が続きました。「自分に限って、早産や帝王切開になるわけがない」と思わずに、そんなこともあり得る、でもそうなったとしても大丈夫だ、と思っておくことが大事ですね。

妊娠中、タクシーに追突される!
左の写真の竹内明日香さんは、2人目のお子さん利樹人君(3ヶ月)を妊娠中に、思わぬハプニングに遭遇。「30週あたりで、まだ2000gくらいの頃です。親が運転する車に乗って、勤め先の銀行に荷物の整理に行こうとしたところ、なんとタクシーが追突! 軽い陣痛が始まってしまったんです。救急車で運ばれて3週間ほど入院。その後なんとか正期産に入り、3000g以上で無事生まれてくれました」。 利樹人君を抱っこしていた金澤先生も「この子、今も必死に私にしがみついてるけど、すごい生命力ね。おなかの中でも、しっかりお母さんのおなかにしがみついてたのね」。竹内さんからも「私のように何かあっても、今の医療をもってすれば大丈夫ですよ」と、母は強い! と思わせるメッセージをいただきました。

「安静」ってどこまでじっとしてればいいの?
葵ちゃん(4ヶ月)と来られた稲嶺夏代さんも、妊娠中にトラブルが起こりました。「予定日1ヶ月前に切迫早産になりかけて、自宅療養で安静にするように言われました。料理も作れず寝たきりで…」。そこで堀口先生からのお話。「今、安静に、という話が出ましたね。その場合、医者はどれくらい安静にすべきかっていう、具体的な指示はしないことが多いんですよ。そうすると妊婦さんはどうしたらいいかわからない。でもね、医者に聞いても、ふだんその人がどれくらい動いているか分からないので、なんとも言いようがないというのもあるんです。だから結局は、自分自身がふだん動いている量から考えて、寝たきりにしたり、家事くらいはしたりと、場合に応じて判断するということでしょうね。そしておなかが張る感じがして、触ってみたら硬くなっているようだったら、横になって休む。そうするとすぐ張りは治まりますよ」

産後のマタニティブルーってありました?
稲嶺さんはマタニティブルーに悩んだようです。「旦那さんのお母さんが来られてるときにありましたね…。(みなさんから笑い)差し入れに脂っこいものを持ってこられたりすると『お義母さんは孫の面倒を見たいから、母乳じゃなくてミルクで育てさせようとしてるの?』」とか、なんでもないことがすごく気になってしまいました。とてもいいお義母さんで、ふだんはとても仲良くお付き合いしてるのに、なぜかカチンときてしまったんですよね」。そこで金澤先生からみなさんにアドバイスです。「それは産後によく聞く話ね。特に実家の親ごさんとは、もっと深刻なことになりがちよ。こっちが必死におっぱいをあげてるところに『母乳が足りてないんじゃないの?』なんて気軽に言われた日には、衝突は必至よね。ふだんはなんでもないことが気になってしょうがないのが、マタニティブルー。多かれ少なかれみんなそうなるものだ、と今から思っておいて、そんなに深刻に考えないようにね」

ベビカムより
今日のテーマは母乳。まだ妊娠5~7ヶ月くらいの方にとっては、「おっぱい」という言葉を口にするのも恥ずかしいという気持ちでは? でも堤先生の暖かく力強いお話で、みなさん母乳育児に対して自信を得られたよう。先輩ママたちが小さな赤ちゃんに授乳している様子に、みなさん興味津々でした!