下痢をした！　腹痛がある！(げりをした)

病院にいくまで（赤ちゃんの場合）

①全身状態、ほかの症状をチェック

　うんちは、かならず全身状態とあわせてみます。きげんが悪い、発熱や嘔吐をともなうなど、気になる症状があるときには、できるだけ早く受診を。
　顔色が悪く、腹痛を訴えてはげしく泣いたり、ぐったりしているときには、重大な病気が考えられます。

病院にいくとき（赤ちゃんの場合）

①気になるうんちはおむつごと持参

　うんちのようすを医師に見せたいときは、ビニール袋におむつを入れて持参します。下痢や嘔吐があれば、替えのおむつや着替えも忘れずに。

病院から帰ったら（赤ちゃんの場合）

①下痢のときは、こまめに水分補給

　下痢のときは、脱水症状を起こさないように湯ざましや番茶、乳幼児用イオン飲料をほしがるだけ与えます。
　ただし嘔吐があるときの水分補給は、吐きけがおさまってから、少しずつこまめに与えることが大切です。
　柑橘系の果汁は、下痢をよけいに悪化させるのでひかえます。しかし、便をかためる作用のあるリンゴは、果汁にして与えたり、離乳食がわりにすりおろしを与えてもよいでしょう。

②母乳は与えてＯＫ。ミルクは医師の指示にしたがって与えます

　人工栄養の赤ちゃんは、ミルクを薄めるとまずくなるので、飲まなくなることがあります。また一時的に乳糖を分解できなくなり、下痢が長引くこともあります。ミルクの与え方は、医師によく聞いておくとよいでしょう。母乳は、ふだんどおり与えてだいじょうぶです。

③おむつかぶれに気をつけます

　下痢のときはおむつかぶれを起こしやすくなります。まめにおむつを替えて、シャワーなどでおしりの汚れをよく落とすこと。おしりを十分乾かしてからおむつをあてることで予防します。

④離乳食は消化のよいものを

　離乳食は、最初は「おもゆ」（ドロドロののり状にしたおかゆ）やスープのうわずみなどを与えます。
　うんちの状態がよくなって、離乳食をスタートするときは、1つ前の段階まで離乳食をもどして、ようすをみながら与えていきましょう。
図「離乳食はおもゆから」
離乳食は、ひとつ前の段階まで離乳食をもどして、おもゆやスープの上ずみからスタート。しばらくは、新しい食品は与えないようにします。

病院にいくまで（幼児以降の場合）

①全身状態、ほかの症状をチェック

　痛みが強いと、顔色が青ざめてきます。全身状態をみるとともに、発熱など、ほかの症状もチェックしましょう。
　とくに便の状態は、親がきちんと確かめておくことが大事です。年齢が高い子どもでも、トイレにいったあとは水を流さないように伝えて、下痢をしていないか、便に血が混ざっていないかなど、便のようすを親がしっかりと観察してください。
　下痢をしている場合は、それまでに食べたものを本人に聞くなどしてメモ書きにし、医師に報告できるようにしておきます。

②痛みが強いときは衣服をゆるめます

　衣服をゆるめて、らくにしてあげましょう。寝かせるときには両膝を曲げると、体の緊張がゆるむでしょう。
　そのほか、おなかをさすってあげるなどして、本人がらくな姿勢をとれるように気を配ります。
　また虫垂炎のように、おなかをあたためてはいけない場合があります。原因がわかるまでは、かってにおなかをあたためたり冷やしたりしないこと。
　子どもがおなかを曲げて痛がるようなときには心配です。家で寝かせてようすをみたりせずに、ただちに病院に連れていきます。
図「衣服をゆるめる」
おなかの痛みがひどいときには、衣服をゆるめて、本人がらくに感じる姿勢にします。両膝を曲げて寝かせると体の緊張がとけます。

③むやみに食事や水分を与えないで

　受診して、原因がわかるまでは、食べ物を与えないほうが無難です。水分も、本人がほしがるときだけ与える程度にしておきましょう。

病院から帰ったら（幼児以降の場合）

①水分はほしがるだけ与えます

　湯ざまし、番茶、麦茶などを少しずつ与えます。
　かぜや冷えからくる腹痛には、冷たいものより、あたたかい飲み物を飲ませます。ジュースや清涼飲料水など糖分の多い飲み物は、胃腸に負担をかけるのでひかえます。果物も、整腸作用のあるリンゴをすりおろして与える以外は、与えないほうがいいでしょう。

②消化のよい食べ物を与えます

　水分がとれていれば、1～2日は食事をしなくてもだいじょうぶ。食事の開始は医師の指示にしたがって、最初はおもゆやおかゆ、スープ、みそ汁など、消化のよいものから少しずつ与えます。
　症状がよくなっても、しばらくは、揚げものや消化の悪い食べ物は避けて、胃腸を休めます。
図「消化のよい食べ物を」