発疹がでたとき(ほっしんがでたとき)

発疹がでるのは皮膚のトラブルか感染症が原因のことがほとんど


 子どもの肌は敏感なので、ちょっと汗をかいたり、空気が乾燥しただけでも、かぶれたり、あせも(「あせも・あせものより」)ができたり、カサカサになったりします。
 一方、子どもがかかりやすい感染症(「感染する病気」)のなかにも、発疹のでるものがたくさんあります。ほとんどは、皮膚の異常だけでなく、発熱やせき、鼻みずなど、ほかの症状も前後して現れます。そのほか、薬や虫などが原因で、皮膚に異常がでることもあります。

裸にし、発疹の状態をチェック


 子どもの皮膚の異常に気がついたら、まず、裸にし、どこに、どのような色や形で異常があるか確認します。病気のなかには、特徴のある発疹がでたり、体の特定の部位にでるものがあり、診断の手がかりになります。
 発疹だけでなく、熱やせき、鼻みずなどほかの症状があるときは、感染症が疑われます。皮膚とあわせて全身状態をチェックし、皮膚の異常が、感染症によるものかそうでないのか見きわめることが大切です。
図「発疹の状態をチェック」
発疹がでたときは、体のどの部分にどのような形や色のものがでているかをチェックしましょう。
図「水疱」
水ぼうそう、手足口病など。水ぶくれ。
図「丘疹」
はしか、突発性発疹など。円形の盛り上がり。
図「斑」
りんご病のように皮膚の盛り上がりのない状態。
図「膨疹」
じんま疹。境目がはっきりしている。

熱と発疹のでた時期に注意して


 熱の有無も診断の重要な手がかりになります。はしかや水ぼうそうなど発疹のでる感染症の多くは発熱します。
 感染症による発疹の場合、発熱と同時に発疹がでるもの、熱がでてから数日後に発疹がでるもの、熱が下がってから発疹がでるものというように、病気によってちがいがあります。発疹と熱の関係についても注目しましょう。
 なお、熱の高さや発熱するかどうかは、個人差があります。発熱の有無や高さ、発疹の状態だけでなく、全身状態に気を配りましょう。

皮膚のトラブルだけなら清潔に


 発熱などほかの症状がなく、かゆみもなく、局所的にボツボツがでたり、赤みをおびているだけなら、刺激の少ない石けんでやさしく洗い、3~4日はようすをみます。
 おむつをあてている部分だけ、汗をかきやすい首のまわりだけなど、明らかにあせもやおむつかぶれ(「おむつかぶれ」)が考えられる場合は、おむつをまめに替え、冷房をじょうずに利用するなどして、汗をかいたり、むれる原因を取り除きます。同時にシャワーや入浴で皮膚の清潔を心がけます。
 なかなかよくならないときや悪化するようなときは、素人判断で薬を塗ったりせずに、早めに受診します。

虫刺されはかきこわさないように


 乳幼児は、蚊に刺されると赤く大きくはれることがあります。
 確実に蚊に刺されたことがわかっているなら、市販の抗ヒスタミン剤入り軟膏を塗って、数日はようすをみてだいじょうぶです。
 ただし、かゆみが強いとかきこわして、とびひ(「伝染性膿痂疹(とびひ)」)などになりやすいので早めに受診します。

受診する


発熱などから感染症が疑われるとき


 皮膚の異常に発熱をともなうときは、はしか(「はしか(麻疹)」)や水ぼうそう(「水ぼうそう(水痘)」)、風疹(「風疹(三日ばしか)」)などの感染症がまず疑われます。病気を特定し、経過を観察する必要があるので受診を。ただし、皮膚の異常が現れる時期と発熱の時期には、時間差があることも多いので注意しましょう。
図「うつる病気のとき」
うつる病気のときは、ほかの子との接触は避けましょう。病院でも受付に申し出ます。

長引く肌のトラブルは受診を


 湿疹や発疹がなかなか消えないときは、早めに受診します。素人判断で、市販の薬や以前に処方された薬などを使うと、悪化する危険もあります。民間療法も、万人に効果があるわけではありません。きちんと医師の診察を受け、その指示にしたがいましょう。

とびひは広がらないうち受診を


 虫に刺されたところや、すり傷などのちょっとした皮膚の傷から、細菌に感染して起こるのがとびひです。かゆみの強い水疱ができて、それをかいて水疱が破れると、菌を含んだ滲出液があちこちに広がり、あっという間に水疱の数がふえてしまいます。かゆみの強い水疱ができたときは、できるだけ早めに受診します。
 虫刺されなどをかきこわさないように、爪は短く切り手をよく洗います。

じんま疹は原因を確かめて


 じんま疹(「じんま疹(アレルギー性じんま疹)」)は、ふつう数時間で症状は自然に消えますが、数日はでたり消えたりします。食べ物が原因のことが多いものの、体調によっても、でるときとでないときがあったり、薬やストレス、温度差などででることもあります。原因をつきとめるのが困難な場合もありますが、かってに原因を決めつけず、まず医師に相談します。

水いぼは早めに受診


 水いぼ(「水いぼ(伝染性軟属腫)」)が疑われるときは、診断を確定することが大切です。自然に治ることも多いのですが、どんどんふえたり、施設によっては、プールに入れないなど不都合なこともあります。治療はいぼを摘み取るので痛いのですが、必要なときは医師と相談を。

至急受診


感染症が疑われ、全身状態が悪いとき


 はしかや川崎病(「川崎病(心臓・血管)」「川崎病(アレルギーと免疫異常)」)などでは、高熱がでて脱水症状を起こしたり、まれに合併症で脳炎(「急性脳炎」)を起こすこともあります。極端にきげんが悪く、ぐったりしたとき、意識障害があるときは、急いで病院へ。

医師に伝えたいこと


発疹の色、形、かゆみは
体のどこにでているか
発疹は拡大か収束方向か
発熱は? ある場合は発疹がでる前かあとか
そのほかの症状はあるか

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