人工呼吸を行う(じんこうこきゅうをおこなう)

 呼吸をしていなければ、胸骨圧迫、人工呼吸を行います。

1歳以上の子どもに行う人工呼吸


 1歳以上の子どもの場合は、口対口人工呼吸を行います。

①気道を確保する


 気道確保(「呼吸の有無を見分ける」)をあらためてきちんと行う。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う①」

②気道を確保しながら鼻をつまむ


 子どものおでこにあてた手の、親指と人さし指で、子どもの鼻をつまみます。
 その状態から、大きく息を吸い込みます。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う②」

③十分に息を吹き込む


 まわりから息がもれないように、子どもの口をおおって、胸が軽くふくらむ程度に息を吹き込みます(口対口人工呼吸)。吹き込む時間は、1秒がめやすです。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う③」

④胸の動きを見る


 息を吹き込みながら、子どもの胸の動きを観察します。胸が盛り上がり、息がもれるような音が聞こえなければ、きちんと吹き込まれています。胸が盛り上がらない場合は、もう一度、気道を確保し、息を吹き込んでください。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う④」

⑤口を離し、胸の動きを観察


 1回息を吹き込んで、口を離したときに、胸の動きを見ます。
 うまく人工呼吸ができている場合は、子どもの胸がゆっくりと沈んでいき、吐きだされる息の音が聞こえ、自分のほおに息がふれます。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う⑤」

⑥再び息を吹き込む


 子どもの胸が元の位置までもどったら、2回めの吹き込みを行います。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う⑥」

⑦呼吸や反応を観察する


 人工呼吸を2回続けたあと、呼吸や反応を観察します。
図「1歳以上の子どもに人工呼吸を行う⑦」

1歳くらいまでの乳児に対する人工呼吸


 1歳以上の場合とほぼ同じですが、口といっしょに鼻もおおうようにして、息を吹き込みます(口対口鼻人工呼吸)。
 救助者の口で乳児の口と鼻をおおえない場合は、乳児の鼻から息を吹き込みます(口対鼻人工呼吸)。
 気道確保(「呼吸の有無を見分ける」)で、あごの先端にあてる手の指は1〜2本です。
図「1歳くらいまでの乳児に行う人工呼吸①」
 吹き込む息の量のめやすは、吹き込んだときにみぞおち部分がふくらまない程度です。1秒かけて息を吹き込みます。
 息を吹き込んだときにみぞおちがふくらんできたら、吹き込む量が多すぎますので、吹き込む息の量を少し減らすようにしてください。子どもの体の大きさに合わせて、吹き込む息の量を調節するようにしてください。
図「1歳くらいまでの乳児に行う人工呼吸②」
救助者の口が小さく、口と鼻をいっしょにおおえない場合は、乳児の鼻から息を吹き込む。

呼吸が回復すると


 人工呼吸を行って、呼吸が回復すると、うめき声をあげたり、泣きだしたりします。呼吸が回復した場合でも、再度停止することもありますから、十分に観察を続けてください。

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