妊娠・出産・育児大百科目次へ
(このエリアの表示には、最新版の Adobe Flash Player が必要です。Flash Player を入手する

トップページ > ベビカムピックアップ > 赤ちゃんに、長時間テレビを見せるとよくないの?
ベビカムピックアップ

赤ちゃんに、長時間テレビを見せるとよくないの?

2010/04/15(木) 14:11

tyuumoku.JPG

【赤ちゃんとお母さんの健康について考える】
「お母さんや赤ちゃんにとって健康ってなんだろう」、
「妊娠前や妊娠中に特に気をつけることは何かしら」など、
妊娠をきっかけに、今まで以上に健康に関心が高まるお母さんは多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ベビカムマガジンで連載している小児科医作間先生の記事の中から、
テレビ・ビデオと乳幼児の健康についてのお話をご紹介します。

-------------------------------------------------------------------------------------

赤ちゃんに、長時間テレビを見せるとよくないの?
テレビ・ビデオと乳幼児の健康について考えます


今やテレビは1家に1台どころか、1人1台というご家庭も多いかもしれません。
今回は、コミュニケーションという観点から、「テレビやビデオ(以下、テレビ)などの映像メディアが子どもに与える影響」について考えてみましょう。

赤ちゃんが「テレビにさらされている時間」の影響は?

みなさんのご家庭では、お子さんにテレビをどのような形で見せているでしょか?(または、今後見せるつもりでしょうか?

ニュースなどでも取り上げられるように、暴力的な映像が及ぼす子どもの暴力傾向や攻撃的な態度などの悪い影響を考え、テレビを控えていらっしゃるでしょうか?
逆に、良質のプログラムにより知識や経験が深まるなどの良い影響を考え、教育的な目的で積極的に取り入れているご家庭もあるかもしれません。

最近は、乳幼児向けの良質なプログラムが充実しているので、忙しいお母さんたちにとって、赤ちゃんや小さなお子さんが喜ぶビデオやテレビ番組は、時には良いベビーシッターのような存在にもなり得るでしょう。

しかし、テレビとお子さんの健康の関係について考えるとき、大切なのはプログラムの内容だけではありません。大事な発達段階にいる小さなお子さんにとっては、たとえ内容が良質なものであっても、テレビにさらされている時間そのものが及ぼす影響も、考えなくてはいけない重要な点なのです。

テレビが子どもに及ぼす影響については、日本だけでなく、アメリカや世界各国でさまざまな研究や調査が行われています。今回は日本小児科学会が1歳6ヶ月健診対象児・計1900名に行った調査の結果をふまえ、「小さいお子さんの発達にテレビが及ぼす影響」について詳しくみていきましょう。

長時間テレビを見ていた子どもは言葉を話すのが遅くなる?

この調査は、小児科医や発達の専門家からの相次ぐ報告をきっかけに行われました。
その報告とは、言葉の発達や表情が乏しい、親と視線を合わせないといった社会性に遅れがあって受診する幼児の中に、テレビを長時間視聴して視聴を止めると、その遅れが改善する一群がいる、というものでした。

この報告を受け、日本小児科学会が乳幼児のテレビ視聴が発達に及ぼす影響を調査し、長時間の視聴は1歳6ヶ月時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があること、特に日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴児は、有意語出現が遅れる率が高いことなどが示されました。

まず、「長時間視聴の影響」についてですが、4時間以上テレビを見ている子ども(長時間視聴児)は、4時間未満の子どもに比べ、有意語出現の遅れが高率に見られました。

さらに、子どものためでなくても、子どもの近くでテレビが8時間以上ついている家庭(長時間視聴家庭)の子どもは、有意語出現の遅れが高率でした。

特に、長時間視聴家庭の長時間視聴児の有意語出現の遅れる率は、そうでない子どもに比べ、2倍であることも明らかになりました。

次に、「テレビ視聴児における親子の関わり」についての結果です。
視聴児に親の関わりが少ない長時間視聴児は、有意語出現が遅れる率がいっそう高くなり、そうでない子どもの2.7倍にも達することも示されました。

しかし、視聴時に親が説明してあげる、子どもの反応に応答するなどの関わりがあっても、長時間の視聴は子どもに悪影響を及ぼすことも示されています。これは、テレビ視聴時には、親子で一緒に見ていても、親子のコミュニケーションが少なくなる傾向があるためと考えられます。

これらの結果をもとに、日本小児科学会から以下の提言が出されています。

●2歳以下の子どもにはテレビを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。

●テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう。

●乳幼児にテレビを1人で見せないようにしましょう。見せるときは、親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です。

●授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。

●乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見終わったら消すこと、ビデオは続けて反復視聴しないこと。

●子ども部屋にはテレビを置かないようにしましょう。

(日本小児科学会HPより:http://www.jpeds.or.jp/

赤ちゃんの「ことばの発達」にはコミュニケーションが欠かせない

今後、さらに研究が進むと、より詳しいことも明らかになるでしょう。しかし、ここで大切なことは、
「子どもの言語能力やコミュニケーション能力は、一方的に聞くだけでは発達しない」ということです。

大人と違い、特に乳児は、テレビがついていると常に視覚や聴覚が反応してしまうため、周囲の人間の声や顔などの情報が入りづらくなってしまうことがあります。子どもは、人と双方向のコミュニケーションを取り合う中で発達していくので、この重要な時期には、人と関わりを持つことがとても大切です。

テレビにもさまざまなメリットはあるでしょう。忙しい間に、お子さんがちょっとテレビを見ていてくれたら助かる時もあります。また、良質なプログラムによる良い教育効果も期待できるかもしれません。

しかし、テレビのためにお子さんとのコミュニケーションが減ってしまうことは避けるようにしましょう。お母さん自身も楽しみながら、お子さんとのコミュニケーションをたくさん取りましょう!

----------------------------------------------------------------

作間未織先生(小児科医)
東京慈恵会医科大学卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院に留学し、
現在は国内で臨床研究に従事。今後はさらに子どもの健康教育に
力を入れたいと考えている。

-----------------------------------------------------------------

作間先生の記事一覧

赤ちゃんのアレルギーの予防はできるの?

「やせ」た妊婦さんが増加中!?赤ちゃんへの影響は?

------------------------------------------------------------------

ベビカムマガジンについてはこちらから
http://www.babycome.ne.jp/read/magazine/book.php

ベビカムマガジンを手に入れたい方はこちからお申し込みください。
25部単位でお送りいたします。ぜひお友達とご一緒に!
https://www.babycome.ne.jp/magazine/haihu/haihu.html