インフルエンザ
インフルエンザとは?
インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、A ・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。
ウイルスの表面にあるHAとNAは、同一の亜型内で わずかな抗原性を毎年のように変化させるため、A型インフルエンザは巧みにヒトの免疫機構から逃れ、流行し続けます。ウィルスはさまざまな組み合わせをして、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布しているので、A型インフルエンザウイルスは人畜共通感染症としてとらえられます。
A型インフルエンザ感染を以前に受け、免疫がある人でも、再び別のA型インフルエンザの感染を受けることもあります。その抗原性に差があるほど感染を受けやすく、また発症したときの症状も強くなり、ウイルスは生き延びます。最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋として注目を浴びています。A型は数年から数10年単位、突然別の亜型にとって代わることがあります。人は新型に対する抗体はないため、大流行となり、インフルエンザウイルスはさらに息を吹きかえして生き延びていくのです。
これまでのところでは、1918年に始まっ たスペイン風邪(H1N1)は39年間続き、1957年からはアジア風邪(H2N2)の流行が11年続きました。その後1968年には香港風邪(H3N2/HongKong)
が現われ、ついで1977年ソ連風邪 (H1N1/USSR)が加わり、現在はA型であるH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフルエンザウイルスが世界中で共通した流行株となっています。
インフルエンザにかかったら
- 水分を十分に補給しましょう。赤ちゃんのカラダに負担をかけずに水分を補給できるイオン飲料やリンゴジュース、麦茶、スープなど飲みたいもので、水分を補給します。
- 単なる風邪だと軽く考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
- 安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
最近、インフルエンザウイルス治療薬としての抗ウイルス薬も、医療機関で診察の上使用できるようになりました。また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなりますが、このような細菌の感染による肺炎や気管支炎などの合併症に対する治療として、抗生剤(抗菌薬)が使用されます。これらの薬の効果については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や、からだの状態により異なります。それぞれの薬には、正しい飲み方、飲んではいけない飲み方、副作用などがありますので、医療機関できちんと説明を受けてください。また、使用する/しないは医師の判断となりますので、十分に医師に相談することが重要です。
いわゆる「風邪薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。
予防接種の効用…家族全員でかぜ予防を!
日本では、毎年600人近い方がインフルエンザによって亡くなっています。また、およそ1万人の方がインフルエンザに関連して亡くなっています。平成14年度11月〜平成15年度4月には、全国で約1500万人のインフルエンザ患者が発生し、142万人余りが入院を必要とした、と推計されます。
毎年インフルエンザシーズンの終わり頃に、WHOからの情報および日本国内の流行情報などに基づいて、次シーズンのワクチン製造株が選定され、製造にとりかかります。現在はA型のH3N2とH1N1およびB型の3種のインフルエンザウイルスが、世界中で共通した流行株となっているので、原則としてインフルエンザワクチンはこの3種類の混合ワクチンとなっています。
死亡率の減少などとともに、次第に「インフルエンザはかぜの一種でたいしたことはない」という認識が広まってしまいましたが、決してそうではありません。大切な赤ちゃんを守るためにも、インフルエンザを家庭に持ち込む可能性の高い大人の健康管理をきちんと行なうことがとても大切です。新型インフルエンザの情報にも注意を怠らず、何よりも自分を含めた家族の一般的な健康管理にも気を配りましょう。それは特別なことではなく、外から帰ったらうがい・手洗いを行なったり、部屋の湿度を保ち、まめに水分補給したり、過労やストレスに気をつけた生活を心がけると言ったことです。
鳥インフルエンザウィルス発見・国内では79年ぶり
1997年には、香港でトリ型のインフルエンザA/H5N1がはじめて人から分離され、新型インフルエンザウイルスの出現の可能性として世界中の注目を浴びました。現在のところ幸いにも人から人への感染はありませんが、国内では平成16年1月11日、1925年の発生以来、79年ぶりに山口県阿武郡阿東町で鳥インフルエンザが発見され、山口農場のすべての鶏が殺処分されました。
鳥インフルエンザの症状は、神経症状(首曲がり、沈うつ)、鶏冠(とさか・顔面の腫れ)、呼吸器症状、消化器症状(下痢、食欲減退)など。生きた鶏との接触によりヒトに感染した事例が報告されていますので、注意が必要です。なお、食品を摂取することによるヒトへのインフルエンザ感染はこれまで報告されていません。
監修:加部一彦先生/愛育病院新生児科部長
小児科医。都内の大学病院、総合病院の新生児部長、新生児集中治療室で、主に何らかの病気をかかえる赤ちゃんのお世話に明け暮れている。3人の男の子の父親でもあり、パソコン、インタ-ネットを武器に、日々成長する息子達とも闘いの毎日である。著書に「手のひらのなかのいのち」(ゆみる出版)、「障害を持つ子を産むということ」(中央法規出版)など。